158 / 671
貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
グレイ・ルフナー(67)
しおりを挟む
「正妃だなんて人生の墓場よ、終わりよおおお――っ!」
マリーの狂乱と悲鳴に僕は意識を現実に引き戻された。慌てて彼女の体に腕を回して落ち着かせる。
アルバート殿下もギャヴィンもただただ呆気に取られていた。正妃と言えば貴族令嬢の栄華を極めた頂点。普通の令嬢であれば憧れる筈なのに、マリーは心底嫌っている。
殿下を睨みつけて彼女が勢いに任せて怒鳴る言葉の数々――「僕で良い」じゃなくて「僕こそが良い」と選んでくれている事に嬉しさと、殿下に対する若干の優越感を感じた。
ただ、その後――婚約者である僕がいるというのに、殿下は政略結婚に当人同士の意志は関係ない、王家の命が下れば断る事が出来ないとマリーに言う。僕の事など最初から眼中に無いのだ、と思った瞬間、頭が冷えた。
僕は舐められている。低い身分の商人上がりの子爵など、どうとでもなると。おめおめと泣き寝入りするだろうと。熱い怒りも、限度を超えればただ氷よりも冷たくなる事を僕は初めて知った。
「アルバート第一王子殿下。殿下は臣下の婚約者を無理やり奪うおつもりだという事でしょうか」
ここで僕は覚悟を決めた。顔を上げると殿下のその青い瞳に挑むように真っ直ぐ目を合わせる。
ルフナー子爵家を、キーマン商会を、そして僕達を甘く見た事を後悔してもらおう。
話している途中から、これは駆け引きだと気付いた。
マリーを正妃にと言うのが半分本気だとアルバート殿下は言ったけれど、半分以上本気だったのだと思う。
僕が引かず、覚悟して徹底抗戦を表明したので子供世代の婚姻に譲歩したのではないかと感じる。
また、もし僕がマリーを大人しく諦め差し出していたら、ルフナー子爵家やキーマン商会もそれ相応の扱いをされたに違いない。
思った以上に反抗的だったから陞爵と銀行や株式、各事業へのお墨付きや法の譲歩を約束する事で懐柔してきたけれど、それも全てアルバート殿下が王位に就く事が前提のもの。
お墨付きと言えば聞こえは良いが、要は縄を付けられる事と同義であり、結局は国――王位に就いたアルバート殿下への奉仕という形になっていく事だろう。
恩を着せながら甘い汁を啜る――そういう王族のやり方が、心底気に食わないと思った。
だから僕は一旦曖昧にして時間を確保する事にした。殿下は僕達を信頼に値すると言ったけれど、反対に僕達の殿下に対する信頼は無くなっている。
なので信頼を取り戻す為にルフナー家やマリーを頼らず、ご自分の力で実績を積んで見せて頂きたい、と不敬を承知で言っておいた。
子供世代の政略結婚の話も、殿下が本気で実績を積んで見せたならば一考するかも知れないという程度のものに過ぎない。後でどうとでも転がせるようにとの心算だ。
覚悟してしまうと、僕の頭は目まぐるしく回転する。僕達が望む最終的なゴールを決め、そこに至るまでの筋道が次々と浮かぶ。
相手が第一王子殿下であろうが第二王子殿下や王妃殿下であろうが、マリーを決して奪わせはしない。
***
一夜明け、キャンディ伯爵家。
僕とマリーはサイモン様に昨日の顛末を話し、第二王子派――そしてその背後にいる王妃殿下への対策を相談していた。
メイソンが狙っていたように、マリーの妹メリー様への縁談と言う形で来るかもしれないとのことだけれど、その可能性は低いと僕も思う。
マリーは僕が王妃殿下に命を狙われるのではと心配しているけれど、直感的に一番警戒しなければならないのはやはりアルバート第一王子殿下だと感じている。
共通の敵が居るという事でアルバート殿下への警戒を緩め支持を得ようとしている狙いも考えられる。対立する権力のどちらについても危険だ。
不幸中の幸いとしては、マリーが聖女であるという事。いざという時に修道院へ駆け込めば僕達は結婚出来る。
