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貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
グレイ・ルフナー(67)
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「正妃だなんて人生の墓場よ、終わりよおおお――っ!」
マリーの狂乱と悲鳴に僕は意識を現実に引き戻された。慌てて彼女の体に腕を回して落ち着かせる。
アルバート殿下もギャヴィンもただただ呆気に取られていた。正妃と言えば貴族令嬢の栄華を極めた頂点。普通の令嬢であれば憧れる筈なのに、マリーは心底嫌っている。
殿下を睨みつけて彼女が勢いに任せて怒鳴る言葉の数々――「僕で良い」じゃなくて「僕こそが良い」と選んでくれている事に嬉しさと、殿下に対する若干の優越感を感じた。
ただ、その後――婚約者である僕がいるというのに、殿下は政略結婚に当人同士の意志は関係ない、王家の命が下れば断る事が出来ないとマリーに言う。僕の事など最初から眼中に無いのだ、と思った瞬間、頭が冷えた。
僕は舐められている。低い身分の商人上がりの子爵など、どうとでもなると。おめおめと泣き寝入りするだろうと。熱い怒りも、限度を超えればただ氷よりも冷たくなる事を僕は初めて知った。
「アルバート第一王子殿下。殿下は臣下の婚約者を無理やり奪うおつもりだという事でしょうか」
ここで僕は覚悟を決めた。顔を上げると殿下のその青い瞳に挑むように真っ直ぐ目を合わせる。
ルフナー子爵家を、キーマン商会を、そして僕達を甘く見た事を後悔してもらおう。
話している途中から、これは駆け引きだと気付いた。
マリーを正妃にと言うのが半分本気だとアルバート殿下は言ったけれど、半分以上本気だったのだと思う。
僕が引かず、覚悟して徹底抗戦を表明したので子供世代の婚姻に譲歩したのではないかと感じる。
また、もし僕がマリーを大人しく諦め差し出していたら、ルフナー子爵家やキーマン商会もそれ相応の扱いをされたに違いない。
思った以上に反抗的だったから陞爵と銀行や株式、各事業へのお墨付きや法の譲歩を約束する事で懐柔してきたけれど、それも全てアルバート殿下が王位に就く事が前提のもの。
お墨付きと言えば聞こえは良いが、要は縄を付けられる事と同義であり、結局は国――王位に就いたアルバート殿下への奉仕という形になっていく事だろう。
恩を着せながら甘い汁を啜る――そういう王族のやり方が、心底気に食わないと思った。
だから僕は一旦曖昧にして時間を確保する事にした。殿下は僕達を信頼に値すると言ったけれど、反対に僕達の殿下に対する信頼は無くなっている。
なので信頼を取り戻す為にルフナー家やマリーを頼らず、ご自分の力で実績を積んで見せて頂きたい、と不敬を承知で言っておいた。
子供世代の政略結婚の話も、殿下が本気で実績を積んで見せたならば一考するかも知れないという程度のものに過ぎない。後でどうとでも転がせるようにとの心算だ。
覚悟してしまうと、僕の頭は目まぐるしく回転する。僕達が望む最終的なゴールを決め、そこに至るまでの筋道が次々と浮かぶ。
相手が第一王子殿下であろうが第二王子殿下や王妃殿下であろうが、マリーを決して奪わせはしない。
***
一夜明け、キャンディ伯爵家。
僕とマリーはサイモン様に昨日の顛末を話し、第二王子派――そしてその背後にいる王妃殿下への対策を相談していた。
メイソンが狙っていたように、マリーの妹メリー様への縁談と言う形で来るかもしれないとのことだけれど、その可能性は低いと僕も思う。
マリーは僕が王妃殿下に命を狙われるのではと心配しているけれど、直感的に一番警戒しなければならないのはやはりアルバート第一王子殿下だと感じている。
共通の敵が居るという事でアルバート殿下への警戒を緩め支持を得ようとしている狙いも考えられる。対立する権力のどちらについても危険だ。
不幸中の幸いとしては、マリーが聖女であるという事。いざという時に修道院へ駆け込めば僕達は結婚出来る。
一旦夫婦だと教会で認められてしまえば、マリーを純潔であることが求められる王子妃にする事は出来ない。関係者全員口封じでもしない限りは。
少し気が楽になり、ふとレンコンの事を思い出した。
マリーは花も葉もすっかり枯れたら収穫時だと言っていたけれど、今朝確認したらすっかり枯れ果てていた。もうそろそろ良いだろう。
「マリー、レンコンの事なんだけど」
明日収穫の約束をする。マリーは感謝祭の時に買った香辛料を使った料理を振舞ってくれるらしい。
