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鏡の中のキリアス
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多分、時間というものは、数多く流れてしまうと、感覚がなくなってくる。傷つき壊れた魂は、どんなに時間をかけても癒される事はない。辺りは、深い霧に包まれている。キリアスは、濃い霧の中を進んでいた。見下ろすと裸足だった。足裏に、霧に濡れそぼった草の感覚が懐かしい。自分は、どこから来たのだろうか?信じていた人に裏切られた。それは、幾度となく繰り返した。もう、ここで終わりにしたいと願いながらも、何かを探し、転生している。憎みながら、果てたのに、自分の意思とは関係なく、まだ、この世にいる。恨みを果たすべく、何度も、復讐を果たそうと試みるが、結局、願いは果たせていない。自分の願いとは、一体?
「ここは、どこなんだ」
キリアスは、霧の中を手探りで、進む。真っ白い霧に、このまま呑まれてしまったら、どんなに楽か。このまま、自分は、消えてしまうおうか?霧の中を手探りで、進みながら、自分の記憶を辿る。
「現在は、どこの時代で、何者なのか?」
自分は、最後は、魔女と呼ばれ、八つ裂きにされた。あらぬ疑いであったが、否定は、できなかった。人ざる者ではなかったが、人を害する者ではなかったが、狂気に駆られた人達は、信じてくれなかった。あの時、あの兄弟にあわなければ、自分が、優しさを出さなければ、静かに、人生を終わる事ができたのに。
「これは?」
霧の中に、一筋の光が見えてきた。霧のトンネルが終わるのかと思えば、それは、小さな灯りだった。灯は、次第に近づいてくる。それは、大きくなり、誰かが、持つランプの灯りだと気づいた。ランプは、左右に揺れ、ランプを持つ手が最初に現れた。同じく靴を履いていない細い足先が、目に入り、やがてそれは、1人の少女だと気づいた。
「誰?」
同じ声が、霧の中に木霊し、霧の中から、浮かび上がったのは、もう1人の自分の姿だった。
「犀花?」
この体のもう一人の主だった。
「あなたは・・・」
犀花も、現れたキリアスに当惑していた。
「まさか、こんな形で逢うとはね」
キリアスの言葉には、棘がある。
「いつかは、話がしたいと思っていました」
犀花は言う。
「私に、両親がいないのも、眷属達が、私を見張るのも、あなたが原因なんですね」
「望んで、ここに入った訳ではない」
キリアスは、犀花の胸を指さす。
「終わらせたかった。自分の存在を。何度も、何度も、終わらせたかったのに、気がつくと、まだ、この世に存在している」
キリアスは、犀花に自分の思いをぶつけた。
「私は、終わらせたい。なのに、何故、離れる事ができない?何が、私の邪魔をする?誰が、私の邪魔をする?」
「かわいそうな人・・・」
犀花の手が、キリアスの頬に触れた。
「かわいそう?」
キリアスは、頬に触れている犀花の手をとった。
「私は、かわいそうなのか?」
犀花は、うなづいた。
「かわいそうな人。そして、私も、かわいそうな人。誰のせいで、こうなった?誰のせいで・・・」
犀花の手が、キリアスの顔をすり抜けていく。顔と顔が重なり、キリアスと犀花の瞳が重なり合う。犀花の意識とキリアスの意識が、混ざり合っていく。
「誰のせいでこうなった?」
キリアスの口元が、微かに動いていた。
「ここは、どこなんだ」
キリアスは、霧の中を手探りで、進む。真っ白い霧に、このまま呑まれてしまったら、どんなに楽か。このまま、自分は、消えてしまうおうか?霧の中を手探りで、進みながら、自分の記憶を辿る。
「現在は、どこの時代で、何者なのか?」
自分は、最後は、魔女と呼ばれ、八つ裂きにされた。あらぬ疑いであったが、否定は、できなかった。人ざる者ではなかったが、人を害する者ではなかったが、狂気に駆られた人達は、信じてくれなかった。あの時、あの兄弟にあわなければ、自分が、優しさを出さなければ、静かに、人生を終わる事ができたのに。
「これは?」
霧の中に、一筋の光が見えてきた。霧のトンネルが終わるのかと思えば、それは、小さな灯りだった。灯は、次第に近づいてくる。それは、大きくなり、誰かが、持つランプの灯りだと気づいた。ランプは、左右に揺れ、ランプを持つ手が最初に現れた。同じく靴を履いていない細い足先が、目に入り、やがてそれは、1人の少女だと気づいた。
「誰?」
同じ声が、霧の中に木霊し、霧の中から、浮かび上がったのは、もう1人の自分の姿だった。
「犀花?」
この体のもう一人の主だった。
「あなたは・・・」
犀花も、現れたキリアスに当惑していた。
「まさか、こんな形で逢うとはね」
キリアスの言葉には、棘がある。
「いつかは、話がしたいと思っていました」
犀花は言う。
「私に、両親がいないのも、眷属達が、私を見張るのも、あなたが原因なんですね」
「望んで、ここに入った訳ではない」
キリアスは、犀花の胸を指さす。
「終わらせたかった。自分の存在を。何度も、何度も、終わらせたかったのに、気がつくと、まだ、この世に存在している」
キリアスは、犀花に自分の思いをぶつけた。
「私は、終わらせたい。なのに、何故、離れる事ができない?何が、私の邪魔をする?誰が、私の邪魔をする?」
「かわいそうな人・・・」
犀花の手が、キリアスの頬に触れた。
「かわいそう?」
キリアスは、頬に触れている犀花の手をとった。
「私は、かわいそうなのか?」
犀花は、うなづいた。
「かわいそうな人。そして、私も、かわいそうな人。誰のせいで、こうなった?誰のせいで・・・」
犀花の手が、キリアスの顔をすり抜けていく。顔と顔が重なり、キリアスと犀花の瞳が重なり合う。犀花の意識とキリアスの意識が、混ざり合っていく。
「誰のせいでこうなった?」
キリアスの口元が、微かに動いていた。
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