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捕らわれた檻のなかで
#7
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♪゜・*:.。. .。.:*・♪
会長へのご挨拶も、滞りなく終えて、少し早めの夕食を済ませた私と副社長。
私たちは現在、インテリ銀縁メガネの運転する、高級国産車の後部座席で、隣り合わせで、上質なシートに腰を深く沈めているのだが……。
店を出てからずっと、スタイリッシュに腕と脚を組んだポーズを決めたまま、窓側に身を委ねて瞼を伏せていた副社長。
朝も早かったことだし、きっと、日頃の疲れも溜まっているんだろうから、仮眠でもとっているのだろうと、そっとしておいたのだが……。
突然、隣にいる私の肩に、凭《もた》れるようにして寄りかかってきた副社長。
ちょっと窮屈だけど、よく眠ってらっしゃるようなので、起こすのも可哀そうかなと、起こすのを躊躇っていたら、今度は、膝の上へと頭を移動させてきて、イワユル膝枕状態になってしまった副社長。
「……ちょっ、えっ!? ふっ、副社長?」
モチロン、膝枕なんて、生まれてこのかた、一度たりともしたことがない。
突然のことに驚いた私は、思ったよりも、大きな声を出してしまったらしく。
「小娘、大きな声をだすなっ! そのままにしてさしあげろ」
そこを、すかさず突っ込んでくるインテリ銀縁メガネ。
ーーいやいや、あなたの声の方が大きいと思うんですけれど……。
それに、そのままって言われても、なんかちょっと、気恥ずかしいし。
慣れない着物だって着てることだし、ホント、勘弁してほしいんですけど……。
そう心の中で毒づきつつ、ふと膝の上の副社長に目を向ければ、そこには、とっても気持ちよさそうに眠っている無防備な副社長の寝顔があって。
……思い出されるのは、妙さんと談笑してたときの、あの穏やかな優しい笑顔。
それと一緒に、私の震えてた手を優しく包み込んでくれた、あの暖かかった副社長の大きな手のぬくもり。
それらを思い出してしまった私は、眠ってる副社長の頭を、そっと優しく撫でてしまうのだった。
だって、それは、眠ってるせいもあって、いつも大人な副社長の麗しい筈の綺麗なお顔が、とても幼く見えてしまったからだろうと思う。
それに、なぜだろう、胸がキュンとしたような気がしたけれど……。
これは、きっと、気のせいだと慌てて言い聞かせた。
そんなことをしていたからか、急に、膝の上の副社長が、身動《みじろ》ぎするような気配がして……。
そしたら、太腿を包み込んでいた筈の着物の裾の合わせ目の僅かな隙間から、スルリと器用に手を忍び込まされてしまった。
気づけば、まだ誰にも触れられたことのないソコを、薄い布越しに探り当てられて、小さなシコリを指で捏《こね》ねられて。
「……んぅ……ッ」
思わず、声を出しそうになって、慌てて手を、噛み締めた唇にあてがって封じ込んだ。
……こんなところで。
そう思うだけで、もう恥ずかしくって、でも、だからって、悶えるような快感にどうすることもできないから、堪らず、副社長の髪の毛をグシャリと掴むしかなくて……。
……それでも、声にならない甘ったるい吐息が微かに漏れてしまうから、インテリ銀縁メガネに気づかれてしまわないように、なんとか指を噛んで堪えるのがやっとだった。
それが、副社長の自宅であるあのマンションにつくまでの間、ずっと続けられたかどうかは、定かじゃない。
だってそのお陰で、気づいた時には、副社長の部屋のあの大きなベッドの上だったのだから。
会長へのご挨拶も、滞りなく終えて、少し早めの夕食を済ませた私と副社長。
私たちは現在、インテリ銀縁メガネの運転する、高級国産車の後部座席で、隣り合わせで、上質なシートに腰を深く沈めているのだが……。
店を出てからずっと、スタイリッシュに腕と脚を組んだポーズを決めたまま、窓側に身を委ねて瞼を伏せていた副社長。
朝も早かったことだし、きっと、日頃の疲れも溜まっているんだろうから、仮眠でもとっているのだろうと、そっとしておいたのだが……。
突然、隣にいる私の肩に、凭《もた》れるようにして寄りかかってきた副社長。
ちょっと窮屈だけど、よく眠ってらっしゃるようなので、起こすのも可哀そうかなと、起こすのを躊躇っていたら、今度は、膝の上へと頭を移動させてきて、イワユル膝枕状態になってしまった副社長。
「……ちょっ、えっ!? ふっ、副社長?」
モチロン、膝枕なんて、生まれてこのかた、一度たりともしたことがない。
突然のことに驚いた私は、思ったよりも、大きな声を出してしまったらしく。
「小娘、大きな声をだすなっ! そのままにしてさしあげろ」
そこを、すかさず突っ込んでくるインテリ銀縁メガネ。
ーーいやいや、あなたの声の方が大きいと思うんですけれど……。
それに、そのままって言われても、なんかちょっと、気恥ずかしいし。
慣れない着物だって着てることだし、ホント、勘弁してほしいんですけど……。
そう心の中で毒づきつつ、ふと膝の上の副社長に目を向ければ、そこには、とっても気持ちよさそうに眠っている無防備な副社長の寝顔があって。
……思い出されるのは、妙さんと談笑してたときの、あの穏やかな優しい笑顔。
それと一緒に、私の震えてた手を優しく包み込んでくれた、あの暖かかった副社長の大きな手のぬくもり。
それらを思い出してしまった私は、眠ってる副社長の頭を、そっと優しく撫でてしまうのだった。
だって、それは、眠ってるせいもあって、いつも大人な副社長の麗しい筈の綺麗なお顔が、とても幼く見えてしまったからだろうと思う。
それに、なぜだろう、胸がキュンとしたような気がしたけれど……。
これは、きっと、気のせいだと慌てて言い聞かせた。
そんなことをしていたからか、急に、膝の上の副社長が、身動《みじろ》ぎするような気配がして……。
そしたら、太腿を包み込んでいた筈の着物の裾の合わせ目の僅かな隙間から、スルリと器用に手を忍び込まされてしまった。
気づけば、まだ誰にも触れられたことのないソコを、薄い布越しに探り当てられて、小さなシコリを指で捏《こね》ねられて。
「……んぅ……ッ」
思わず、声を出しそうになって、慌てて手を、噛み締めた唇にあてがって封じ込んだ。
……こんなところで。
そう思うだけで、もう恥ずかしくって、でも、だからって、悶えるような快感にどうすることもできないから、堪らず、副社長の髪の毛をグシャリと掴むしかなくて……。
……それでも、声にならない甘ったるい吐息が微かに漏れてしまうから、インテリ銀縁メガネに気づかれてしまわないように、なんとか指を噛んで堪えるのがやっとだった。
それが、副社長の自宅であるあのマンションにつくまでの間、ずっと続けられたかどうかは、定かじゃない。
だってそのお陰で、気づいた時には、副社長の部屋のあの大きなベッドの上だったのだから。
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