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第一章 今、天使って言った?
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「私はね……昔、この地上で死んだ子供なの」
「……え?」
死んだ? 萌ちゃんが?
急に怖い言葉が出てきて、私の胸が、ぎゅ、と苦しくなる。
「私が言った天使っていうのはね、地上で亡くなった人間が、生まれ変わる前に一時的に神様のお手伝いをこなす間の名前なの。希望して審査が通れば、誰でも天使になることができるのよ」
審査? 天使って、審査が必要なの? なんか、私の想像していた天使と違う気がする。
「神様のお手伝いをするの?」
「そう。この場合の神様って、いわゆる宗教的な信仰の対象となるような存在じゃなくて……んー、なんていえばいいのかな。とにかく、ずっと上の方から、生死にかかわらず魂の管理をしている方のことよ」
「ふ、ふーん……」
よくわからないけど、これって死後の世界の話だよね。そういうシステムがあるってことなのかな。やけに現実的というかロマンがないというか……
「で、私たち天使の仕事はね、ええと、簡単に言うと、尋常じゃなく落ち込んじゃったり悲しんでいる人が、元通りに元気になるようにお手伝いすることなの。そういう状態にある人は、心が真っ黒な闇に染まってしまうのよ。そうなると魂も病んでしまって、最悪、そのまま体も死んでしまうことだってあるわ。もちろん、そのままでは魂が重くて天にものぼれない。だからそうならないように、心の中にできてしまった闇に光をさしこんでそれをはらうのが、私達の仕事なの」
病んでしまうとか死ぬとか、なんだか怖い話なのかな。
「難しそうなお仕事だね」
「そうでもないわよ? 小さい闇を払う力なら、美優ちゃん、あなただって持っているし」
「ええっ? 私?」
「ええ。というより、誰にだってできることなのよ。人を嬉しくさせたりとか、楽しくさせたりとか。それは、人の心に光をもたらすわ。でも時々、心の中の闇が大きくなりすぎると、その闇を作り出した本人が闇に操られてしまうことがあってね、そうなったらもう、天使の力じゃないと闇を消すことが難しくなってしまう。それが、私たちの仕事なの」
「そうなんだ。萌ちゃん、すごい仕事しているんだね」
普段はおっとりとして穏やかな萌ちゃんがそんな大変なお仕事してるなんて、思ってもいなくてびっくりだ。
「……美優ちゃん、私の話、信じてくれるの?」
ことりと首をかしげて、萌ちゃんは私をじっと見ている。
「え? 嘘なの?」
「ううん、嘘じゃない。ただ、あんまり美優ちゃんがあっさり信じるから、逆に私の方が驚いちゃって」
「だって、萌ちゃんはそんな嘘つく人じゃないもの」
萌ちゃんは人をだましたりばかにする人じゃない。
萌ちゃんとはまだほんの数か月しか一緒にいないけど、いつもにこにこしている萌ちゃんと一緒にいると、なんだかほんわりとしてこっちまでにこにこになってしまう。萌ちゃんが文句を言ったり人の悪口を言ったりするのって、聞いたことがない。だから、一緒にいてとても安心できるの。萌ちゃんは、そういう人。
そう言ったら、萌ちゃんはにっこりと嬉しそうに笑った。
「ありがと。……それより、美優ちゃんは、気がついちゃったのね」
「何に?」
「……え?」
死んだ? 萌ちゃんが?
急に怖い言葉が出てきて、私の胸が、ぎゅ、と苦しくなる。
「私が言った天使っていうのはね、地上で亡くなった人間が、生まれ変わる前に一時的に神様のお手伝いをこなす間の名前なの。希望して審査が通れば、誰でも天使になることができるのよ」
審査? 天使って、審査が必要なの? なんか、私の想像していた天使と違う気がする。
「神様のお手伝いをするの?」
「そう。この場合の神様って、いわゆる宗教的な信仰の対象となるような存在じゃなくて……んー、なんていえばいいのかな。とにかく、ずっと上の方から、生死にかかわらず魂の管理をしている方のことよ」
「ふ、ふーん……」
よくわからないけど、これって死後の世界の話だよね。そういうシステムがあるってことなのかな。やけに現実的というかロマンがないというか……
「で、私たち天使の仕事はね、ええと、簡単に言うと、尋常じゃなく落ち込んじゃったり悲しんでいる人が、元通りに元気になるようにお手伝いすることなの。そういう状態にある人は、心が真っ黒な闇に染まってしまうのよ。そうなると魂も病んでしまって、最悪、そのまま体も死んでしまうことだってあるわ。もちろん、そのままでは魂が重くて天にものぼれない。だからそうならないように、心の中にできてしまった闇に光をさしこんでそれをはらうのが、私達の仕事なの」
病んでしまうとか死ぬとか、なんだか怖い話なのかな。
「難しそうなお仕事だね」
「そうでもないわよ? 小さい闇を払う力なら、美優ちゃん、あなただって持っているし」
「ええっ? 私?」
「ええ。というより、誰にだってできることなのよ。人を嬉しくさせたりとか、楽しくさせたりとか。それは、人の心に光をもたらすわ。でも時々、心の中の闇が大きくなりすぎると、その闇を作り出した本人が闇に操られてしまうことがあってね、そうなったらもう、天使の力じゃないと闇を消すことが難しくなってしまう。それが、私たちの仕事なの」
「そうなんだ。萌ちゃん、すごい仕事しているんだね」
普段はおっとりとして穏やかな萌ちゃんがそんな大変なお仕事してるなんて、思ってもいなくてびっくりだ。
「……美優ちゃん、私の話、信じてくれるの?」
ことりと首をかしげて、萌ちゃんは私をじっと見ている。
「え? 嘘なの?」
「ううん、嘘じゃない。ただ、あんまり美優ちゃんがあっさり信じるから、逆に私の方が驚いちゃって」
「だって、萌ちゃんはそんな嘘つく人じゃないもの」
萌ちゃんは人をだましたりばかにする人じゃない。
萌ちゃんとはまだほんの数か月しか一緒にいないけど、いつもにこにこしている萌ちゃんと一緒にいると、なんだかほんわりとしてこっちまでにこにこになってしまう。萌ちゃんが文句を言ったり人の悪口を言ったりするのって、聞いたことがない。だから、一緒にいてとても安心できるの。萌ちゃんは、そういう人。
そう言ったら、萌ちゃんはにっこりと嬉しそうに笑った。
「ありがと。……それより、美優ちゃんは、気がついちゃったのね」
「何に?」
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