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第12弾 ショウほど素敵な商売はない
they are very motivated ③ (彼等はやる気満々です)
しおりを挟む再び、ホテルアラバハでは、
「ほぉぉ~」
アランがクララの剥き出しの胸を前に感動の吐息を漏らしていた。
目の前のその胸はツンと上向きで形良く並んでいる。
クララが色白なのは分かっていたが、日に当たることのない胸は一際、白く、透き通るようにキメ細やかなモチ肌だ。
さらに、注目すべき、その先端は熟しきっていない桃の薄皮のような桃色だった。
(この、果実のような瑞々しいオッパイが俺のモノ――)
(後にも先にも俺だけのモノ)
(な、なんて俺はツイている男なんだ)
アランは感激に打ち震えた。
どんなに顔が可愛いコでも、いざ脱いだら胸が外向きの八の字だったり、下向きでションボリだったり、先端が巨峰の皮のようにドス黒かったり、その円周が何で?と思うほど大きかったりするのは多々あることだ。
それが、クララの胸は大きさ、形、色とすべてが三拍子揃ってアランの理想どおりだった。
べつに生の胸を見てからクララを選んだ訳ではないのに、顔と体型の他はあくまでも性格を最重要視して決めたのに、予想外の大当たりではないか。
「――神様、ありがとうございます。感謝していただきます」
アランは思わず天に向かって合掌する。
そして、その左手を見てハッとした。
(ああっ、俺としたことが、エッチの時に腕時計を着けたままだとはっ)
腕時計のささくれた革バンドでクララの柔肌に引っ掻き傷でも付けたらいけないと慌てて外し、サイドテーブルに置く。
その時に腕時計の文字盤を何の気なしに見た。
すでに15分が経過している。
(――えええっ?)
アランは我が目を疑った。
クララの胸にうっとりと見惚れている間にそんなにも時間が経っていたのだ。
残り15分弱。
もう一刻の猶予もならない。
(この際、kissは省略して、いきなりオッパイから攻めるべきか?)
(いや、それじゃ、がっつき過ぎだろ)
(初エッチがそんなテキトーでどうする)
今後、クララとは結婚するのだから、今夜は一生の記念日となるのだから、初エッチはパーフェクトでなくてはとアランは思った。
フィニッシュまでのプロセスが大事なのだ。
一段、一段、着実に段階を踏んでこそ攻略した時の達成感と充実感が増し、喜びもひとしおというものなのだ。
アランがそんなことを考えている間にも時計の針は無情にもチクタクと正確に時を刻み、さらに5分が経過した。
(ああ、もう残り10分っ)
(いや、だが、今夜のクララちゃんはダンス大会の時よりはだいぶ深く酔っている気がする)
(たぶん、予測の1時間よりも覚醒は遅いのではなかろうか?)
そう希望的観測をする。
(よしっ、ここは焦らずじっくりと――)
アランはわざと余裕を見せて、もったいをつけてクララのオデコから頬っぺたへとkissしながら唇へとゆっくりと辿り着いた。
一方、
その頃、
「このっ、このやろっ」
ビターンッ!
ビターンッ!
ジョーはトムの胸元に渾身の鉄砲を繰り返していた。
この場合の鉄砲とは相撲の諸手突きのことである。
両手を交互に伸ばし、相手の胸元を力強く突っ張る。
ビターンッ!
ビターンッ!
だが、元力士、強獣力のトムの身長185cm体重165kgの巨体はまったくダメージを受けてはいない。
ビターンッ!
ビターンッ!
まるで鉄砲柱だ。
「あ~、血行が良くなってきて体温が上がる~っ」
トムは汗ばんだバミー柄の黄色いTシャツをバサッと脱ぎ捨てた。
どうでもいいだろうがトムも色白で胸の先端は桃色だ。
好みに寄るだろうがクララよりもずっと胸は豊満である。
「ジョーさ~ん、遠慮せずに力いっぱい、どうぞ~?」
トムは仁王立ちでせせら笑う。
「ち、ちくしょう~」
最初からジョーは力いっぱい鉄砲を打っているのだ。
だが、たとえジョーが身長188cmあろうが、所詮はスレンダーな細マッチョである。
トムは現役時代にジョーの倍以上も体重がある力士の強烈な張り手を顔面に受けていたのだから屁でもない。
「このっ、このっ」
ビターンッ!
ビターンッ!
ビターンッ!
ビターンッ!
ジョーは意地になって鉄砲を繰り返した。
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