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だったら私が貰います!婚約破棄からはじめた溺愛婚(その後)

6.あの日の夜をなぞるように

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「最近シてなかったから⋯、その、加減とか出来る自信がないっていうか。だからその、ベッドの方がシエラの体にも安心っていうか」
「⋯そんなにヤるつもりなの?」
「えぇっ!?いや、そういう訳じゃないけど⋯っ」
「そういう訳じゃないの?」
「そ、その、そこは理性と戦うけど」
「戦っちゃうの」


私からの追求にどんどんしどろもどろになるバルフが少し可笑しくて。

“良かった、ちゃんとバルフも私と同じ気持ちだったんだ⋯”


そう思うだけで、胸の奥に燻っていた寂しさが溶けるような感覚になる。


「⋯今日の仕事、終わってるのよね?」
「え?あぁ、仕事は終わってるけど⋯」
「明日は急ぎの仕事、ないってアドルフから聞いてるわ」


“自主勉も大事なのはわかるけど、根の詰めすぎも良くないんだから”


「だったら!」

バルフが渡してくれた上着を羽織った私が、セラにピカピカにして貰ったおっぱいをわざと押し付けるようにしてバルフの腕に絡みつく。
そしてそのまま彼の腕を引き、執務室を出た。


「あの時みたいに拐っちゃうから!」
「あの時って⋯」


“夜会からバルフを拐い、無理やり初夜に挑もうとした時は出来なかったけどー⋯”


私の言葉に一瞬ぽかんとしたバルフが、すぐにふはっと小さく吹き出す。
彼もきっと同じ日の同じ事を思い出したのだろう。


「⋯ほんと、シエラには敵わないな」
「こんな私は嫌かしら?」
「さぁ?確かめてみようか」


にこりと笑い目を細めた彼の優しげな瞳の奥が、劣情を孕んでいるように見えてドキッとする。


期待と、あの時にはなかった少しの自信に胸を高鳴らせて。



バルフを引っ張るようにして小走りで寝室に戻った私は、あの失敗してしまった初夜をなぞるように胸を押し付けつつのし掛かるように押し倒す。

バルフの上着と一緒に薄いローブを脱いだその下は、セラが選んでくれた赤い夜着。


「⋯いざ参らん、だったっけ?」
「⋯そのセリフは忘れて欲しいわね」


そしてあの時と違うのは、バルフと真っ直ぐ視線が絡む事とー⋯


「ふふ、今日はちゃんと勃っていて良かったわ」
「⋯シエラこそそれは忘れて欲しいかな⋯」


そっとバルフの下半身に手を伸ばすと、あの時は戸惑いと緊張でしなしなとしていた彼のモノが既に軽く芯を持ちはじめていて。

服の上からそっと擦ると、組み敷いたバルフがピクリと反応する。
共に過ごした時間と向き合って積み上げた絆がちゃんとあるのだと、そう思える今が本当に幸せで――


「⋯んっ」

少し上体を起こしたバルフが夜着の上から私の胸を唇で挟むようにして甘噛みをした。


「シエラのここだってしっかり勃ってるね?」
「そ⋯っ、れは!さっきバルフが触ったから⋯!」
「そっかそっか、期待しちゃってたんだ?」
「っ!」


くすくすと可笑しそうに笑うバルフは、こういう時だけ少し意地悪で。

“そんなところも好きだけど⋯!”

でも同じくらい悔しかった。



「これ、俺のために着てくれたんだよね?」
「?」

あまりにも当たり前な事を聞かれて思わず首を傾げてしまう。
聞いたバルフ本人もそれが正解だと理解しているらしく⋯


「じゃあ、脱がしちゃうのは勿体ないなぁ」
「!!」


ハッとした時にはもう遅く、ぐいっと引き寄せられ彼の顔に胸を乗せるような形で倒れ込む。
慌てて退こうとするが、彼の腕が背中に回って動けない。


「ちょっ、おも、重いから⋯っ!」
「へーひ」
「平気じゃないわよ!そもそもおっぱいだけで結構な重さが⋯⋯っ、ひゃあ!」


夜着の上から乳首の辺りを執拗に舐められビクリとする。
直接ではないそのもどかしさが、彼の唾液で肌に張り付き目に見える形で主張して――


「や⋯っ、ぁあ⋯!」
「ふふ、シエラのここがツンと尖ってるのが一目でわかるね?」
「ひゃぁんっ」


夜着が柔らかい素材だったせいで、肌に服が張り付くと簡単に形がわかってしまう。

“シてる事はいつもと同じはずなのにー⋯”

一目でわかるようになってしまった乳首に吸い付かれ、舌で弾かれて⋯
それなのに物足りない。
気持ちいいけれど、それでも布を一枚挟んでいるだけで歯痒いようなもどかしさが私を襲った。


「おねが、ちゃんと⋯」
「ん?ちゃんと⋯どうして欲しい?」
「どうって⋯っ」

“絶対わかって聞いてる!”

