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第1.5章
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城壁の炎が落ち着きすと、辺りは薄暗くなってきた。
階段を、一段一段とゆっくりと、エリに合わせて、浜川は降りて行く。
降りながら下を見ると、鎧を着た兵士が5列に並び全部で40人近く居る。
初めてこの世界に来た時に見た、兵士に比べて、薄汚いと言うのか、プレートが全身を覆っている訳では無いので、そう見えたのかもしれない。
並んで居る前、真ん中に立つ男だけは、色艶の無い、装飾だけが目立つ、如何にもここの責任者らしき出たちある。
「お前たちは何だ!?、」
浜川が話すより先にエリが前に立ち話し出す。
「私達は、頼まれてきました。」
「頼まれて?誰に?」
「え~、、とぉ」
エリは浜川に目を合わせるが、惚けたように天を見ている。
「あー!ハイハイ、私でーす。」
遠くから手を振り上げ両手でバタバタとしている姿が見える、声の主である。
「はぁ、はぁ、ハイハイ!」
バタバタと両者の間に入り込み、浜川等に背を向けて、代表者らしき人物に挨拶をした。
「お久しぶりで、御座います。
エルアル卿。
ミトで御座います。」
代表者らしき人物は、この城壁の主、バルド・F・エルアル卿、ここに連れて来た、ハインツの孫、現この領地の領主である。
見た目はハインツより髭が濃いのでかなり老けて見えるが、30代後半である、若くて領主になり、今まで苦労してきたのが伺える程の顔つきである。
知らなければ50代に見える、後、鎧の装飾が一段と貫禄を、増し、若く見えなくなっていた。
「ドリアードか!」
「はい!」
「これは何の挨拶かな?」
エルアル卿はドリアードであるミトが疎ましい素ぶりを見せる。
ミトも、気がついているが、領主であるエルアルに対して引く様な態度は見せない。
「ハインツ様からの指示で、軽く討伐させて頂きました。」
「ハインツ⁈」
「はい、今日は挨拶がわりかと」
「ならば!それ以上の赴きは無いな!」
「はい、ご要望であれば直ぐに出ていきます。」
エルアル卿は踵を返しミト達に背を向け、後ろに待機している兵士に声を掛ける。
「全隊!解散!各自持ち場に戻れ!異常等発見した場合、即報告せよ!」
「はっ!」「は」「は!」「はっ」「は!」
各列の先頭が順に返事をし、駆け足で解散して行った。
その中を振り返る事もなくエルアル卿は真っ直ぐに歩き出し、奥へ消えて行った。
「あっさりと終わったね」
「ああ」
エリと浜川は呆気に取られミトに声を掛ける。
「あは、どうやら嫌われてる見たいで、お恥ずかしい。」
「アイツの所為なんだろ?」
「まあー、子や孫に嫌われているお爺さんって感じなんです。」
「そっかあ、じゃあ、帰ろか?」
黙ったまま、3人は、馬車へとあるにだした。
道中、あまりの沈黙に堪え兼ねたミトは、エリに話しかけたが、エリも浜川に気を使っているので、上手くキャッチボールができずにいた。
「ドリアードか?って聞き方って差別?」
「あー、そうですね、彼は私達精霊を少し嫌っているかもです。」
「そーなんだ。」
「あー、はい、でも気にはしてないんで。」
エルアルは振り返らず真っ直ぐに、自分がさっき迄居た部屋に戻る。
木を数枚横張にし、鉄枠で固めた扉の前に立つ。
ドアノブに手を当てると少し力が、入らない、小さくため息をついて力を入れると、扉は開いた。
素早く中に入り、扉を閉める。
鍵などは無い、ドンッと大きな音がするほど力強く閉めたので、自分でも少し驚いたが、悟られないよう目を閉じ、一息つく。
大理石の様な石が天板になったテーブルの上に飲みかけのグラスがある。
席に着く前にグラスを取り一気に飲み干す。
大きくため息をひとつ
