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「私も含めて──三人で付き合っているんです」
私の声がリビングに響いた。
その場にいた皆が私の言葉を理解するのに時間がかかったのか、反応があったのは数秒経ってからだった。
里羅さんの小さなつぶやきが聞こえた。
「What did you say now」
今なんて言ったの そう聞こえた。里羅さんの言葉は私に冷たく突き刺さった。
言い訳をしても仕方ない。顔を上げて里羅さんを見つめる。里羅さんは足を組んだまま、私を見下ろしていた。里羅さんの黒い宝石に似た瞳が驚きを隠せずにいた。
私は里羅さんの『弟に恋人が出来た』という嬉しさを嘘で裏切ってしまったのよ。もうこれ以上、嘘はつけない。
今度は陽菜さんが身を乗り出して私に尋ねた。
「三人でって、一対一の付き合いじゃなくて。お兄ちゃんと岡本さんと涼音さんって事なの?」
理解しがたい内容を、陽菜さんが改めて言葉にする。
私は高校生になんと酷い事実を確認させているのだろう。私は改めて膝の上で作った拳に力を込める。
私が天野の恋人で嬉しいとまで言ってくれた陽菜さんなのに。私はそれでも告げなければならない。
「そうです。天野と二人だけの恋人と、嘘をついてごめんなさい」
私の謝罪の言葉を聞いた、天野が同じ様に謝る。
「本当の関係を話さなくて、すまなかった」
「お兄ちゃん……」
陽菜さんの視線が天野に移った。天野は息を深く吸い込んで背筋を伸ばした。
「陽菜の言う通りだ。俺と岡本が倉田に惹かれて。そんな俺達二人を倉田が一度に快く受け入れてくれたのさ」
天野が真っ直ぐ陽菜さんを見つめた。静かな低い声にその場の誰もが耳を傾けた。
「……一度に快く受け入れるって?」
陽菜さんが戸惑いの声を上げる。その様子にいても立っていられなかったのか、岡本が両手で三角形を作ってみせる。
「一対二なんです。三角形の天辺に倉田さんがいて、近い位置に僕と天野さんがいる」
天野も隣で岡本が作った三角形を見つめている。小さく溜め息をついた天野は、改めて陽菜さんの顔をじっと見つめる。
「常識ではこんな関係理解しがたいから、受け入れるのは難しいと思ってさ。本当の関係を言えなかったんだ。すまなかった」
あぐらをかいたまま頭を下げる天野。その天野の頭を見つめ陽菜さんは、震える声で尋ねた。
「そ、そんな……」
陽菜さんの瞳は潤み俯いてしまった。
天野は陽菜さんの様子を見て、右手を少し伸ばす。陽菜さんに少しでも近づこうとしていたが、すぐに手を引っ込めて緩くパーマをかけた自分の髪の毛をくしゃりとつかんだ。
「そうだよな。岡本と俺が倉田をシェアしているだけに思えるもんな。こんな三人での関係なんて気持ち悪いだけだよな」
天野が自嘲気味につぶやく。陽菜さんは天野の言葉にピクリと肩を動かしただけで俯いたままだ。
落ち込む天野に岡本が視線を落とす。それから、陽菜さんに岡本は声をかけた。
「僕も……陽菜さんに嘘をついてしまって。ごめんなさい」
その声に陽菜さんは顔を上げ、岡本の顔を見る。何か言いたそうに口を開いたが、すぐに下唇をかんで一度だけ頷いた。それから再び俯いてしまった。
突然謝った岡本の言葉に、天野も顔を上げて驚いていた。そんな天野と岡本の様子を見ながらずっと沈黙と続けていた里羅さんが口を開いた。
「ユージと聡司の二人の間はどういう関係になるの?」
天野と岡本の二人を指さしながら首をかしげる。
確かに今までのやり取りを見て何の関係もないというのは、二人を恋人だと信じていた里羅さんにとっては不思議でならないだろう。
「僕と天野さんの間には肉体関係はないよ」
「can't believe it」
信じられないと、里羅さんは首を左右に振った。その反応に岡本は肩を揺らして笑い始めた。
