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ここを歩いたのか。
しかし、それよりもかすみには思うことがあった。
「ここ、全部エルちゃんの家の敷地内なんだよな……。凄いなぁ……。」
バタン!
扉が開かれる。
「お、おおおおまっ、おまたせしました!」
「お、お邪魔します……。」
目を真ん丸に見開くかすみ。
玄関の扉。
この家のそれは、とても一人が開けることの出来るようなものではない。
そんなものを、勢い良く開いたのだ。
驚くのも無理はない。
「あっ、あはは……すみません、つい嬉しくて……。」
驚愕するかすみに気づいたのだろう。
慌てて言い訳をするエルであった。
家、もとい屋敷の中に入るかすみ。
エルに着いていき、彼女の部屋へ向かう。
「すみません、こちらでよろしいですか?」
「うん、ありがとう。」
「すぐに飲み物を持ってきますね。」
「そんな!お構いなく。私が連絡なしに勝手に来ちゃっただけだから……。」
「大丈夫!大丈夫ですから!」
そう言うと、エルは風のように立ち去ってしまった。
無音。
一人取り残されたかすみ。
椅子に座り、ボーッと辺りを見ている。
彼女の部屋。
長年の付き合いがたったが、ここに来たのはあまりない。
つまり、今は珍しいことをしている。
彼女のファンならば垂涎ものだろう。
「外、暑かったなぁ……。」
ぽつり。
一人言。
これほど大きな建物。
それにも関わらず、廊下も部屋の中も冷房が効いている。
快適な環境であり、ずっとここにいたいと思うかすみであった。
それにしても遅い。
どうしたのだろう。
心配になるかすみ。
様子を見に行くべきだろうか。
立ち上がるかすみ。
がちゃり。
彼女が立ち上がると同時に扉が開かれた。
そこにいたのはエルであった。
「ご、ごめんなさい。少し手間取ってしまいまして……。」
「ど、どうしたの、エルちゃん!?大丈夫!?」
彼女の姿を見て驚くかすみ。
彼女の家だ。
それに、彼女が来るだけでは驚かない。
しかし、彼女のその見た目がかすみを驚かせた。
頭から茶色い粉を被っている。
そして、それから香ばしい薫りがする。
恐らくそれは、コーヒー粉だろう。
そして、服がビシャビシャに濡れている。
「い、いやその……つい慌ててしまいまして……。あはは……ドジしちゃいました……。すみません。」
苦笑いするエル。
両手には、ペットボトルのドリンクを持っていた。
しかし、それよりもかすみには思うことがあった。
「ここ、全部エルちゃんの家の敷地内なんだよな……。凄いなぁ……。」
バタン!
扉が開かれる。
「お、おおおおまっ、おまたせしました!」
「お、お邪魔します……。」
目を真ん丸に見開くかすみ。
玄関の扉。
この家のそれは、とても一人が開けることの出来るようなものではない。
そんなものを、勢い良く開いたのだ。
驚くのも無理はない。
「あっ、あはは……すみません、つい嬉しくて……。」
驚愕するかすみに気づいたのだろう。
慌てて言い訳をするエルであった。
家、もとい屋敷の中に入るかすみ。
エルに着いていき、彼女の部屋へ向かう。
「すみません、こちらでよろしいですか?」
「うん、ありがとう。」
「すぐに飲み物を持ってきますね。」
「そんな!お構いなく。私が連絡なしに勝手に来ちゃっただけだから……。」
「大丈夫!大丈夫ですから!」
そう言うと、エルは風のように立ち去ってしまった。
無音。
一人取り残されたかすみ。
椅子に座り、ボーッと辺りを見ている。
彼女の部屋。
長年の付き合いがたったが、ここに来たのはあまりない。
つまり、今は珍しいことをしている。
彼女のファンならば垂涎ものだろう。
「外、暑かったなぁ……。」
ぽつり。
一人言。
これほど大きな建物。
それにも関わらず、廊下も部屋の中も冷房が効いている。
快適な環境であり、ずっとここにいたいと思うかすみであった。
それにしても遅い。
どうしたのだろう。
心配になるかすみ。
様子を見に行くべきだろうか。
立ち上がるかすみ。
がちゃり。
彼女が立ち上がると同時に扉が開かれた。
そこにいたのはエルであった。
「ご、ごめんなさい。少し手間取ってしまいまして……。」
「ど、どうしたの、エルちゃん!?大丈夫!?」
彼女の姿を見て驚くかすみ。
彼女の家だ。
それに、彼女が来るだけでは驚かない。
しかし、彼女のその見た目がかすみを驚かせた。
頭から茶色い粉を被っている。
そして、それから香ばしい薫りがする。
恐らくそれは、コーヒー粉だろう。
そして、服がビシャビシャに濡れている。
「い、いやその……つい慌ててしまいまして……。あはは……ドジしちゃいました……。すみません。」
苦笑いするエル。
両手には、ペットボトルのドリンクを持っていた。
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