両膝を叩くように気合いを入れて座る。
「とんでもないのが来たな。。」
ボソッと心の声が漏れた。
階段を、一段一段とゆっくりと、エリに合わせて、浜川は降りて行く。
降りながら下を見ると、鎧を着た兵士が5列に並び全部で40人近く居る。
初めてこの世界に来た時に見た、兵士に比べて、薄汚いと言うのか、プレートが全身を覆っている訳では無いので、そう見えたのかもしれない。
並んで居る前、真ん中に立つ男だけは、色艶の無い、装飾だけが目立つ、如何にもここの責任者らしき出たちある。
「お前たちは何だ!?、」
浜川が話すより先にエリが前に立ち話し出す。
「私達は、頼まれてきました。」
「頼まれて?誰に?」
「え~、、とぉ」
エリは浜川に目を合わせるが、惚けたように天を見ている。
「あー!ハイハイ、私でーす。」
遠くから手を振り上げ両手でバタバタとしている姿が見える、声の主である。
「はぁ、はぁ、ハイハイ!」
バタバタと両者の間に入り込み、浜川等に背を向けて、代表者らしき人物に挨拶をした。
「お久しぶりで、御座います。
エルアル卿。
ミトで御座います。」
代表者らしき人物は、この城壁の主、バルド・F・エルアル卿、ここに連れて来た、ハインツの孫、現この領地の領主である。
見た目はハインツより髭が濃いのでかなり老けて見えるが、30代後半である、若くて領主になり、今まで苦労してきたのが伺える程の顔つきである。
知らなければ50代に見える、後、鎧の装飾が一段と貫禄を、増し、若く見えなくなっていた。
「ドリアードか!」
「はい!」
「これは何の挨拶かな?」
エルアル卿はドリアードであるミトが疎ましい素ぶりを見せる。
ミトも、気がついているが、領主であるエルアルに対して引く様な態度は見せない。
「ハインツ様からの指示で、軽く討伐させて頂きました。」
「ハインツ⁈」
「はい、今日は挨拶がわりかと」
「ならば!それ以上の赴きは無いな!」
「はい、ご要望であれば直ぐに出ていきます。」
エルアル卿は踵を返しミト達に背を向け、後ろに待機している兵士に声を掛ける。
「全隊!解散!各自持ち場に戻れ!異常等発見した場合、即報告せよ!」
「はっ!」「は」「は!」「はっ」「は!」
各列の先頭が順に返事をし、駆け足で解散して行った。
その中を振り返る事もなくエルアル卿は真っ直ぐに歩き出し、奥へ消えて行った。
「あっさりと終わったね」
「ああ」
エリと浜川は呆気に取られミトに声を掛ける。
「あは、どうやら嫌われてる見たいで、お恥ずかしい。」
「アイツの所為なんだろ?」
「まあー、子や孫に嫌われているお爺さんって感じなんです。」
「そっかあ、じゃあ、帰ろか?」
黙ったまま、3人は、馬車へとあるにだした。
道中、あまりの沈黙に堪え兼ねたミトは、エリに話しかけたが、エリも浜川に気を使っているので、上手くキャッチボールができずにいた。
「ドリアードか?って聞き方って差別?」
「あー、そうですね、彼は私達精霊を少し嫌っているかもです。」
「そーなんだ。」
「あー、はい、でも気にはしてないんで。」
エルアルは振り返らず真っ直ぐに、自分がさっき迄居た部屋に戻る。
木を数枚横張にし、鉄枠で固めた扉の前に立つ。
ドアノブに手を当てると少し力が、入らない、小さくため息をついて力を入れると、扉は開いた。
素早く中に入り、扉を閉める。
鍵などは無い、ドンッと大きな音がするほど力強く閉めたので、自分でも少し驚いたが、悟られないよう目を閉じ、一息つく。
大理石の様な石が天板になったテーブルの上に飲みかけのグラスがある。
席に着く前にグラスを取り一気に飲み干す。
大きくため息をひとつ
両膝を叩くように気合いを入れて座る。
「とんでもないのが来たな。。」
ボソッと心の声が漏れた。
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