「精神的な結びつきはあると思う。というのは僕として、全く、これっぽっちも、認めたくないけどね」
チラリと天野を横目で見る岡本。天野はそんな岡本の視線を受けて嫌そうな顔をした。
「それは俺のセリフだわ。岡本っていう存在がなけりゃシンプルなのにな。お互いを消し去りたいのに、消す事が出来ないんだよな」
天野は口を尖らせていた。岡本はそんな天野を見て笑った。
「それは。同じ言葉でかえしますよ。仕方ないですよね僕達。三人ってそういうものですものね」
何を言わんとするのかは私も分かる。二人とそれぞれ過ごした週末で痛感したのだ。
そして天野と岡本の関係を表現する言葉を私達はうまく持ち合わせていない。
笑い合った天野と岡本を見つめた里羅さんが、ぽつりとつぶやいた。
「そんな。それなら私がした調査は何だったの?」
「素人が探偵の真似事なんてするからさ。これに懲りて人のプライベートを探るなんて行動は慎むようにしてくれよ」
岡本は首を左右に振って鋭い瞳で里羅さんを睨む。勝手に探られた事に腹を立てているのだろう。
「分かったわよ……勝手に探ってごめんなさい」
里羅さんはシュンと肩を落とし謝罪の言葉を述べる。
思い込みが激しいけれども素直に謝る里羅さんだ。
謝った里羅さんは溜め息をついてから改めて話し出す。
「聡司が恋人を独占できない関係に満足しているなんて驚きだわ。あなたはいつだって選ぶ側だったでしょ?」
長年、岡本の女性との付き合いを一番間近で見ていた里羅さんだから岡本の変わり様に驚きが隠せない様だ。
「僕が一番驚いているよ。この関係がとてもスペシャルで刺激的で、楽しいって思っているなんてね。どうかしてるよ」
セリフはともかく、とびきりの笑顔で答える岡本だ。鋭い瞳が弧を描くと、とても三十代男性には見えない。突然幼く見える顔になるから思わず見惚れてしまう。
里羅さんが頬に手を当てて溜め息をついた。
「聡司は執着しないし、顔の良さと身持ちの良さで人生を乗り切るだけのつまらない男だと思っていたのに。ユージという存在が聡司を変えたのね。やっぱりユージは素晴らしいわ」
うっとりと天野を見て改めて感心する里羅さんだ。お姉さんのフォローに天野も大きく頷いていたが、最後は首をかしげていた。
「ん? 別に俺の存在が岡本を変えたわけではなくて……どうかしているのは、元々岡本が持っていた性質かと」
しかし里羅さんはダンとテーブルを片手で叩いて、真っ直ぐに天野を見て言い放った。
「いいえ! そんな事はないわ。だって、聡司よ? ベビーフェイスをしておきながら、陰険で毒ばっかり吐くんだから。自分の事を棚に上げて、私に対してずいぶんな物言いだったのよ。そんな聡司が自分の思いを寄せる女性が、他の誰かと一緒にいるなんて! プライドが許すはずないもの」
カチンときた岡本が同じ様にテーブルの上に拳をおいて少し身を乗り出した。
「陰険ってどういう意味だよ。毒を吐くなんて言うけれども、それは里羅の性格がめちゃくちゃだから指摘をしていただけだろ! 四回も離婚する自分の行動こそ見直せよ」
「出会いと別れは星の数ほどあるのよ」
あっけらかんと里羅さんは言い放つ。
「口が減らない。大体何なんだよ里羅はユージ、ユージって! 天野さんの肩を持ちすぎだろ。天野さんだって僕と大して変わりないっていうのに。どうかしているのは天野さんも同じなのに」
すると今度は天野が聞き捨てならないと隣の岡本の肩をぐっとつかんだ。
「俺は顔だけじゃないぞ。家事全般できるし、生活していると何かと役立つだろ」
「僕だって顔だけじゃないですよ。努力して得た財力を維持して役立っているでしょ」
どこまでいっても平行線なのだが、おでこを付き合わせて睨み合いになる。
それを見た里羅さんがフゥと溜め息をついて、私の頭の先から足の先までじっと見つめる。
