酒涙雨で終わりにしようか?君の心臓を天に捧ぐから。

蘇 陶華

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天翔ける白夜狐の想い

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白夜狐の左胸は、熱く鼓動を奏でていた。あの日、地下で、待ち伏せされていた日から、なんて、遠い月日が流れたのだろう。提案してきたのは、太古の不死の神だった。条件は、勿論、白夜狐の霊力。
「幾年かで、君の霊力は甚大になる。その時、私に、力を貸してくれないか?」
不死の神は言った。
「君の願いは、私にとっても、願ってもない事だ。高天原を消滅し、八百万の神を、消し去って、新たに、この世を作り直すのも良い」
不死の神は、続けて言う。
「あまりにも、犠牲を払わせすぎる」
不死の神との密約の後、地下での惨事にあった。相手は、本気で、白夜狐を倒すつもりだった。相手は、容赦なかった。本気で、白夜狐を殺すつもりでいた。能力的に、白夜狐は、勝てるはずだった。だが、相手に油断させる為、白夜狐は、負ける事にした。必ず、復讐する為に。相手は、白夜狐の視力を奪った。二度と逆らわない様にとの、見せしめだった。誤算だったのは、神女、お鏡様だった、あんな事を選択するとは、思わなかった。灰になった元は、巫女だった身体を抱きしめ泣いた。涙は、出る事は無かった。眷属として、犯してはならない禁威が、幾つかある。神女に、横恋慕するのも、その内の一つだが、死した者を転生させるのも、その一つだった。それは、八百万の神の権威。だが、白夜狐は、彼らに、任せたくなかった。遠く手の届かない大地に、送ろう。自分達の祖先が、生まれたという伝説の地へ、神女の魂を送った。転生し、力を得たら、逢いにいく。何年かかるか、わからない。力を得て、迎えにいく。白夜狐は、神女に呪術をかけた。自分の想いと一緒に。寄せては返す波の様に、自分に逢える様に。目は、物を捉える事はできなくなっていた。八百万の神は、神女を失ったが、白夜狐の怪我を見て、自分達に、服従したとばかり思っていた。それから、いく年。彼は、力をつけていった。自分達を、屈した神々の一族に復讐する為に。
「静かに眠ればいい」
不死の神の右手が、指先から、明るい光を放っていた。白夜狐は、静かに息をしていた。ここから、自分は、不死の神と一つになる。きっと、その後、彼は、眠っているもう一人の不死の神と共に、山頂の頂を破壊し、高熱を発する炎を麓に、降らせるだろう。全てが、焼け、その煙は、遠く、祖先の生まれた地にまで、届く。あの神女は、もう、いない。白夜狐は、深く息を吐いた。
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