一旦夫婦だと教会で認められてしまえば、マリーを純潔であることが求められる王子妃にする事は出来ない。関係者全員口封じでもしない限りは。
少し気が楽になり、ふとレンコンの事を思い出した。
マリーは花も葉もすっかり枯れたら収穫時だと言っていたけれど、今朝確認したらすっかり枯れ果てていた。もうそろそろ良いだろう。
「マリー、レンコンの事なんだけど」
明日収穫の約束をする。マリーは感謝祭の時に買った香辛料を使った料理を振舞ってくれるらしい。
ルフナー子爵家で準備するものはあるかと訊けば、野菜や肉等の材料や大鍋を提示された。
「カレーライスっていう料理なの。外で大鍋使って作って皆でわいわい食べたらきっと美味しいわ」
大量に出来るので使用人達にも振舞ってくれるらしい。どんな料理なんだろう、楽しみだ。
上機嫌になったマリーが鼻歌を歌いながら踊るように執務室を出て行った後、サイモン様に婚姻の書類を手渡される。
「念の為、予備も作ってある。修道院とグレイ、そして我が家で一部ずつ保管しておくこととしよう」
「ありがとうございます」
流石はサイモン様だ。予備の話をしようとした矢先に既に用意周到とは。僕は感謝して深々と頭を下げた。
――トントン。
「旦那様、失礼します。カールを呼んで参りました」
ノックと共に執務室の扉の外から使用人の声。サイモン様が入室の許可を出すと、庭師の恰好をした栗色の髪の男性が入って来た。
彼はサイモン様の前に膝をつくと、にっこりと人懐っこい笑みを浮かべる。
「カール参上しましたー! お呼びですかー、旦那様」
……何だか、ほわほわであほっぽ……もとい、陽気で軽い感じの人だ。
「うむ、お前にはルフナー子爵家に出向して貰おうと思ってな」
サイモン様がカールに事情を説明をする。
「……という訳でマリーの婚約者であるこのグレイ・ルフナーの護衛をして欲しいのだ。そうだな、表向きは庭師として新しい食材のレンコンとやらの栽培方法を学ぶという事で」
「はーい、了解でーす! って事はグレイ様知ってるって事ですかー?」
「ああ、角馬兄弟の事も伝えてある」
「あっ、じゃあちゃんと影としての自己紹介した方がいいですよねー? 初めまして、キャンディ伯爵家の隠密騎士、鶏蛇竜のカールと申しますー。ちなみにマリー様には中脚って呼ばれてますー」
「は、初めまして。グレイ・ルフナーです……」
――中脚? というか、この人大丈夫だろうか?
色々疑問を覚えながらあまりの軽さに一抹の不安を覚えサイモン様に視線をやる僕。サイモン様曰く、「こんな調子だが実力は折り紙付きなので安心するが良い」。
カールは大丈夫ですよー、と微笑んだ。
「ちゃんとお仕事はしますのでー。僕毒の扱いが得意で、解毒剤も色々持ってるから安心してくださいねー。後、獲物はこれですー」
シャキン、と音がする。その両手、袖の内側から鋭い刃物の鍵爪が伸びていた。
「普段は隠れてて使う時に飛び出す仕掛けなんですよー。面白いでしょー? 手甲爪っていうやつでー。草取りにもとっても便利ー」
――本当に大丈夫だろうか、この人。
サイモン様をちらりと見る。気まずそうに眼を逸らされた。
マリーの狂乱と悲鳴に僕は意識を現実に引き戻された。慌てて彼女の体に腕を回して落ち着かせる。
アルバート殿下もギャヴィンもただただ呆気に取られていた。正妃と言えば貴族令嬢の栄華を極めた頂点。普通の令嬢であれば憧れる筈なのに、マリーは心底嫌っている。
殿下を睨みつけて彼女が勢いに任せて怒鳴る言葉の数々――「僕で良い」じゃなくて「僕こそが良い」と選んでくれている事に嬉しさと、殿下に対する若干の優越感を感じた。
ただ、その後――婚約者である僕がいるというのに、殿下は政略結婚に当人同士の意志は関係ない、王家の命が下れば断る事が出来ないとマリーに言う。僕の事など最初から眼中に無いのだ、と思った瞬間、頭が冷えた。