「確かに涼音は魅力的だものね。そんな魅力に二人が引きつけられたと理解できるけれども、ユージと涼音が愛し合っている姿を、指をくわえて聡司が見ているのは」
具体的な表現をされ私は思わず大きな声を上げてしまう。
「とっ、とにかくそれは、その、あの、はっ恥ずかしい事なので! とてもじゃないけど言えませんが、わっ、私は本当に二人の事を想っていて。こんな欲張りな女がいるなんて酷いとお思いかもしれませんが、この気持ちは本物なんです!」
ひーっ! 直接的な表現を口にされると、いたたまれないからっ。私は膝で立ち上がり両手をテーブルについた。
顔を真っ赤にした私の姿を見上げた里羅さんはポカンとして見上げると、少ししてから吹き出した。
「ふふふ。ごめんなさいデリカシーがなかったわね。具体的に話すのはよくないわよね」
そう言いながらも何やら想像しているのか里羅さんの目は三日月のように弧を描いていた。
想像しながら、私を見ないで! と飛び上がりそうになったが、飛び上がったのは私ではなく、俯いて沈黙を続けていた陽菜さんだった。
「もう、信じられない! こんな……こんな、三人でなんて!」
陽菜さんはソファーから立ち上がり天井に向かってそう叫んだ。
「陽菜……」
「陽菜さん……」
天野と私は想わず彼女の名前を口にした。
受け入れられるはずないよね。私は胃から何かが込み上げてくる気分だった。
三人の関係を理解するのは難しい。私が第三者で話を聞いても飲み込めないと思う。女性として二人の男性を受け止めるなんてどんな状況だと思うだろう。
陽菜さんは向かい側に座る天野に、何かを言わんとして口を開いたが再びぐっとこらえた。泣き出しそうな顔。頬は紅潮させ気分が高まっている。
陽菜さんはサッと立ち上がってソファーの後ろを歩くと、私の座っている側に素速く座り込んだ。
「?!」
「陽菜!」
突然の陽菜さんの行動に私は驚いた。
天野が片膝をついて立ち上がろうとしたのが視界の端に見える。それと同時に、陽菜さんが両手を上げたのが見えた。
ぶたれる! そう思って身構える。
ぶたれて当然の事をしているのに、それでも、この関係は止められないの。
覚悟を決め膝の上で拳を握りしめる。ぎゅっと瞳を閉じた瞬間、陽菜さんは私の拳を両手ですくい上げ叫んだ。
「最高じゃーん!」
「そう、最高なの……え?」
最低と言われると思ったのに。何故か真逆の最高と言い放ち、陽菜さんは私の拳を握りしめて目を輝かせた。
「さ、最高って」
「ど、どうして?」
天野と岡本も目を点にして陽菜さんの言葉に首をかしげた。
只一人、里羅さんだけがうんうんと何度も頷いている。
陽菜さんは息を吸い込むと鼻息も荒く目をキラキラと潤ませた。
「最高しかないって! マジマジ? ホントに? どうしよう! ってさー私、思考停止したよ。涼音さんがお兄ちゃんの恋人で、更に岡本さんとも恋人なんでしょ? ヤバくない? ヤバいよね?! 絶対ヤバーい! 二人ともマジでイケメンだし。あ、お兄ちゃんのだらしなさはとりあえずおいといて、見た目だけはイケてるし。もう岡本さんなんて最高じゃーん! この二人が虜になる涼音さんって凄い! 凄すぎで私、涼音さんのファンになるしっ! てか、私のお姉さんって~~くぅ~~マジ死ねる!」
一気にまくし立てられて何語? 状態の陽菜さんだ。私の手を握りしめたままブンブンと上下に振った。
「えっ、えっ? ファ、ファン? し、死ぬ?」
私がかろうじて聞き取れたセリフを反芻する。両手を上下に振られされるがままになる。
それから突然ぱっと手を離されたかと思うと、陽菜さんは私の胸に飛び込んで来た。背中に両手を回されぎゅーっと抱きついてきた。それから私を見上げる。
