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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
コスタポリが経済圏に加わりました。
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改めて案内された先は軍艦の艦長室だった。
シル達が固唾を呑んで見守る中、私はコスタポリ含むガリア北部の地図と睨めっこをする。
以前の地図で確認して知っていた温泉について訊いてみると、
「そこは交通の便がいまいち良くないけれど、いい湯が出るんだ。だけど、コスタポリの住人が湯治客の大半を占めていたから、残念ながら今は閑散としてしまっている」
だそう。
ふむ、そこは勿論担保で確保として。外に資源がないかどうか。
私は地図をじっと見て透視していく。
すると、温泉から近い場所に、金鉱山とルビー鉱山があることが判明して吃驚した。
キャンディ伯爵領程ではないとはいえ、結構な埋蔵量である。
「シル、ここいらの山地は誰の領地なの?」
「ああ、そこも私の領だ。何の変哲もない山地で、貧しい村がいくつかあるだけだが……」
シルは、元々第一王子として自然だけが豊かな領地を持っていたらしい。津波で被害を受けたコスタポリ一帯がたまたま隣接していた、と。
ふーん。
それにしても金鉱山ってそんなにほいほいあるものだったかな。自身の引きが強すぎて、宝くじに当たった気分だ。
まあガリア王国は活火山もあるし、トラス王国よりも鉱物資源豊富なのは間違いないだろう。
これでシルの金策は解決したも同然になったが、これを馬鹿正直に公表してしまうとガリア王家は間違いなくシルから取り上げにかかるだろうな。そんな光景がありありと目に浮かぶ。
勿論私はそんなことはさせない、絶対に!
グレイに精神感応を使い、金鉱山・ルビー鉱山の存在と私の考えを伝えて相談する。
驚かれたけれど、いい考えだとお墨付きを貰った。
そこで、念の為に私はシルの部下やべリザリオ枢機卿が信頼できるかどうかを探る。問題なかったので、改めてシル本人に向き直った。
「ねえ、シル……貴方、私達の仲間にならない?」
「はい?」
質問の意味を図りかねたのだろう。
シルは「仲間?」と首を傾げる。
「ええ。運命共同体と言ってもいいわ。シルは私を絶対に裏切らない。私もシルを絶対に裏切らない。友達よりも強い絆の、そういう関係よ。仲間になるのであれば、シルのガリア王国での立場は私が守れるんだけど、どうする?」
「……もし、仲間にならなかったら?」
「その時は残念だけれど、私はそれなりの援助しか出来ないわね。友達として出来ることには限りがあるの」
さあどうする? と訊くと、シルはややあって、「分かった。仲間になるよ」と頷いた。
私は嬉しくなってパチンと手を叩く。
「うふふ、よかったわ。では、これから話すことは内密にね。シルの部下の皆さんも、勿論口が堅いわよね? 枢機卿、このことは貴方の外は、私と教皇が知るのみとなります。宜しいですわね?」
「勿論です!」
「聖女様の御心のままに」
重畳。私は一つ頷いて深呼吸すると、地図の一点を指さして口を開いた。
「シル。よく聞いて。この山からは金が出るわ。後、ルビーも」
「えっ!? 何故分かるんだ?」
「これは聖女の能力よ。私を信じて。ここから金を掘り出せば、シルの問題は解決するわ。
でも、問題はそこじゃない。ここで採掘を始めて金銭問題を解決しようとしても、中央に知られれば何のかんのと理由をつけて取り上げられる――違う?」
「……だろうな」
「そこで、この土地を聖女である私か、教皇名義――教会の所有にするの。もっと言えば、教会から商品券分のお金を貸した担保として譲渡した形ね」
それぐらいのお金は教会にあるでしょう? と訊くと、べリザリオ枢機卿は大きな金額ですが、出せなくもありません、と頷いた。
流石宗教、金持ってるな。まあ足りなくとも銀行から聖女個人の資産として出資すればいい。
「勿論商品券分の負債はこちらが引き受けるわ。シルにはここを採掘する会社の株式をあげる。株式があることで、金鉱山やルビー鉱山の利益の分け前を貰う権利を得るの。最初は商品券分の負債は分割返済で帳消しにさせて貰うけど――負債が消えれば丸々大きな分け前を得られるようになるわ」
私はざっと株式制度について話した。
「べリザリオ枢機卿にも一枚咬んで貰うわ」
「私も、ですか?」
「ええ、教会の代表として、教会の財産となる金鉱山の管理を任せたいの。特に王太子達に手出しをさせないように」
「そういうことですか。かしこまりました」
「これで、王国は関与出来ない。しかも、自分達が出さなかった復興支援金のせいで!」
王太子派が実態を知った時には既に後の祭り。
財政難を理由としている以上、その時になって復興支援金を出すから教会への譲渡を取り消せと言うことも出来ない。
シルを陥れようとした奴ら、ざまあああああ!
