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スピンオフ「クリス✕リィト編」
スピンオフ「クリス✕リィト編」第9話
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夜空に瞬く星を見ながらクリスの隣をのんびり歩く。石畳から2つの足音が聞こえてきて、リィトはひどくご満悦だった。
リィトの住むアパートが見える。ふいに省吾の部屋の扉が開いた。
省吾と、彼の恋人であるミロが立っている。ミロは背中を向けているので顔は分からないが、省吾は嬉しそうに頬を赤くしていた。ミロが省吾を抱きしめる。省吾も彼の背中に手を回すと、つま先立ちになった。
リィトとクリスの角度からは見えにくいが、キスをしているのだろう。
リィトは一歩後ずさる。パキ、と地面に落ちていた小枝を踏んでしまい、折れる音がした。
二人は光の速さで体を離し、振り返る。省吾と目があった。とっさに彼は顔を紅潮させる。照れるのはこちらの方だ。
「あ……、あー……、こんばんは?」
リィトは二人から視線を逸らしながら返す。クリスは、と横目で見ると、彼は背筋を正し、直角にお辞儀をしていた。
「お疲れ様です、中隊長!」
そうか、と納得をする。クリスはミロの元部下なのだろう。
「お前、クリスか……?」
ミロも目を丸くしている。
「はい、幼馴染みが隣に暮らしているので、省吾様にもたまにお世話になっております」
そうなのか、とミロは省吾を見る。省吾は笑って頷いた。昔恋人と関係を持っていた相手と恋人が思ったより近い距離にいて戸惑っている様子だった。
普通はそういう反応になるよな、とリィトは思う。
「あの、誤解も心配もしないでください。私と省吾様は友人の隣人であって、それ以上の事は一切ありませんから」
恐縮してクリスが重ねて告げる。ミロは苦笑した。
「もちろんだ。俺は省吾もお前のことも信じてる」
「なら、よかったです!」
「クリスはリィトの幼馴染みなんだな。知らなかった」
二人は穏やかに会話をする。
無理をしていることがよくわかるので、リィトはクリスの手を引いた。
「そろそろ行こう? お腹すいたでしょ? それじゃあ、ミロ、省吾、おやすみなさい」
にっこりと対外用の笑顔を貼り付け、鍵を開けて室内に入る。
クリスは驚いた顔をしてリィトを見たが、二人にペコリと頭を下げてリィトについてきた。
リィトの住むアパートが見える。ふいに省吾の部屋の扉が開いた。
省吾と、彼の恋人であるミロが立っている。ミロは背中を向けているので顔は分からないが、省吾は嬉しそうに頬を赤くしていた。ミロが省吾を抱きしめる。省吾も彼の背中に手を回すと、つま先立ちになった。
リィトとクリスの角度からは見えにくいが、キスをしているのだろう。
リィトは一歩後ずさる。パキ、と地面に落ちていた小枝を踏んでしまい、折れる音がした。
二人は光の速さで体を離し、振り返る。省吾と目があった。とっさに彼は顔を紅潮させる。照れるのはこちらの方だ。
「あ……、あー……、こんばんは?」
リィトは二人から視線を逸らしながら返す。クリスは、と横目で見ると、彼は背筋を正し、直角にお辞儀をしていた。
「お疲れ様です、中隊長!」
そうか、と納得をする。クリスはミロの元部下なのだろう。
「お前、クリスか……?」
ミロも目を丸くしている。
「はい、幼馴染みが隣に暮らしているので、省吾様にもたまにお世話になっております」
そうなのか、とミロは省吾を見る。省吾は笑って頷いた。昔恋人と関係を持っていた相手と恋人が思ったより近い距離にいて戸惑っている様子だった。
普通はそういう反応になるよな、とリィトは思う。
「あの、誤解も心配もしないでください。私と省吾様は友人の隣人であって、それ以上の事は一切ありませんから」
恐縮してクリスが重ねて告げる。ミロは苦笑した。
「もちろんだ。俺は省吾もお前のことも信じてる」
「なら、よかったです!」
「クリスはリィトの幼馴染みなんだな。知らなかった」
二人は穏やかに会話をする。
無理をしていることがよくわかるので、リィトはクリスの手を引いた。
「そろそろ行こう? お腹すいたでしょ? それじゃあ、ミロ、省吾、おやすみなさい」
にっこりと対外用の笑顔を貼り付け、鍵を開けて室内に入る。
クリスは驚いた顔をしてリィトを見たが、二人にペコリと頭を下げてリィトについてきた。
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