「涼音さん、謝らなくてもいいよ。分かったからさ! よかったよ~涼音さんがお兄ちゃんと恋人でさ。浮気じゃなかったんだなって! ってさ、それならこれからも涼音さんと会えるし、何より自慢できるお兄ちゃんの恋人だし。そしてさー超かっこいい岡本さんも、もう一人のお兄ちゃんで涼音さんの恋人だし。最高以外なんかあるの?」
満面の笑みで私達の事を受け入れてくれる。
「……陽菜さん」
その言葉に私は思わずホロリと涙がこぼれそうになる。
私は嬉しくて唇が震え天野と岡本を見つめる。二人とも力強く頷いて微笑んでくれた。ただ天野だけが微笑みながらチクリと刺していた。
「超かっこいい岡本さんは余計だけど」
それから私は視線をずらして里羅さんを見つめる。里羅さんもうんと頷いた。
「of course。私だって大歓迎よ。私も体験した事のない愛し方があるなんて。ああ~沢山の愛が世の中にあって常に探し求めているのにね。弟に先を越されるなんてね」
「そんなものに先とか後とかないだろ」
岡本が苦笑いをしながらつぶやいた。
よかった……こうやって受け入れてくれる優しい家族でよかった。
「ふふふふ、あはははは」
皆が肩の力を抜いて笑い合う。
私も陽菜さんを抱きしめ感慨に浸っていると、陽菜さんが必死に私の胸を左右から持ち上げようとする。フルフルと動かそうとしていた。
「ひ、陽菜さん?」
「あれ? おっかしーなぁ。この間抱きついた時、すっごくおっぱいがぱふぱふで気持ちよかったのに。今日は平べったい。何で?」
それもそのはず。私は平日の会社通勤している時にはボディースーツを愛用しているからだ。大きな胸もお尻もぴっちりと硬くガードされているので、痴漢も諦めるほどの硬さなのだ。当然胸が揺れるなんてない。
「ああ、それはね」
私はボディースーツの事を話そうとしたのだが、驚くように声を上げたのは天野だった。
「何で陽菜が倉田の胸をしっているんだ。そしていつ抱きついたんだよ」
「ひ・み・つ」
「何でだよ」
まるで語尾にハートでもつくような言い方をした陽菜さんに改めてかみつく天野。陽菜さんはそんな天野に向かって口を尖らせながら、硬いボディースーツの胸板に頬を寄せる。
「いいじゃーん。お兄ちゃんと岡本さんだけが涼音さんのおっぱいを独占しなくても。私だってちょっと触りたい」
「ばっ、馬鹿な事を言うんじゃない」
珍しく天野が頬をサッと朱色にしてわめいた。さすがに妹に揶揄われるのはたまらないのだろう。
すると隣で空気が読めないのか、人と違う感性だからなのか岡本が唸った。
「うーん。確かに倉田さんのバストは素晴らしいですからね。触れた瞬間に素晴らしい反応と言うかあの感、ムグッ」
おそらくとんでもない事を言い出したので、天野が慌てて岡本の口を塞いだ。
「ばっ、馬鹿かお前は! 陽菜の前で何て話をしてくれてるんだよ」
「そ、そうよ!」
感……の続きがどんな単語だったのかは、言わないでおくけれども。
私と天野に責められても岡本は納得いかない視線をよこしたが、口を塞がれたまま首を立てに振ってもう言わないと約束してくれた。
天野と岡本のやり取りを見ていた里羅さんがはぁはぁと鼻息を荒くしていた。
「あぁぁ~何て眼福なの。その細かいやり取りがそそるのよ。 やっぱり二人の関係も、肉体的に結びついてもいいんじゃない? その方がより愛を深める事が出来るかもよ。ああ美しい、美しい三人が見えるわ! 涼音の後ろに聡司でその後ろにユージ」
そこまで言いかけた途端今度は口を塞がれていた岡本が慌てて振り払い声を上げた。
「そ、そんなわけないだろ。親亀の上に子亀が乗って、みたいに言うな。それに何で僕の後ろに天野さんなんだよ!」
途中で声を裏返して焦る岡本に「そうかしら?」とスタイリッシュに首をかしげる里羅さんがいた。
「キラリンー。だからそこは逆だってば兄ちゃんの後ろに岡本さんだよ」
突然陽菜さんまでもが参戦する。
何て事を言うんでしょう。最近の高校生は!