「これは痛快な策ですね」
シルに忠誠を捧げている軍人アッキーノは嬉しそうに微笑んだ。シルも安堵を顔に浮かべている。
話が決まれば早いということで、私はサングマ教皇に連絡を取って了承を得た。
そのままの流れで契約について詳細を決めることに。
怪しまれないように、教会のものとするのは温泉を含む一帯とさせて貰おう。
たまたま温泉好きな聖女が担保としてこの土地貰い受け、後日たまたまそこから金とルビーが採掘された。
採掘が始まるまでには銀行が出来、商品券は銀行券へと華麗な変身を遂げるだろう。
ここに、コスタポリはキーマン商会扱う銀行券が出回っている経済圏にどっぷり漬かることが決定したのだった。
シル達が固唾を呑んで見守る中、私はコスタポリ含むガリア北部の地図と睨めっこをする。
以前の地図で確認して知っていた温泉について訊いてみると、
「そこは交通の便がいまいち良くないけれど、いい湯が出るんだ。だけど、コスタポリの住人が湯治客の大半を占めていたから、残念ながら今は閑散としてしまっている」
だそう。
ふむ、そこは勿論担保で確保として。外に資源がないかどうか。
私は地図をじっと見て透視していく。
すると、温泉から近い場所に、金鉱山とルビー鉱山があることが判明して吃驚した。
キャンディ伯爵領程ではないとはいえ、結構な埋蔵量である。
「シル、ここいらの山地は誰の領地なの?」
「ああ、そこも私の領だ。何の変哲もない山地で、貧しい村がいくつかあるだけだが……」
シルは、元々第一王子として自然だけが豊かな領地を持っていたらしい。津波で被害を受けたコスタポリ一帯がたまたま隣接していた、と。
ふーん。
それにしても金鉱山ってそんなにほいほいあるものだったかな。自身の引きが強すぎて、宝くじに当たった気分だ。
まあガリア王国は活火山もあるし、トラス王国よりも鉱物資源豊富なのは間違いないだろう。
これでシルの金策は解決したも同然になったが、これを馬鹿正直に公表してしまうとガリア王家は間違いなくシルから取り上げにかかるだろうな。そんな光景がありありと目に浮かぶ。
勿論私はそんなことはさせない、絶対に!
グレイに精神感応を使い、金鉱山・ルビー鉱山の存在と私の考えを伝えて相談する。
驚かれたけれど、いい考えだとお墨付きを貰った。
そこで、念の為に私はシルの部下やべリザリオ枢機卿が信頼できるかどうかを探る。問題なかったので、改めてシル本人に向き直った。
「ねえ、シル……貴方、私達の仲間にならない?」
「はい?」
質問の意味を図りかねたのだろう。
シルは「仲間?」と首を傾げる。
「ええ。運命共同体と言ってもいいわ。シルは私を絶対に裏切らない。私もシルを絶対に裏切らない。友達よりも強い絆の、そういう関係よ。仲間になるのであれば、シルのガリア王国での立場は私が守れるんだけど、どうする?」
「……もし、仲間にならなかったら?」
「その時は残念だけれど、私はそれなりの援助しか出来ないわね。友達として出来ることには限りがあるの」
さあどうする? と訊くと、シルはややあって、「分かった。仲間になるよ」と頷いた。
私は嬉しくなってパチンと手を叩く。
「うふふ、よかったわ。では、これから話すことは内密にね。シルの部下の皆さんも、勿論口が堅いわよね? 枢機卿、このことは貴方の外は、私と教皇が知るのみとなります。宜しいですわね?」
「勿論です!」
「聖女様の御心のままに」
重畳。私は一つ頷いて深呼吸すると、地図の一点を指さして口を開いた。
「シル。よく聞いて。この山からは金が出るわ。後、ルビーも」
「えっ!? 何故分かるんだ?」
「これは聖女の能力よ。私を信じて。ここから金を掘り出せば、シルの問題は解決するわ。
でも、問題はそこじゃない。ここで採掘を始めて金銭問題を解決しようとしても、中央に知られれば何のかんのと理由をつけて取り上げられる――違う?」
「……だろうな」
「そこで、この土地を聖女である私か、教皇名義――教会の所有にするの。もっと言えば、教会から商品券分のお金を貸した担保として譲渡した形ね」
それぐらいのお金は教会にあるでしょう? と訊くと、べリザリオ枢機卿は大きな金額ですが、出せなくもありません、と頷いた。
流石宗教、金持ってるな。まあ足りなくとも銀行から聖女個人の資産として出資すればいい。
「勿論商品券分の負債はこちらが引き受けるわ。シルにはここを採掘する会社の株式をあげる。株式があることで、金鉱山やルビー鉱山の利益の分け前を貰う権利を得るの。最初は商品券分の負債は分割返済で帳消しにさせて貰うけど――負債が消えれば丸々大きな分け前を得られるようになるわ」
私はざっと株式制度について話した。
「べリザリオ枢機卿にも一枚咬んで貰うわ」
「私も、ですか?」
「ええ、教会の代表として、教会の財産となる金鉱山の管理を任せたいの。特に王太子達に手出しをさせないように」
「そういうことですか。かしこまりました」
「これで、王国は関与出来ない。しかも、自分達が出さなかった復興支援金のせいで!」
王太子派が実態を知った時には既に後の祭り。
財政難を理由としている以上、その時になって復興支援金を出すから教会への譲渡を取り消せと言うことも出来ない。
シルを陥れようとした奴ら、ざまあああああ!
「これは痛快な策ですね」
シルに忠誠を捧げている軍人アッキーノは嬉しそうに微笑んだ。シルも安堵を顔に浮かべている。
話が決まれば早いということで、私はサングマ教皇に連絡を取って了承を得た。
そのままの流れで契約について詳細を決めることに。
怪しまれないように、教会のものとするのは温泉を含む一帯とさせて貰おう。
たまたま温泉好きな聖女が担保としてこの土地貰い受け、後日たまたまそこから金とルビーが採掘された。
採掘が始まるまでには銀行が出来、商品券は銀行券へと華麗な変身を遂げるだろう。
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