ルフナー子爵家で準備するものはあるかと訊けば、野菜や肉等の材料や大鍋を提示された。
「カレーライスっていう料理なの。外で大鍋使って作って皆でわいわい食べたらきっと美味しいわ」
大量に出来るので使用人達にも振舞ってくれるらしい。どんな料理なんだろう、楽しみだ。
上機嫌になったマリーが鼻歌を歌いながら踊るように執務室を出て行った後、サイモン様に婚姻の書類を手渡される。
「念の為、予備も作ってある。修道院とグレイ、そして我が家で一部ずつ保管しておくこととしよう」
「ありがとうございます」
流石はサイモン様だ。予備の話をしようとした矢先に既に用意周到とは。僕は感謝して深々と頭を下げた。
――トントン。
「旦那様、失礼します。カールを呼んで参りました」
ノックと共に執務室の扉の外から使用人の声。サイモン様が入室の許可を出すと、庭師の恰好をした栗色の髪の男性が入って来た。
彼はサイモン様の前に膝をつくと、にっこりと人懐っこい笑みを浮かべる。
「カール参上しましたー! お呼びですかー、旦那様」
……何だか、ほわほわであほっぽ……もとい、陽気で軽い感じの人だ。
「うむ、お前にはルフナー子爵家に出向して貰おうと思ってな」
サイモン様がカールに事情を説明をする。
「……という訳でマリーの婚約者であるこのグレイ・ルフナーの護衛をして欲しいのだ。そうだな、表向きは庭師として新しい食材のレンコンとやらの栽培方法を学ぶという事で」
「はーい、了解でーす! って事はグレイ様知ってるって事ですかー?」
「ああ、角馬兄弟の事も伝えてある」
「あっ、じゃあちゃんと影としての自己紹介した方がいいですよねー? 初めまして、キャンディ伯爵家の隠密騎士、鶏蛇竜のカールと申しますー。ちなみにマリー様には中脚って呼ばれてますー」
「は、初めまして。グレイ・ルフナーです……」
――中脚? というか、この人大丈夫だろうか?
色々疑問を覚えながらあまりの軽さに一抹の不安を覚えサイモン様に視線をやる僕。サイモン様曰く、「こんな調子だが実力は折り紙付きなので安心するが良い」。
カールは大丈夫ですよー、と微笑んだ。
「ちゃんとお仕事はしますのでー。僕毒の扱いが得意で、解毒剤も色々持ってるから安心してくださいねー。後、獲物はこれですー」
シャキン、と音がする。その両手、袖の内側から鋭い刃物の鍵爪が伸びていた。
「普段は隠れてて使う時に飛び出す仕掛けなんですよー。面白いでしょー? 手甲爪っていうやつでー。草取りにもとっても便利ー」
――本当に大丈夫だろうか、この人。
サイモン様をちらりと見る。気まずそうに眼を逸らされた。
マリーの狂乱と悲鳴に僕は意識を現実に引き戻された。慌てて彼女の体に腕を回して落ち着かせる。
アルバート殿下もギャヴィンもただただ呆気に取られていた。正妃と言えば貴族令嬢の栄華を極めた頂点。普通の令嬢であれば憧れる筈なのに、マリーは心底嫌っている。
殿下を睨みつけて彼女が勢いに任せて怒鳴る言葉の数々――「僕で良い」じゃなくて「僕こそが良い」と選んでくれている事に嬉しさと、殿下に対する若干の優越感を感じた。
ただ、その後――婚約者である僕がいるというのに、殿下は政略結婚に当人同士の意志は関係ない、王家の命が下れば断る事が出来ないとマリーに言う。僕の事など最初から眼中に無いのだ、と思った瞬間、頭が冷えた。
僕は舐められている。低い身分の商人上がりの子爵など、どうとでもなると。おめおめと泣き寝入りするだろうと。熱い怒りも、限度を超えればただ氷よりも冷たくなる事を僕は初めて知った。
「アルバート第一王子殿下。殿下は臣下の婚約者を無理やり奪うおつもりだという事でしょうか」
ここで僕は覚悟を決めた。顔を上げると殿下のその青い瞳に挑むように真っ直ぐ目を合わせる。
ルフナー子爵家を、キーマン商会を、そして僕達を甘く見た事を後悔してもらおう。
話している途中から、これは駆け引きだと気付いた。
マリーを正妃にと言うのが半分本気だとアルバート殿下は言ったけれど、半分以上本気だったのだと思う。
僕が引かず、覚悟して徹底抗戦を表明したので子供世代の婚姻に譲歩したのではないかと感じる。
また、もし僕がマリーを大人しく諦め差し出していたら、ルフナー子爵家やキーマン商会もそれ相応の扱いをされたに違いない。
思った以上に反抗的だったから陞爵と銀行や株式、各事業へのお墨付きや法の譲歩を約束する事で懐柔してきたけれど、それも全てアルバート殿下が王位に就く事が前提のもの。
お墨付きと言えば聞こえは良いが、要は縄を付けられる事と同義であり、結局は国――王位に就いたアルバート殿下への奉仕という形になっていく事だろう。