その言葉に大きく口を開けて青い顔をしたのは天野だった。
「ゾワ。そんな恐ろしい事言うな!」
天野が見ろと言わんばかりに腕をまくり上げ鳥肌が立った腕を見せた。
「僕だって恐ろしいですよ!」
岡本も首がちぎれるほど左右に振っていた。
「え~~そんなにさー」
「否定しなくてもいいのに」
「「ねー」」
陽菜さんと里羅さんは顔を見合って二人で同意する。
納得しない(当然だが)二人に「それならさ」と諭そうとする。
どうしても天野と岡本の二人の関係を新たに築かせたいらしい。意見する度に天野と岡本の二人が青筋を立てブルブルと震えていた。
「「想像するだけでも絶対に嫌だっ!」」
と、必死に否定していた。
◇◆◇
話は尽きないまま夜が更けていく。
ああ、よかった。ずっと三人の関係が後ろめたいものだと思っていた。どんなに天野と岡本を愛している、たとえ誰かに認められなかったとしても、自分だけは自分を信じて生きていくんだと思っていた。
誰かに認められるっていうのは、こんなに嬉しいものなのね。
私は四人の喧噪ですら嬉しくて微笑んだ。そして、強い味方となった陽菜さんと里羅さんに改めて心の中でありがとうとつぶやいた。
私の声がリビングに響いた。
その場にいた皆が私の言葉を理解するのに時間がかかったのか、反応があったのは数秒経ってからだった。
里羅さんの小さなつぶやきが聞こえた。
「What did you say now」
今なんて言ったの そう聞こえた。里羅さんの言葉は私に冷たく突き刺さった。
言い訳をしても仕方ない。顔を上げて里羅さんを見つめる。里羅さんは足を組んだまま、私を見下ろしていた。里羅さんの黒い宝石に似た瞳が驚きを隠せずにいた。
私は里羅さんの『弟に恋人が出来た』という嬉しさを嘘で裏切ってしまったのよ。もうこれ以上、嘘はつけない。
今度は陽菜さんが身を乗り出して私に尋ねた。
「三人でって、一対一の付き合いじゃなくて。お兄ちゃんと岡本さんと涼音さんって事なの?」
理解しがたい内容を、陽菜さんが改めて言葉にする。
私は高校生になんと酷い事実を確認させているのだろう。私は改めて膝の上で作った拳に力を込める。
私が天野の恋人で嬉しいとまで言ってくれた陽菜さんなのに。私はそれでも告げなければならない。
「そうです。天野と二人だけの恋人と、嘘をついてごめんなさい」
私の謝罪の言葉を聞いた、天野が同じ様に謝る。
「本当の関係を話さなくて、すまなかった」
「お兄ちゃん……」
陽菜さんの視線が天野に移った。天野は息を深く吸い込んで背筋を伸ばした。
「陽菜の言う通りだ。俺と岡本が倉田に惹かれて。そんな俺達二人を倉田が一度に快く受け入れてくれたのさ」
天野が真っ直ぐ陽菜さんを見つめた。静かな低い声にその場の誰もが耳を傾けた。
「……一度に快く受け入れるって?」
陽菜さんが戸惑いの声を上げる。その様子にいても立っていられなかったのか、岡本が両手で三角形を作ってみせる。
「一対二なんです。三角形の天辺に倉田さんがいて、近い位置に僕と天野さんがいる」
天野も隣で岡本が作った三角形を見つめている。小さく溜め息をついた天野は、改めて陽菜さんの顔をじっと見つめる。
「常識ではこんな関係理解しがたいから、受け入れるのは難しいと思ってさ。本当の関係を言えなかったんだ。すまなかった」
あぐらをかいたまま頭を下げる天野。その天野の頭を見つめ陽菜さんは、震える声で尋ねた。
「そ、そんな……」
陽菜さんの瞳は潤み俯いてしまった。
天野は陽菜さんの様子を見て、右手を少し伸ばす。陽菜さんに少しでも近づこうとしていたが、すぐに手を引っ込めて緩くパーマをかけた自分の髪の毛をくしゃりとつかんだ。
「そうだよな。岡本と俺が倉田をシェアしているだけに思えるもんな。こんな三人での関係なんて気持ち悪いだけだよな」
天野が自嘲気味につぶやく。陽菜さんは天野の言葉にピクリと肩を動かしただけで俯いたままだ。
落ち込む天野に岡本が視線を落とす。それから、陽菜さんに岡本は声をかけた。
「僕も……陽菜さんに嘘をついてしまって。ごめんなさい」
その声に陽菜さんは顔を上げ、岡本の顔を見る。何か言いたそうに口を開いたが、すぐに下唇をかんで一度だけ頷いた。それから再び俯いてしまった。
突然謝った岡本の言葉に、天野も顔を上げて驚いていた。そんな天野と岡本の様子を見ながらずっと沈黙と続けていた里羅さんが口を開いた。
