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第7弾 明後日に向かって撃つな!
Go to hell!(くたばっちまえ!)
しおりを挟む「あ~、メラリーちゃん、トム、フレディ」
「ちょうど良かった~」
キャスト食堂にはバミーとバーバラもいた。
「これ見てっ」
「ジャーンッ」
バミーとバーバラが丸い銀色のトレイに被さったアルミホイルをガサッと取ってみせる。
トレイに敷かれたアルミホイルの上にLサイズのピッツァが1枚分、丸々とある。
「マッルゲリータ~っ」
「すげー。ビュッフェから取ってきたのか?」
「いつの間にっ?」
メラリー、トム、フレディは舌を巻く。
「えへへっ、帰り際にコソッとアランからトレイ借りてアルミホイル貰って、速攻で丸々のせてきちゃったんだ」
「急だったからタッパーなんて用意してなかったしね」
バミーとバーバラは「どーよ?どーよ?」とばかりに手柄顔する。
同じバスで帰ってきたのにポンチョの中に隠し持っていたトレイにまったく気付かなかった。
「アチッ、フウフウ、う~ん、美味し~」
オーブントースターでちょっと焼き直した熱々のピッツァを5人で貪っていると、
「あれ、みんな、もう帰ってたんですか?」
太田がキャスト食堂に入ってきた。
「バッキー、何でこんな時間にまだいるの?」
「家庭教師のバイトじゃなかったっけ?」
バミーとバーバラは太田にもピッツァを勧める。
「いや、実は、冬休みは教え子がハワイ旅行なのでバイトはなかったんですが、ちょっと。ピッツァ、いただきます」
太田は答えをはぐらかしてピッツァを頬張った。
「ふぅ~ん」
メラリーはピッツァのチーズをビロ~ンと伸ばし、太田がホテルアラバハの青天の間での歓談の宴に来なかった理由など追及もしない。
「んんっ、このクッキー美味しいっ」
「ホント。なにこれ?初めて食べたっ」
いつの間にかバミーとバーバラが味噌バタークッキーをボリボリと貪っている。
「――は――っ」
メラリーはうっかりして無造作にクッキーの袋をテーブルの真ん中に置いていた。
ピッツァを食べてしまったからにはバミーとバーバラにもクッキーを分けてやらない訳にはいかない。
結局、この場の6人で分けたので味噌バタークッキーは1人4枚ずつになってしまった。
それから夜9時も回って、
「――あ?ジョーさん、もう帰ってる」
タウンの巡回バスでキャスト宿舎に戻ると3階のジョーの部屋の窓に灯りが見えた。
「んじゃ」
「だな」
「お疲れ~」
トムとフレディは2人でルームシェアしている2階の部屋へ、メラリーは自分の部屋のある3階へと階段を上がった。
(――あ~、練習で肩がゴッキゴキ。寝る前にジョーさんに肩揉んで貰おっと~)
メラリーは自分が口を利いてやらなかったので、さぞかしジョーが寂しがっているだろうと思った。
それにジョーがサラダを取りに行った隙に帰ってしまったことにも気が咎めた。
(うん。ちょっとジョーさんに構ってやらないと~)
そんな何様かという高慢ちきな態度で思いながら、向かいのジョーの部屋の玄関の扉のドアノブに手を掛ける。
ガチ。
(――あれ?鍵が掛かってる)
何故、鍵を掛ける?
この一帯はキャスト宿舎が何棟もあるだけなので部屋にいる時に鍵を掛けるキャストなど誰もいない。
だいたいジョーの部屋にアポなしで来るのはメラリーくらいしかいない。
要するに鍵を掛けるということはメラリーに部屋へ入ってくるなという意味だ。
(――あっ、まさか?)
メラリーは扉にピタッと張り付いて耳をくっ付けた。
「いや~ん、も~、うふふ~」
女の艶かしい笑い声が聞こえてくる。
(あの声はカンカンのアンさんっ?)
メラリーはムッと顔をしかめた。
自分がいつもどおりに射撃の練習をしている間にジョーはアンと淫らに不純異性交遊に耽っていたのだ。
(ジョーさんは今夜だって俺を励ましたり、俺をおだてたり、俺の肩を揉んだりしなくちゃいけないのに――っ)
メラリーは無性に悔しい。
自分の忠実な下僕だったはずのジョーに裏切られた気分だった。
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