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うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(9)
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「どうしたの? ちょっと疲れているようだけど」
「マリー、大丈夫ですか?」
一仕事終えた僕が兄アールと共にキャンディ伯爵家に戻ると、修道院から帰宅したばかりのマリーがソファーにぐったりとしていた。
「二人共、お帰りなさい」
傍に座ってお茶を飲んでいたアナベラ様が困ったように微笑む。
目の前のテーブルにあるマリーのお茶や菓子には手を付けられた様子がない。かなり疲弊している様子。
「ええ…色々あったのよ」
僕達の問いかけにマリーはのろのろと起き上がると、力なく吐息を漏らした。
話を聞いて、こちらも頭痛を覚える。
「それは、また……」
「メイソンとイエイツに枢機卿の迎えを命じたなんて……」
アールは絶句。僕もその人選はどうかと思う。
マリーは弱ったように眉を下げた。
「床に頭を擦り付けられまでして頼まれたら嫌とは言えなかったのよ。エヴァン修道士に対抗心を燃やしているみたいだったわ。聖地にはエヴァン修道士が行ったから、今回は自分を連れて行って欲しいんですって」
「……まあ、メイソンは兎も角、イエイツは大方マリーに質問攻めしたいんだろうね。彼の気持ちも分からなくもないけれど。メイソンとイエイツか……意外な組み合わせだよね」
「乗り手の不在の暴れ馬みたいよね。メンデル修道院長も最後まで不安な様子だったわ」
「だろうね。一人は研究馬鹿、もう一人は元放蕩息子。果たしてエトムント・サラトガル枢機卿を無事にお連れ出来るかどうか」
「不吉な事を言うのはやめてよぉぉ~!」
天を仰ぐマリーに、アールが慌てたように口を開く。
「待ってください、マリー。メイソンは危険ではありませんか? 一度襲われているのですよ!? せめてメイソンを外す事は出来ませんか?」
「あ、そこはもう大丈夫だよ兄さん。メイソンはもう兄さんの知るメイソンじゃないんだ」
心配そうなアールに僕は力なく笑う。マリーは確かに襲われたけれど。
そう言えばアールはメイソンに復讐を果たした時点で興味を無くし、忙しくしていたからメイソンのその後はあまり知らないのだろう。
特に鞭や蝋燭や縄を使ったという僕のあずかり知らぬ恐ろしい何かがあった結果――メイソンはマリーの奴れ…もとい信奉者に生まれ変わってしまったのだという事を。
「しかしグレイ、」
なおも言い募るアール。その肩を僕は掴み、じっと視線を合わせる。
「兄さん、よく聞いて。メイソンは向こうの世界に逝ってしまったんだ。もう僕達とは住む世界が違うんだよ」
「いや、そこまで言われると私としては何とも……」
メイソンを向こうの世界送りにしたであろう張本人が複雑そうに頬をポリポリと掻いている。サリーナがその仕草を令嬢らしからぬと注意していた。ちょっと地が出かけてるよ、マリー。
「確かに出家して俗世に関わらなくなったのだろうが……あの男がそんな簡単に改心するとは思えない」
そんなマリーに気付いた様子もなく、アールは顎に手をやり眉を顰めている。
「なあ、グレイ。エトムント・サラトガル枢機卿猊下が到着されるのは、ナヴィガポールで間違いないか?」
「うん、そうだけど…」
「だったら……」
僕の返事にアールはアナベラ様の方を振り向いた。
「アナ、私達も旅に行きませんか? ナヴィガポールへ。神聖アレマニア帝国の枢機卿猊下のおもてなしをしなければなりませんが、貴女にはなるべくご迷惑をかけないようにしますので。もし宜しければ、ですが……」
最後の方は若干歯切れを悪くした兄に、アナベラ様は目を輝かせた。
「まあ、ナヴィガポールへ? 良いですわね! アール、私は海を見てみたいわ。船にも乗ってみたいし、『オコノミ』を食べてみたい。それに貴方がルフナー子爵家を継ぐのなら、私も子爵夫人としてナヴィガポールは見ておかないといけませんわね。
勿論枢機卿猊下のおもてなしも大丈夫ですわ。お気になさらないで」
「そう言って下さって嬉しいです」
アールは感動したようにアナベラ様に近付き、その手の甲にキスを落とす。
マリーが慌てたように身を乗り出した。
「ちょっと待って下さい! それはアールお義兄様とアナベラ姉様が枢機卿をお迎えして下されば私としても心強いと思っていますけれど……ご迷惑では」
「マリー、これは一概に貴女やヴェスカル、イドゥリース様の為ってだけではないの。このトラス王国や、ルフナー子爵家の名誉に関わってくる事よ?」
アナベラ様がそう言うと、マリーはあっと口を押さえた。
僕も思慮が足りなかったと気付く。名誉とはいえ、枢機卿になって、伯爵になって。聖女の夫として振る舞う内、僕もどこか感覚が麻痺していたのかも知れない。
「ああ、アナ。貴女は美しいばかりではなく知恵の女神の如く聡明で思慮深い。マリー、アナの言う通りなのです」
続いてアールはこちらを向いて僕のほっぺたを抓った。地味に痛い。
「優秀な兄が居て良かったな、グレイ。レイモン達には枢機卿猊下のおもてなしは荷が勝ち過ぎる。二人の修道士達も迎えに行くだけだ。
ここで満足にもてなせなければルフナー子爵家は笑い者になってしまうだろう。トラス王国も同様。しかし、聖女の姉夫婦が出迎えるとなれば身分的にも不足は無いだろう?