「ユージと聡司の二人の間はどういう関係になるの?」
天野と岡本の二人を指さしながら首をかしげる。
確かに今までのやり取りを見て何の関係もないというのは、二人を恋人だと信じていた里羅さんにとっては不思議でならないだろう。
「僕と天野さんの間には肉体関係はないよ」
「can't believe it」
信じられないと、里羅さんは首を左右に振った。その反応に岡本は肩を揺らして笑い始めた。
「精神的な結びつきはあると思う。というのは僕として、全く、これっぽっちも、認めたくないけどね」
チラリと天野を横目で見る岡本。天野はそんな岡本の視線を受けて嫌そうな顔をした。
「それは俺のセリフだわ。岡本っていう存在がなけりゃシンプルなのにな。お互いを消し去りたいのに、消す事が出来ないんだよな」
天野は口を尖らせていた。岡本はそんな天野を見て笑った。
「それは。同じ言葉でかえしますよ。仕方ないですよね僕達。三人ってそういうものですものね」
何を言わんとするのかは私も分かる。二人とそれぞれ過ごした週末で痛感したのだ。
そして天野と岡本の関係を表現する言葉を私達はうまく持ち合わせていない。
笑い合った天野と岡本を見つめた里羅さんが、ぽつりとつぶやいた。
「そんな。それなら私がした調査は何だったの?」
「素人が探偵の真似事なんてするからさ。これに懲りて人のプライベートを探るなんて行動は慎むようにしてくれよ」
岡本は首を左右に振って鋭い瞳で里羅さんを睨む。勝手に探られた事に腹を立てているのだろう。
「分かったわよ……勝手に探ってごめんなさい」
里羅さんはシュンと肩を落とし謝罪の言葉を述べる。
思い込みが激しいけれども素直に謝る里羅さんだ。
謝った里羅さんは溜め息をついてから改めて話し出す。
「聡司が恋人を独占できない関係に満足しているなんて驚きだわ。あなたはいつだって選ぶ側だったでしょ?」
長年、岡本の女性との付き合いを一番間近で見ていた里羅さんだから岡本の変わり様に驚きが隠せない様だ。
「僕が一番驚いているよ。この関係がとてもスペシャルで刺激的で、楽しいって思っているなんてね。どうかしてるよ」
セリフはともかく、とびきりの笑顔で答える岡本だ。鋭い瞳が弧を描くと、とても三十代男性には見えない。突然幼く見える顔になるから思わず見惚れてしまう。
里羅さんが頬に手を当てて溜め息をついた。
「聡司は執着しないし、顔の良さと身持ちの良さで人生を乗り切るだけのつまらない男だと思っていたのに。ユージという存在が聡司を変えたのね。やっぱりユージは素晴らしいわ」
うっとりと天野を見て改めて感心する里羅さんだ。お姉さんのフォローに天野も大きく頷いていたが、最後は首をかしげていた。
「ん? 別に俺の存在が岡本を変えたわけではなくて……どうかしているのは、元々岡本が持っていた性質かと」
しかし里羅さんはダンとテーブルを片手で叩いて、真っ直ぐに天野を見て言い放った。
「いいえ! そんな事はないわ。だって、聡司よ? ベビーフェイスをしておきながら、陰険で毒ばっかり吐くんだから。自分の事を棚に上げて、私に対してずいぶんな物言いだったのよ。そんな聡司が自分の思いを寄せる女性が、他の誰かと一緒にいるなんて! プライドが許すはずないもの」
カチンときた岡本が同じ様にテーブルの上に拳をおいて少し身を乗り出した。
「陰険ってどういう意味だよ。毒を吐くなんて言うけれども、それは里羅の性格がめちゃくちゃだから指摘をしていただけだろ! 四回も離婚する自分の行動こそ見直せよ」
「出会いと別れは星の数ほどあるのよ」
あっけらかんと里羅さんは言い放つ。
「口が減らない。大体何なんだよ里羅はユージ、ユージって! 天野さんの肩を持ちすぎだろ。天野さんだって僕と大して変わりないっていうのに。どうかしているのは天野さんも同じなのに」
すると今度は天野が聞き捨てならないと隣の岡本の肩をぐっとつかんだ。
「俺は顔だけじゃないぞ。家事全般できるし、生活していると何かと役立つだろ」
「僕だって顔だけじゃないですよ。努力して得た財力を維持して役立っているでしょ」
どこまでいっても平行線なのだが、おでこを付き合わせて睨み合いになる。
それを見た里羅さんがフゥと溜め息をついて、私の頭の先から足の先までじっと見つめる。
「確かに涼音は魅力的だものね。そんな魅力に二人が引きつけられたと理解できるけれども、ユージと涼音が愛し合っている姿を、指をくわえて聡司が見ているのは」
