NoEntry ＝来ては行けない人が異世界に来た＝

第1.2章

気怠い・・・
キングベットの上にタオルケット１枚だけかぶったまま目が覚めた。
帰宅はたしか、同伴もなく、何もなかったので、夜中の２時過ぎだったか・・・
時計を見ると朝の１１時。

「ダンちゃん・・おはよう～」

ダイニングから食器の音が聞こえてくる。

「朝ご飯？あ～お昼ご飯かな？」

幸せの１日の始まり・・・

ダンちゃんと此れから一緒に・・・ずっと一緒に居られる。

少し冷える・・・
クーラーは苦手なのよ・・・

「エリ起きろ！エリ！」

目が覚めた・・・「夢みてた？」
大きな礼拝堂のような場所

天井まではかなり高く、周りは石の様な扉に囲まれ、2階は、ステンドグラスのような壁に覆われ、３、4階にバルコニーが見える
まるでバルコニーに囲まれたような中心地。
そして、床は白い大理石のような冷たい大きなタイルが敷き詰められた中心に２人は居た。
後ろから声が聞こえる。

後ろに１か所３M以上ある大きな装飾がされた鉄の扉が開く。

「周囲！整列！」

２人を取り囲むように石の扉が一斉に開き、銀色に金の装飾がされた鎧を着た兵士、数人は盾に槍・・・ゾロゾロと入ってきた。
更に扉の奥から、高貴な感じの老人が１人。

「ようこそ、ミッテルロジェに！」

老人から声が聞こえた。
上を見上げるとバルコニーにはヨローッパの貴族のような服をきた人達が大勢見下ろしている。

「だ、ダンちゃん・・・」

浜川は黙って老人を睨みつけていた。
すると老人は杖を浜川を指し叫ぶ。

「これより、バルド領へ向かい、討伐してくるがよい！」

黙って睨みつけていた浜川はポケットに手を入れたまま立ち上がる。
取り囲んで居た数名の槍を持った兵士が、槍を浜川に向ける。
一向に気にしないでそのまま、浜川はポケットからシガーケースを取り出し
煙草に火を付け、大きく息を吸う。

バルコニーから、ざわつく声がする。
老人は更に大きな声で言う。

「不敬であるぞ！　此処に来たときにギフトを授かり、その力を持って討伐に当たるのが義務であるぞ！」

浜川は何も言わず煙草を吸い続け、そこから立ったまま動かない。
すると老人は、浜川の横に座り込んで居た、エリに視線を動かすと、

「なぜ２人もいるのだ？、なんだその娼婦のような女は！お前の奴隷か何か！」

Tシャツに、スキニーパンツにブーツ姿が・・・娼婦？

「あぁ？殺すぞジジィ！」

浜川は煙草を老人へ向かって投げ捨て睨む。
そしてそのまま一番近くに居た槍を掴むと、その槍を持った兵士は、後ろへ槍を手放しすっ飛んだ。
取り囲んでいた兵士はたじろぐ。

浜川が１歩前に出る。
槍は握ったまま・・・
すると、槍は燃え落ちた。

「取り押さえよ！」

老人が叫ぶと、エリは、盾をもった兵士に両腕を掴まれ浜川から遠避けようとされている。
抵抗するとあっさりと振りほどける。
更に数名に取り押さえられようとしていると、後ろから

「俺の女に何してんぢゃぁ！オラ！！」

と、浜川が鎧の襟元を掴み２人、３人と投げ飛ばす。
取り囲んでいた兵は全員後ずさりをするように下がる。
エリはそのとき鎧の襟首辺りが熊にでも襲われたような爪後をみた。

「えらい真似にしてくれるやんか、ジジィ！」

「ええい！何を言う・・ミッテルロジェ３第伯爵の・・」

「うるせっ！ジジィ！」

「ロインファール伯爵なるぞ・・」と、声が小さくなって多分聞こえてない。

「どけや！！」

浜川は強引にエリの腰を抱きそのまま、大きな鉄の扉から出て行く。
後ろから大勢の兵士が追うが、振り返り浜川が睨むと止まる。

エリに浜川が二ヤリと笑うと、手を引き走り出した。

早い・・・

早すぎない？

あれ？

付いていけてる。

兵士から見えなくなったあたりまで来ると

「ここ広いな・・・で、何処？」

と浜川は言った。

そこは、庭園のような、薔薇のような花が沢山咲き乱れた広場だった。