僕は舐められている。低い身分の商人上がりの子爵など、どうとでもなると。おめおめと泣き寝入りするだろうと。熱い怒りも、限度を超えればただ氷よりも冷たくなる事を僕は初めて知った。
「アルバート第一王子殿下。殿下は臣下の婚約者を無理やり奪うおつもりだという事でしょうか」
ここで僕は覚悟を決めた。顔を上げると殿下のその青い瞳に挑むように真っ直ぐ目を合わせる。
ルフナー子爵家を、キーマン商会を、そして僕達を甘く見た事を後悔してもらおう。
話している途中から、これは駆け引きだと気付いた。
マリーを正妃にと言うのが半分本気だとアルバート殿下は言ったけれど、半分以上本気だったのだと思う。
僕が引かず、覚悟して徹底抗戦を表明したので子供世代の婚姻に譲歩したのではないかと感じる。
また、もし僕がマリーを大人しく諦め差し出していたら、ルフナー子爵家やキーマン商会もそれ相応の扱いをされたに違いない。
思った以上に反抗的だったから陞爵と銀行や株式、各事業へのお墨付きや法の譲歩を約束する事で懐柔してきたけれど、それも全てアルバート殿下が王位に就く事が前提のもの。
お墨付きと言えば聞こえは良いが、要は縄を付けられる事と同義であり、結局は国――王位に就いたアルバート殿下への奉仕という形になっていく事だろう。
恩を着せながら甘い汁を啜る――そういう王族のやり方が、心底気に食わないと思った。
だから僕は一旦曖昧にして時間を確保する事にした。殿下は僕達を信頼に値すると言ったけれど、反対に僕達の殿下に対する信頼は無くなっている。
なので信頼を取り戻す為にルフナー家やマリーを頼らず、ご自分の力で実績を積んで見せて頂きたい、と不敬を承知で言っておいた。
子供世代の政略結婚の話も、殿下が本気で実績を積んで見せたならば一考するかも知れないという程度のものに過ぎない。後でどうとでも転がせるようにとの心算だ。
覚悟してしまうと、僕の頭は目まぐるしく回転する。僕達が望む最終的なゴールを決め、そこに至るまでの筋道が次々と浮かぶ。
相手が第一王子殿下であろうが第二王子殿下や王妃殿下であろうが、マリーを決して奪わせはしない。
***
一夜明け、キャンディ伯爵家。
僕とマリーはサイモン様に昨日の顛末を話し、第二王子派――そしてその背後にいる王妃殿下への対策を相談していた。
メイソンが狙っていたように、マリーの妹メリー様への縁談と言う形で来るかもしれないとのことだけれど、その可能性は低いと僕も思う。
マリーは僕が王妃殿下に命を狙われるのではと心配しているけれど、直感的に一番警戒しなければならないのはやはりアルバート第一王子殿下だと感じている。
共通の敵が居るという事でアルバート殿下への警戒を緩め支持を得ようとしている狙いも考えられる。対立する権力のどちらについても危険だ。
不幸中の幸いとしては、マリーが聖女であるという事。いざという時に修道院へ駆け込めば僕達は結婚出来る。
一旦夫婦だと教会で認められてしまえば、マリーを純潔であることが求められる王子妃にする事は出来ない。関係者全員口封じでもしない限りは。
少し気が楽になり、ふとレンコンの事を思い出した。
マリーは花も葉もすっかり枯れたら収穫時だと言っていたけれど、今朝確認したらすっかり枯れ果てていた。もうそろそろ良いだろう。
「マリー、レンコンの事なんだけど」
明日収穫の約束をする。マリーは感謝祭の時に買った香辛料を使った料理を振舞ってくれるらしい。
ルフナー子爵家で準備するものはあるかと訊けば、野菜や肉等の材料や大鍋を提示された。
「カレーライスっていう料理なの。外で大鍋使って作って皆でわいわい食べたらきっと美味しいわ」
大量に出来るので使用人達にも振舞ってくれるらしい。どんな料理なんだろう、楽しみだ。
上機嫌になったマリーが鼻歌を歌いながら踊るように執務室を出て行った後、サイモン様に婚姻の書類を手渡される。
「念の為、予備も作ってある。修道院とグレイ、そして我が家で一部ずつ保管しておくこととしよう」
「ありがとうございます」
