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第5弾 踊り明かそう
Praise it more(もっと褒めて)
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「お~、盛況じゃ~ん」
ジョー、メラリー、太田、騎兵隊キャスト達はダンス大会の会場へやってきた。
ロデオ大会を終えてから着替えてきたので、すでに開会して30分ほど過ぎている。
ホールの中央では20組以上のペアがワルツを踊っていた。
「あっ、ご馳走があるっ」
メラリーは脇目も振らずにホールの端のビュッフェのテーブルに突進した。
ローストビーフ、ハム、ソーセージ、チーズ、ピッツァ、サンドイッチ、フライドチキン、ポテトフライ、サラダ、デザート等が手付かずでたっぷりと並んでいる。
「うほほっ」
「ロデオ大会で夕飯まだだから腹ペコだよ」
「ここなら食べ放題だぜ」
貧乏な騎兵隊キャスト達はここぞとばかりに料理を皿に山盛りに取る。
壁際に椅子がズラリと並んでいるので横1列に座ってガツガツと食べまくる。
早い者勝ちと思って料理をしこたま取ったが、
「何でみんな食わねんだろ?(モグモグ)」
「俺等で食べ尽くしちまうぜ?(モグモグ)」
ダンス大会の参加者はひたすら踊っていてビュッフェには見向きもしない。
「――お?アイツ等、ホントに踊ってんじゃん」
ジョーがフォークで指した先にトムとフレディがフレンチカンカンの踊り子と踊っていた。
2人とも、一人前に黒いタキシードでデレデレと鼻の下を伸ばして脂下がっている。
「へええ、特訓しただけあって意外と様になってる感じ~。(モグモグ)――ん?」
ふと、メラリーが会場のステージに目をやると、
『ウェスタン・タウン&ウェスタン牧場 親睦ダンス大会』と横断幕が掛かっていた。
「――へ?親睦?」
「ああ、たしかロデオ大会のポスターにもタウンと牧場のキャストが交流して親睦を深めるという趣旨が書いてありましたね」
「へえ、知らなかった。ロデオ大会でも親睦してないし~」
「ダンスはタウンのキャスト以外、見当たらねぇよな?」
「牧場のキャストは朝が早いから夜にダンスなんてしないんじゃないですか?」
「全然、親睦、深めてないじゃん」
ジョー、太田、メラリーはローストビーフを頬張ってケタケタと笑う。
「俺等はタウンの女のコ達と親睦を深められたらいいっすよ」
「そうそう」
「あっ?女のコ達、ゾロゾロと来たっ」
ヘンリー、ハワード、アランが出入り口へ目を向けた。
クララ、ミーナ、アニタ、スーザン、チェルシーの5人がドレス姿で会場へ入ってきた。
5人はタウンの仕事を終えてから美容院で髪をセットしてメイクしてドレスに着替えてと念入りに装いを凝らしてきたのだ。
普段からタウンのコスチュームでドレスは着慣れているので裾さばきも軽やかに歩いてくる。
ミントブルーのスーザン。
ペールピンクのミーナ。
レモンイエローのチェルシー。
パールホワイトのクララ。
ライラックのアニタ。
それぞれ華やかなドレスで揃い踏みだ。
「ほぉ、見事に色とりどりのドレスですね」
「なんかよ、どこかで見た色の並びじゃね?」
「あっ、笑点の大喜利っ」
メラリーの言葉にジョーと太田は「それだ」と膝を打つ。
(――笑点――っ)
クララはクラクラとした。
貸衣装屋でチラッと気になったクララの懸念にメラリーが答えを出した。
そうだ。
5人のドレスは笑点の大喜利の着物の色合いだったのだ。
フレンチカンカンの踊り子がクリスマス・シーズンの赤いドレスなので座布団運びの山田くんカラーまで揃っている。
「……」
クララは眉間に皺を寄せて口を尖らせた。
ヒラヒラの白いドレス姿をジョーに見せたいという願いは叶ったのに可笑しな流れになってしまった。
「あ~、たい平師匠の着物のオレンジ色が揃えば大喜利メンバー制覇なのにな」
「惜しいですね」
「ホント~」
ジョーも太田もメラリーもせっかくのドレスの感想がこれだ。
(ドレスのレンタルと美容院まで奮発したのよ?普段とは見違えるように綺麗でうっとりで惚れ惚れとか思ってくれないっての?)
クララは恨めしげにジョーを睨み付ける。
ジョーは早々と女のコ達のドレスには興味が失せて、ローストビーフをパクついている。
(ふ、ふんだ)
クララは自ら半径5メートルの距離を保ち、ジョーの椅子から7脚分も離れた椅子にボスッと腰を下ろした。
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