それに、変わったというメイソンの事も自分で直接見極めた方が早い」
「そうだよね……ごめん、兄さん。ありがとう」
僕の謝罪と感謝の言葉に、アールは「素直で宜しい。弟の不足を補うのが兄の役目だからな」とニヤリと父譲りの笑みを浮かべて肩を竦めた。
「そういう事で、マリー。イエイツ修道士とメイソンは私達が連れてナヴィガポールまで行きましょう。もしメイソンに問題無ければそのままキャンディ伯爵領へ送り出し、問題があるようだったら強制的に王都へ送り返す。
ただし、私達が関わるのはそこまでです。私達も新婚ですし、二人で視察したり色々と見て回りたいですから。それに、マリーが迎えとして寄越した修道士達が居るのにも関わらず、私とアナがキャンディ伯爵領まで同道するのは流石に不自然かと。
ですのでそこからの道中は何か理由を付けてルフナー子爵家から信頼出来る者を付けるつもりです。隠密騎士にも尾行と支援を頼む事になるでしょう。それで良いですか?」
「本当にすみません。それで構いませんわ。アールお義兄様とアナベラ姉様にはご迷惑をお掛けします。メイソンの事はもし不審な動きをすれば鞭打つなり縄で縛るなり踏みつけるなり容赦しなくて良いですから」
マリーが申し訳なさそうに頭を下げながら容赦ない言葉を吐く。アールが一瞬動きを止め、笑顔を崩さぬままこちらをちらっと見たけれど、僕はそ知らぬふりをしたのだった。
「マリー、大丈夫ですか?」
一仕事終えた僕が兄アールと共にキャンディ伯爵家に戻ると、修道院から帰宅したばかりのマリーがソファーにぐったりとしていた。
「二人共、お帰りなさい」
傍に座ってお茶を飲んでいたアナベラ様が困ったように微笑む。
目の前のテーブルにあるマリーのお茶や菓子には手を付けられた様子がない。かなり疲弊している様子。
「ええ…色々あったのよ」
僕達の問いかけにマリーはのろのろと起き上がると、力なく吐息を漏らした。
話を聞いて、こちらも頭痛を覚える。
「それは、また……」
「メイソンとイエイツに枢機卿の迎えを命じたなんて……」
アールは絶句。僕もその人選はどうかと思う。
マリーは弱ったように眉を下げた。
「床に頭を擦り付けられまでして頼まれたら嫌とは言えなかったのよ。エヴァン修道士に対抗心を燃やしているみたいだったわ。聖地にはエヴァン修道士が行ったから、今回は自分を連れて行って欲しいんですって」
「……まあ、メイソンは兎も角、イエイツは大方マリーに質問攻めしたいんだろうね。彼の気持ちも分からなくもないけれど。メイソンとイエイツか……意外な組み合わせだよね」
「乗り手の不在の暴れ馬みたいよね。メンデル修道院長も最後まで不安な様子だったわ」
「だろうね。一人は研究馬鹿、もう一人は元放蕩息子。果たしてエトムント・サラトガル枢機卿を無事にお連れ出来るかどうか」
「不吉な事を言うのはやめてよぉぉ~!」
天を仰ぐマリーに、アールが慌てたように口を開く。
「待ってください、マリー。メイソンは危険ではありませんか? 一度襲われているのですよ!? せめてメイソンを外す事は出来ませんか?」
「あ、そこはもう大丈夫だよ兄さん。メイソンはもう兄さんの知るメイソンじゃないんだ」
心配そうなアールに僕は力なく笑う。マリーは確かに襲われたけれど。
そう言えばアールはメイソンに復讐を果たした時点で興味を無くし、忙しくしていたからメイソンのその後はあまり知らないのだろう。
特に鞭や蝋燭や縄を使ったという僕のあずかり知らぬ恐ろしい何かがあった結果――メイソンはマリーの奴れ…もとい信奉者に生まれ変わってしまったのだという事を。
「しかしグレイ、」
なおも言い募るアール。その肩を僕は掴み、じっと視線を合わせる。
「兄さん、よく聞いて。メイソンは向こうの世界に逝ってしまったんだ。もう僕達とは住む世界が違うんだよ」
「いや、そこまで言われると私としては何とも……」