具体的な表現をされ私は思わず大きな声を上げてしまう。
「とっ、とにかくそれは、その、あの、はっ恥ずかしい事なので! とてもじゃないけど言えませんが、わっ、私は本当に二人の事を想っていて。こんな欲張りな女がいるなんて酷いとお思いかもしれませんが、この気持ちは本物なんです!」
ひーっ! 直接的な表現を口にされると、いたたまれないからっ。私は膝で立ち上がり両手をテーブルについた。
顔を真っ赤にした私の姿を見上げた里羅さんはポカンとして見上げると、少ししてから吹き出した。
「ふふふ。ごめんなさいデリカシーがなかったわね。具体的に話すのはよくないわよね」
そう言いながらも何やら想像しているのか里羅さんの目は三日月のように弧を描いていた。
想像しながら、私を見ないで! と飛び上がりそうになったが、飛び上がったのは私ではなく、俯いて沈黙を続けていた陽菜さんだった。
「もう、信じられない! こんな……こんな、三人でなんて!」
陽菜さんはソファーから立ち上がり天井に向かってそう叫んだ。
「陽菜……」
「陽菜さん……」
天野と私は想わず彼女の名前を口にした。
受け入れられるはずないよね。私は胃から何かが込み上げてくる気分だった。
三人の関係を理解するのは難しい。私が第三者で話を聞いても飲み込めないと思う。女性として二人の男性を受け止めるなんてどんな状況だと思うだろう。
陽菜さんは向かい側に座る天野に、何かを言わんとして口を開いたが再びぐっとこらえた。泣き出しそうな顔。頬は紅潮させ気分が高まっている。
陽菜さんはサッと立ち上がってソファーの後ろを歩くと、私の座っている側に素速く座り込んだ。
「?!」
「陽菜!」
突然の陽菜さんの行動に私は驚いた。
天野が片膝をついて立ち上がろうとしたのが視界の端に見える。それと同時に、陽菜さんが両手を上げたのが見えた。
ぶたれる! そう思って身構える。
ぶたれて当然の事をしているのに、それでも、この関係は止められないの。
覚悟を決め膝の上で拳を握りしめる。ぎゅっと瞳を閉じた瞬間、陽菜さんは私の拳を両手ですくい上げ叫んだ。
「最高じゃーん!」
「そう、最高なの……え?」
最低と言われると思ったのに。何故か真逆の最高と言い放ち、陽菜さんは私の拳を握りしめて目を輝かせた。
「さ、最高って」
「ど、どうして?」
天野と岡本も目を点にして陽菜さんの言葉に首をかしげた。
只一人、里羅さんだけがうんうんと何度も頷いている。
陽菜さんは息を吸い込むと鼻息も荒く目をキラキラと潤ませた。
「最高しかないって! マジマジ? ホントに? どうしよう! ってさー私、思考停止したよ。涼音さんがお兄ちゃんの恋人で、更に岡本さんとも恋人なんでしょ? ヤバくない? ヤバいよね?! 絶対ヤバーい! 二人ともマジでイケメンだし。あ、お兄ちゃんのだらしなさはとりあえずおいといて、見た目だけはイケてるし。もう岡本さんなんて最高じゃーん! この二人が虜になる涼音さんって凄い! 凄すぎで私、涼音さんのファンになるしっ! てか、私のお姉さんって~~くぅ~~マジ死ねる!」
一気にまくし立てられて何語? 状態の陽菜さんだ。私の手を握りしめたままブンブンと上下に振った。
「えっ、えっ? ファ、ファン? し、死ぬ?」
私がかろうじて聞き取れたセリフを反芻する。両手を上下に振られされるがままになる。
それから突然ぱっと手を離されたかと思うと、陽菜さんは私の胸に飛び込んで来た。背中に両手を回されぎゅーっと抱きついてきた。それから私を見上げる。
「涼音さん、謝らなくてもいいよ。分かったからさ! よかったよ~涼音さんがお兄ちゃんと恋人でさ。浮気じゃなかったんだなって! ってさ、それならこれからも涼音さんと会えるし、何より自慢できるお兄ちゃんの恋人だし。そしてさー超かっこいい岡本さんも、もう一人のお兄ちゃんで涼音さんの恋人だし。最高以外なんかあるの?」
満面の笑みで私達の事を受け入れてくれる。
「……陽菜さん」
その言葉に私は思わずホロリと涙がこぼれそうになる。
私は嬉しくて唇が震え天野と岡本を見つめる。二人とも力強く頷いて微笑んでくれた。ただ天野だけが微笑みながらチクリと刺していた。
「超かっこいい岡本さんは余計だけど」
それから私は視線をずらして里羅さんを見つめる。里羅さんもうんと頷いた。
