蟻喜多利奈のありきたりな日常2

あさまる

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蟻喜多利奈争奪戦に対する防衛準備(下)

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「あっ、えっと……そ、そう……だね……。」
結局、美佳絵は言えなかった。

今回の件の中心は利奈である。
彼女を巡り、騒動が起きている。

これほど楽しげにしている彼女の気持ちに水を差すことになってしまう。
結果的には言わなくて、言えなくて良かったのかもしれない。

「一緒に楽しもうね!」

「う、うん……そうだね、楽しもうね……。」
こんな笑顔での提案だ。
拒絶など、美佳絵には出来るわけがなかった。

「よしっ!それじゃあ教室に戻ろう!」

いよいよ一時限目が始まってしまう。
利奈は美佳絵の手を引いて廊下を戻って行くのだった。

彼女らに見つかると厄介だ。
いそいそと物陰に隠れた路歩子。

「……あいつ、利奈に何言おうとしてた?」
ボソリ。
一人言。
それを呟くと、彼女らの後を追うのだった。


余談にはなるが、教室で待っていなかった為、路歩子は利奈に問い詰められた。
しかし、それはまた別の話だ。

「あ、天枝さん……少し良い?」

「う、うん……構わないけど……庵銅さん、大丈夫?」

「何が?私は大丈夫。これは決して利奈に怒られたからといって泣いたわけではない。そう、涙ではない、オイル……オイル漏れだから修理すれば大丈夫。いや、利奈はそもそも私を怒るわけがない。利奈は私のことを好きだし、尊重してくれる。だからあれは幻……そう、白昼夢。利奈と私は互いに尊重し合ってるからあれは違う。」
目元が赤くなっている。
それに、未だにやや声が震えている。
そんな路歩子が矢継早に言うのだった。

「あ……はい。」

放課後。
いつもなら、利奈とともにすぐに下校しているはずの路歩子。
そんな彼女が美佳絵の元へ来た。

いつもとは違う様子。
残っている生徒達は二人の動向を伺っている。

「……。」
佐多江も他のクラスメイトと同様に、二人を見ていた。

何についての話か。
そんなもの、佐多江には分かっていた。
しかし、所謂利奈一途勢である二人の間に入る度胸はなかった。

かくして今回の体育祭の真の目的が、美佳絵の口により、路歩子の耳へと伝わることとなった。
そうなれば、彼女がすることは決まっている。


「そう……。つまり、御亭御蔵高校の連中を一人残らずボコボコにすれば良いんだね?」

「ボ、ボコボコ!?違っ、あ、庵銅さん!?」


「……まぁ、こうなるよね。」
二人を見ていた佐多江がそう呟いた。
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