私が押し倒したんだから今更と言われればそれまでなのだが、自分からねだるという行為に抵抗があって。


「ほら、シエラのお願いなら俺は何でも叶えたいと思ってるよ?」
「~~~ッ!」


相変わらず背中に回った腕のせいで身動きは取れず、そして動けない事をいいことに空いている手で私の乳首を軽く指で弾いたバルフが張り付いていない方の胸にも舌を這わせた。

彼の舐めたところからじわりと温かいものが染み込むように滲み、あっという間に私の両胸の形が露になる。
服の上からの愛撫で勃ってしまった乳首が、夜着を押し上げるようにぷっくりと主張し私の呼吸に合わせてふるりと震えて。


「シエラの胸、濡れちゃったね?」
「⋯濡らしたのはバルフでしょっ」
「じゃあこっちが濡れてるのも俺のせい?」
「ひんっ!」


背中に回されていた手のひらがするりと腰まで下り、そのまま下半身に這わされる。
下着の上から蜜壺をなぞると、溢れた愛液がくちゅりと音を零した。


背中の拘束が外されたのに、私の体にはあまり力が入らず、彼の目の前にさらけ出してしまった胸を腕で隠すことも出来なくて。
そんな乳首に再び吸い付いたバルフは、何度も舌で捏ねながら弄ぶ。

胸への愛撫に意識を向けると、すかさず私の下腹部へ這わされていた手が下着の隙間にいれられぐちゅりと指が挿入された。


「――ぁ⋯っ!」
「久しぶりだから、いっぱい解そうね」
「や、待⋯っ!」

くちゅくちゅと愛液を指に絡めるようにしたバルフが、私のナカを指で擦る。


「入り口らへんも好きだよね」


第一間接で軽く指を曲げたバルフが指の腹で内壁を擦ると、私にゾクゾクとした甘い快感が駆け巡った。


「あっ、はぁ⋯ん、んん⋯っ」

時間をかけて少しずつ奥に挿入された指が、奥まで挿った時には私の体に力は全く入らなくなってしまっていて。
はふはふと必死に息をしていると、バルフの指がちゅぽんと一気に抜かれる。

そしてそのまま転がるようにし体勢を入れ替えると、バルフが私の右足の膝裏に腕を入れて大きく開き――


「⋯ごめん、俺もやっぱり余裕ないみたい」
「ぁ⋯」


ぐちゅ、と彼の熱く反ったソレがあてがわれ、ぐぷりと私のナカを押し広げるようにバルフがゆっくりと腰を進めた。


「――ッ!」


少し久しぶりだったとはいえ、何度も彼を受け入れてきたからかすぐに私のナカに馴染む。
内壁をごりごりと抉るようにゆっくりとした抽挿は、それだけで何も考えられないほどの快感が痺れるように全身を巡った。


「ん、シエラのナカ狭くなってる⋯、けど俺の形を覚えてくれてたんだってわかるよ」
「や、ぁあ⋯っん」
「だって何度もシたもんね?」
「ぁ、や、だめ、はずかし⋯っ」
「恥ずかしくないよ?俺達が愛し合ってる証拠だ」
「ん、んんっ、ぁあんっ」


私の耳元で囁き耳朶を食みながら、私の腰を掴んだバルフが私を揺する。
その度にぐちゅぐちゅと愛液が卑猥な音を部屋中に響かせて私の羞恥を煽った。


何度も奥まで貫き、最奥を突く。
ナカがバルフので抉るように擦られる度に快感で脳が痺れ、目の奥で星が散るようで。


「ん、シエラ⋯っ」
「あん、ぁ⋯っ、ばる、ばるふ⋯っ、ひんっ」


子宮口の入り口を抉じ開けるようにぐぷりと奥まで突き、ズズッと引き抜きまた奥までぱちゅんと抉る。
その快感の波で私はどんどん絶頂に導かれー⋯


「ひゃん!」


ずっと夜着の上から触れていた胸に手を伸ばしたバルフが、勢いよく胸元を下へズラすとぶるんとおっぱいが溢れ出て――
一際奥を突きながら、露になった乳首にぢゅっと強く吸い付かれると私の視界が真っ白に飛んだ。


“ずっと服の上からだったから⋯!”


いきなり与えられたその直接の刺激はあまりにも強く、あまりにも気持ちよくて。
あっさりと達してしまった私だったのだが、バルフは全然止まってくれず。


「あ、やぁ⋯っ!イってる、イってるからぁ⋯っ!」
「ごめんシエラ、もうちょっとだけ、俺ももうイくから⋯っ」
「あぁぁんっ!あっ、ひ、ひゃぁっ、あんっ」


達して敏感になっているナカを容赦なく抉られ、苦しいほどの快感に意識までが飛びそうになる。
それでも彼の妻として、彼の全てをちゃんと受け止めたいという一心で私は必死に意識を繋ぎー⋯


「く、シエラ、そろそろ⋯っ」
「あ、また、またきちゃぁ⋯っ!」


びゅく、と彼のが私のナカで震え、じわりと熱いものが広がっていくのを感じる。
私のナカで達したバルフは、その最後の一滴まで注ぐようにゆっくりと抽挿しながら劣情を放ったのだった。
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