「of course。私だって大歓迎よ。私も体験した事のない愛し方があるなんて。ああ~沢山の愛が世の中にあって常に探し求めているのにね。弟に先を越されるなんてね」
「そんなものに先とか後とかないだろ」
岡本が苦笑いをしながらつぶやいた。
よかった……こうやって受け入れてくれる優しい家族でよかった。
「ふふふふ、あはははは」
皆が肩の力を抜いて笑い合う。
私も陽菜さんを抱きしめ感慨に浸っていると、陽菜さんが必死に私の胸を左右から持ち上げようとする。フルフルと動かそうとしていた。
「ひ、陽菜さん?」
「あれ? おっかしーなぁ。この間抱きついた時、すっごくおっぱいがぱふぱふで気持ちよかったのに。今日は平べったい。何で?」
それもそのはず。私は平日の会社通勤している時にはボディースーツを愛用しているからだ。大きな胸もお尻もぴっちりと硬くガードされているので、痴漢も諦めるほどの硬さなのだ。当然胸が揺れるなんてない。
「ああ、それはね」
私はボディースーツの事を話そうとしたのだが、驚くように声を上げたのは天野だった。
「何で陽菜が倉田の胸をしっているんだ。そしていつ抱きついたんだよ」
「ひ・み・つ」
「何でだよ」
まるで語尾にハートでもつくような言い方をした陽菜さんに改めてかみつく天野。陽菜さんはそんな天野に向かって口を尖らせながら、硬いボディースーツの胸板に頬を寄せる。
「いいじゃーん。お兄ちゃんと岡本さんだけが涼音さんのおっぱいを独占しなくても。私だってちょっと触りたい」
「ばっ、馬鹿な事を言うんじゃない」
珍しく天野が頬をサッと朱色にしてわめいた。さすがに妹に揶揄われるのはたまらないのだろう。
すると隣で空気が読めないのか、人と違う感性だからなのか岡本が唸った。
「うーん。確かに倉田さんのバストは素晴らしいですからね。触れた瞬間に素晴らしい反応と言うかあの感、ムグッ」
おそらくとんでもない事を言い出したので、天野が慌てて岡本の口を塞いだ。
「ばっ、馬鹿かお前は! 陽菜の前で何て話をしてくれてるんだよ」
「そ、そうよ!」
感……の続きがどんな単語だったのかは、言わないでおくけれども。
私と天野に責められても岡本は納得いかない視線をよこしたが、口を塞がれたまま首を立てに振ってもう言わないと約束してくれた。
天野と岡本のやり取りを見ていた里羅さんがはぁはぁと鼻息を荒くしていた。
「あぁぁ~何て眼福なの。その細かいやり取りがそそるのよ。 やっぱり二人の関係も、肉体的に結びついてもいいんじゃない? その方がより愛を深める事が出来るかもよ。ああ美しい、美しい三人が見えるわ! 涼音の後ろに聡司でその後ろにユージ」
そこまで言いかけた途端今度は口を塞がれていた岡本が慌てて振り払い声を上げた。
「そ、そんなわけないだろ。親亀の上に子亀が乗って、みたいに言うな。それに何で僕の後ろに天野さんなんだよ!」
途中で声を裏返して焦る岡本に「そうかしら?」とスタイリッシュに首をかしげる里羅さんがいた。
「キラリンー。だからそこは逆だってば兄ちゃんの後ろに岡本さんだよ」
突然陽菜さんまでもが参戦する。
何て事を言うんでしょう。最近の高校生は!
その言葉に大きく口を開けて青い顔をしたのは天野だった。
「ゾワ。そんな恐ろしい事言うな!」
天野が見ろと言わんばかりに腕をまくり上げ鳥肌が立った腕を見せた。
「僕だって恐ろしいですよ!」
岡本も首がちぎれるほど左右に振っていた。
「え~~そんなにさー」
「否定しなくてもいいのに」
「「ねー」」
陽菜さんと里羅さんは顔を見合って二人で同意する。
納得しない(当然だが)二人に「それならさ」と諭そうとする。
どうしても天野と岡本の二人の関係を新たに築かせたいらしい。意見する度に天野と岡本の二人が青筋を立てブルブルと震えていた。
「「想像するだけでも絶対に嫌だっ!」」
と、必死に否定していた。
◇◆◇
話は尽きないまま夜が更けていく。
ああ、よかった。ずっと三人の関係が後ろめたいものだと思っていた。どんなに天野と岡本を愛している、たとえ誰かに認められなかったとしても、自分だけは自分を信じて生きていくんだと思っていた。
誰かに認められるっていうのは、こんなに嬉しいものなのね。
私は四人の喧噪ですら嬉しくて微笑んだ。そして、強い味方となった陽菜さんと里羅さんに改めて心の中でありがとうとつぶやいた。
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