恩を着せながら甘い汁を啜る――そういう王族のやり方が、心底気に食わないと思った。
だから僕は一旦曖昧にして時間を確保する事にした。殿下は僕達を信頼に値すると言ったけれど、反対に僕達の殿下に対する信頼は無くなっている。
なので信頼を取り戻す為にルフナー家やマリーを頼らず、ご自分の力で実績を積んで見せて頂きたい、と不敬を承知で言っておいた。
子供世代の政略結婚の話も、殿下が本気で実績を積んで見せたならば一考するかも知れないという程度のものに過ぎない。後でどうとでも転がせるようにとの心算だ。
覚悟してしまうと、僕の頭は目まぐるしく回転する。僕達が望む最終的なゴールを決め、そこに至るまでの筋道が次々と浮かぶ。
相手が第一王子殿下であろうが第二王子殿下や王妃殿下であろうが、マリーを決して奪わせはしない。
***
一夜明け、キャンディ伯爵家。
僕とマリーはサイモン様に昨日の顛末を話し、第二王子派――そしてその背後にいる王妃殿下への対策を相談していた。
メイソンが狙っていたように、マリーの妹メリー様への縁談と言う形で来るかもしれないとのことだけれど、その可能性は低いと僕も思う。
マリーは僕が王妃殿下に命を狙われるのではと心配しているけれど、直感的に一番警戒しなければならないのはやはりアルバート第一王子殿下だと感じている。
共通の敵が居るという事でアルバート殿下への警戒を緩め支持を得ようとしている狙いも考えられる。対立する権力のどちらについても危険だ。
不幸中の幸いとしては、マリーが聖女であるという事。いざという時に修道院へ駆け込めば僕達は結婚出来る。
一旦夫婦だと教会で認められてしまえば、マリーを純潔であることが求められる王子妃にする事は出来ない。関係者全員口封じでもしない限りは。
少し気が楽になり、ふとレンコンの事を思い出した。
マリーは花も葉もすっかり枯れたら収穫時だと言っていたけれど、今朝確認したらすっかり枯れ果てていた。もうそろそろ良いだろう。
「マリー、レンコンの事なんだけど」
明日収穫の約束をする。マリーは感謝祭の時に買った香辛料を使った料理を振舞ってくれるらしい。
ルフナー子爵家で準備するものはあるかと訊けば、野菜や肉等の材料や大鍋を提示された。
「カレーライスっていう料理なの。外で大鍋使って作って皆でわいわい食べたらきっと美味しいわ」
大量に出来るので使用人達にも振舞ってくれるらしい。どんな料理なんだろう、楽しみだ。
上機嫌になったマリーが鼻歌を歌いながら踊るように執務室を出て行った後、サイモン様に婚姻の書類を手渡される。
「念の為、予備も作ってある。修道院とグレイ、そして我が家で一部ずつ保管しておくこととしよう」
「ありがとうございます」
流石はサイモン様だ。予備の話をしようとした矢先に既に用意周到とは。僕は感謝して深々と頭を下げた。
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彼はサイモン様の前に膝をつくと、にっこりと人懐っこい笑みを浮かべる。
「カール参上しましたー! お呼びですかー、旦那様」
……何だか、ほわほわであほっぽ……もとい、陽気で軽い感じの人だ。
「うむ、お前にはルフナー子爵家に出向して貰おうと思ってな」
サイモン様がカールに事情を説明をする。
「……という訳でマリーの婚約者であるこのグレイ・ルフナーの護衛をして欲しいのだ。そうだな、表向きは庭師として新しい食材のレンコンとやらの栽培方法を学ぶという事で」
「はーい、了解でーす! って事はグレイ様知ってるって事ですかー?」
「ああ、角馬兄弟の事も伝えてある」
「あっ、じゃあちゃんと影としての自己紹介した方がいいですよねー? 初めまして、キャンディ伯爵家の隠密騎士、鶏蛇竜のカールと申しますー。ちなみにマリー様には中脚って呼ばれてますー」
「は、初めまして。グレイ・ルフナーです……」
――中脚? というか、この人大丈夫だろうか?
色々疑問を覚えながらあまりの軽さに一抹の不安を覚えサイモン様に視線をやる僕。サイモン様曰く、「こんな調子だが実力は折り紙付きなので安心するが良い」。
カールは大丈夫ですよー、と微笑んだ。
「ちゃんとお仕事はしますのでー。僕毒の扱いが得意で、解毒剤も色々持ってるから安心してくださいねー。後、獲物はこれですー」
シャキン、と音がする。その両手、袖の内側から鋭い刃物の鍵爪が伸びていた。
「普段は隠れてて使う時に飛び出す仕掛けなんですよー。面白いでしょー? 手甲爪っていうやつでー。草取りにもとっても便利ー」
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