消えた記憶

詩織

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プライベートの

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木下さんが帰ったあと

「やっぱり、旦那さんだったんだな」

「うん。そうだね」

「それにしても、設楽と出会う前から恋人でなぜ設楽と結婚したんだろ?」

「うーん」

その理由が今回の記憶が無くなったことにつながるんだろうな

「あっ!!」

「なに?」

「九重、仕事は?ここまで付き合わせて」

「休みだよ。じゃなきゃ、ここまで一緒にいれないだろ」

「あっ、そっか。ごめん」

「何か特殊な何かあるんだろな」

「…うん」

「なに?どうした?気分悪いのか?」

「いや、自分のことなのにこうやって人に頼らないとって思うと恥ずかしいね」

「バカ!お前はそれなり記憶を無くすくらい辛いことがあったんだよ。きっと1人で悩んでたんだ」

「うん」

「気分悪くなったり、何かあったら、どんなに知りたくっても辞めるんだ。解った?」

「うん」

「九重」

「ん?」

「九重は、結婚してるの?」

「え?なに突然」

「いやー、結婚てどんなもんかなーと聞きたかっただけ」

「残念だが俺はまだ独身だ。俺も結婚したいがな」

「へぇー、恋人とかは?」

「…なんで、俺のこと聞く」

「いや、なんかちょっと気になったから」

と、この話はここまでになった

「とりあえず、何かきっかけあればな」

そんな気がする。何かきっかけあれば思い出せそう。



翌日カウセリングの日だったので、岡部先生に話した

「昨日そんなことが。」

「はい」

「それにしても、九重君、休みの日なのによく絵里香さんのご自宅に電話したわね」


昨日帰りがけに

「お前絶対近々行動すると思ったから注意したくって電話したら、案の定だった」

と、言われた。

「なんか、行動読まれてる気がします」

っと、言ったら岡部先生は笑ってた。

「九重君、熱心だからね。絵里香さんのこととても気にしてるのよ」

と、言われた。

まぁ、知ってる中だから気にしてくれてるとは思うんだけど



「こんにちは!おすすめランチお願いします」

バーに入ったと同時に1言言って席に座った。

「いらっしゃい」

笑顔で迎えてくれる。

この笑顔で迎えてくれるのが幸せなんだよな。

「最近、なんか元気いいね」

マスターにそう言われた。

「え?そうですか?」

「うん。雰囲気変わった気がする」

えっ?どう変わったんだろう


しばらくして

「あー、疲れた」

と言って、入ってくる九重。

「九重、お疲れ!」

「昨日散々俺を連れ回してくれたからな」

「うっ、折角の休みなのにゴメン」

「ったく。ホントだよ」

と、笑いながら言われた。

「これ」

と、紙に書かれてたものは

「携帯の番号?」

「うん。昨日のはあれは仕事の携帯からなんだ。こっちは個人用」

「え?」

「だって、お前いつ何時、何してるかわからねー」

その話のやりとりをしてると

紀久のりひさ、お前も変わったな」

あっ、九重って、紀久って名前なんだっと今更気がつく。

「…お前」

「な、なに?」

「顔に書いてある。始めて名前知りましたって書いてあった」

ず、図星すぎる。

マスターは、ゲラゲラ笑って

「まぁ、なんだかんだ仲良くやってるならよしだな」

「なっ、仲良くって」

「俺の患者なんだから、当然だろ!」

と、マスターに向かって言った。

ランチを食べて、戻ろうとすると

「必ず何かあったら電話しろ!わかったな」

そう言って、リハビリセンターに戻って行った

「なんか、面倒見られまくってるな。九重に」

ボソッと言ったら

「紀久が好きでやってるんだから、いいんだよ」

と、言ってくれた。


まさか、プライベートの連絡先まで教えてくれるとは思わなかった。

ホントに九重には感謝しきれないな。

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