流石はサイモン様だ。予備の話をしようとした矢先に既に用意周到とは。僕は感謝して深々と頭を下げた。
――トントン。
「旦那様、失礼します。カールを呼んで参りました」
ノックと共に執務室の扉の外から使用人の声。サイモン様が入室の許可を出すと、庭師の恰好をした栗色の髪の男性が入って来た。
彼はサイモン様の前に膝をつくと、にっこりと人懐っこい笑みを浮かべる。
「カール参上しましたー! お呼びですかー、旦那様」
……何だか、ほわほわであほっぽ……もとい、陽気で軽い感じの人だ。
「うむ、お前にはルフナー子爵家に出向して貰おうと思ってな」
サイモン様がカールに事情を説明をする。
「……という訳でマリーの婚約者であるこのグレイ・ルフナーの護衛をして欲しいのだ。そうだな、表向きは庭師として新しい食材のレンコンとやらの栽培方法を学ぶという事で」
「はーい、了解でーす! って事はグレイ様知ってるって事ですかー?」
「ああ、角馬兄弟の事も伝えてある」
「あっ、じゃあちゃんと影としての自己紹介した方がいいですよねー? 初めまして、キャンディ伯爵家の隠密騎士、鶏蛇竜のカールと申しますー。ちなみにマリー様には中脚って呼ばれてますー」
「は、初めまして。グレイ・ルフナーです……」
――中脚? というか、この人大丈夫だろうか?
色々疑問を覚えながらあまりの軽さに一抹の不安を覚えサイモン様に視線をやる僕。サイモン様曰く、「こんな調子だが実力は折り紙付きなので安心するが良い」。
カールは大丈夫ですよー、と微笑んだ。
「ちゃんとお仕事はしますのでー。僕毒の扱いが得意で、解毒剤も色々持ってるから安心してくださいねー。後、獲物はこれですー」
シャキン、と音がする。その両手、袖の内側から鋭い刃物の鍵爪が伸びていた。
「普段は隠れてて使う時に飛び出す仕掛けなんですよー。面白いでしょー? 手甲爪っていうやつでー。草取りにもとっても便利ー」
――本当に大丈夫だろうか、この人。
サイモン様をちらりと見る。気まずそうに眼を逸らされた。
60
お気に入りに追加
4,794
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
選ばれたのは私以外でした 白い結婚、上等です!
凛蓮月
恋愛
【第16回恋愛小説大賞特別賞を頂き、書籍化されました。
紙、電子にて好評発売中です。よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
婚約者だった王太子は、聖女を選んだ。
王命で結婚した相手には、愛する人がいた。
お飾りの妻としている間に出会った人は、そもそも女を否定した。
──私は選ばれない。
って思っていたら。
「改めてきみに求婚するよ」
そう言ってきたのは騎士団長。
きみの力が必要だ? 王都が不穏だから守らせてくれ?
でもしばらくは白い結婚?
……分かりました、白い結婚、上等です!
【恋愛大賞(最終日確認)大賞pt別二位で終了できました。投票頂いた皆様、ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾応援ありがとうございました!
ホトラン入り、エール、投票もありがとうございました!】
※なんてあらすじですが、作者の脳内の魔法のある異世界のお話です。
※ヒーローとの本格的な恋愛は、中盤くらいからです。
※恋愛大賞参加作品なので、感想欄を開きます。
よろしければお寄せ下さい。当作品への感想は全て承認します。
※登場人物への口撃は可ですが、他の読者様への口撃は作者からの吹き矢が飛んできます。ご注意下さい。
※鋭い感想ありがとうございます。返信はネタバレしないよう気を付けます。すぐネタバレペロリーナが発動しそうになります(汗)
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。