メイソンを向こうの世界送りにしたであろう張本人が複雑そうに頬をポリポリと掻いている。サリーナがその仕草を令嬢らしからぬと注意していた。ちょっと地が出かけてるよ、マリー。
「確かに出家して俗世に関わらなくなったのだろうが……あの男がそんな簡単に改心するとは思えない」
そんなマリーに気付いた様子もなく、アールは顎に手をやり眉を顰めている。
「なあ、グレイ。エトムント・サラトガル枢機卿猊下が到着されるのは、ナヴィガポールで間違いないか?」
「うん、そうだけど…」
「だったら……」
僕の返事にアールはアナベラ様の方を振り向いた。
「アナ、私達も旅に行きませんか? ナヴィガポールへ。神聖アレマニア帝国の枢機卿猊下のおもてなしをしなければなりませんが、貴女にはなるべくご迷惑をかけないようにしますので。もし宜しければ、ですが……」
最後の方は若干歯切れを悪くした兄に、アナベラ様は目を輝かせた。
「まあ、ナヴィガポールへ? 良いですわね! アール、私は海を見てみたいわ。船にも乗ってみたいし、『オコノミ』を食べてみたい。それに貴方がルフナー子爵家を継ぐのなら、私も子爵夫人としてナヴィガポールは見ておかないといけませんわね。
勿論枢機卿猊下のおもてなしも大丈夫ですわ。お気になさらないで」
「そう言って下さって嬉しいです」
アールは感動したようにアナベラ様に近付き、その手の甲にキスを落とす。
マリーが慌てたように身を乗り出した。
「ちょっと待って下さい! それはアールお義兄様とアナベラ姉様が枢機卿をお迎えして下されば私としても心強いと思っていますけれど……ご迷惑では」
「マリー、これは一概に貴女やヴェスカル、イドゥリース様の為ってだけではないの。このトラス王国や、ルフナー子爵家の名誉に関わってくる事よ?」
アナベラ様がそう言うと、マリーはあっと口を押さえた。
僕も思慮が足りなかったと気付く。名誉とはいえ、枢機卿になって、伯爵になって。聖女の夫として振る舞う内、僕もどこか感覚が麻痺していたのかも知れない。
「ああ、アナ。貴女は美しいばかりではなく知恵の女神の如く聡明で思慮深い。マリー、アナの言う通りなのです」
続いてアールはこちらを向いて僕のほっぺたを抓った。地味に痛い。
「優秀な兄が居て良かったな、グレイ。レイモン達には枢機卿猊下のおもてなしは荷が勝ち過ぎる。二人の修道士達も迎えに行くだけだ。
ここで満足にもてなせなければルフナー子爵家は笑い者になってしまうだろう。トラス王国も同様。しかし、聖女の姉夫婦が出迎えるとなれば身分的にも不足は無いだろう?
それに、変わったというメイソンの事も自分で直接見極めた方が早い」
「そうだよね……ごめん、兄さん。ありがとう」
僕の謝罪と感謝の言葉に、アールは「素直で宜しい。弟の不足を補うのが兄の役目だからな」とニヤリと父譲りの笑みを浮かべて肩を竦めた。
「そういう事で、マリー。イエイツ修道士とメイソンは私達が連れてナヴィガポールまで行きましょう。もしメイソンに問題無ければそのままキャンディ伯爵領へ送り出し、問題があるようだったら強制的に王都へ送り返す。
ただし、私達が関わるのはそこまでです。私達も新婚ですし、二人で視察したり色々と見て回りたいですから。それに、マリーが迎えとして寄越した修道士達が居るのにも関わらず、私とアナがキャンディ伯爵領まで同道するのは流石に不自然かと。
ですのでそこからの道中は何か理由を付けてルフナー子爵家から信頼出来る者を付けるつもりです。隠密騎士にも尾行と支援を頼む事になるでしょう。それで良いですか?」
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マリーが申し訳なさそうに頭を下げながら容赦ない言葉を吐く。アールが一瞬動きを止め、笑顔を崩さぬままこちらをちらっと見たけれど、僕はそ知らぬふりをしたのだった。
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