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第一章
第二話 15 食堂
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神山は何故施設にいて、聖月を起こしたのだろうと考えたが、そういえば彼はここに働いてもいるが、ここに住んでいたのだと聖月は思い出した。
美しい青年である神山は 、まだ朝の7時だというのにスーツを着て、聖月の部屋のドアの前で笑顔で出迎えた。
朝から眩しい笑顔と顔をみるのは聖月にとって苦痛でしかなかったが、おとなしく神山についてった。それにしても―――聖月は思わず神山の歩く姿を見てしまっていた。ただ背中を追いかけてもわかる、この彼の潔白さはいったいなんだろう。
彼はすばやく1階のロビーまで降りて、
「この廊下を通ると共同スペースになります。そこで施設の人たちと朝食を食べて下さい」
と、聖月に説明した。神山のあとに聖月はついていき、その廊下を歩いて行くと、神山が言った通り広い共同スペースがあった。
共同スペースには、学校の食堂のような役割があるのだろう。白いテーブルクロスに包まれた長いテーブルと椅子が4列程あって、10個以上並んであった。小学校での合宿で、こんな感じで御飯食べたなぁ…なんて、聖月はノスタルジックな気持ちになる。
そこには、施設の子供たちなのか何十人の少年、青年―――それと、小向が居た。
やっと、子供に会ったと安心した聖月だったが、その場にいるものたちがすべて男という状態と殆どが整った容姿をしていることに気づく。
あまりの光景に息をのんで、聖月は一瞬固まった。ほとんどの少年、青年と呼ばれる年頃の男たちの優れた外見をしていて、聖月は思わず目を手で擦った。
小向が聖月の近くにやってきたが、それに気づかない聖月は共同スペースの入り口に立ったまま動けなかった。
「ミツキくん? どうしたの、どこでもいいから座って食べて」
小向に話しかけられて、慌てて聖月は席を探して目を右往左往させる。
「あ!はい、いま行きます」
テーブルには焼いたサバとご飯とみそ汁という定番ではあるが、あったかそうで美味しそうな和食があった。
急いで聖月は目立たないような入り口から2個奥のテーブルの一番はじっこで、隣の名も知らない男の子の隣に急いで座った。
聖月は席に座っても、どうしても落ち着かなかった。
30人ほどいる、美しい少年青年たちが聖月を見ていることが分かり、まるでどうしてよいか判らず聖月は俯いたのだった。
◆
聖月は決して、フレンドリーな性格ではない。
どちらかといえば、大人しいといわれる性格だ。
その大人しい性格で、しかも聖月は人見知りだった。なので、かなり聖月は不器用な性格になっていた。
表情も仲が良い友達なら、ありのままの自分を出せるが知らない人になるとそうはいかない。話しかけられると、どうしても無表情で素っ気なくなってしまうのだ。
小向の時は自分のフルパワーの勇気やもろもろの性格を必死になって努力で、がんばって対応していたが、それは嫌われたら、ここに居られなくなるという気持ちだったのだ。
だから新しい友達をいまでも作るのが苦手な聖月にとって、小向との会話は慣れるまで苦痛でしかなかった。今でもかなり苦痛だが。
昔、中学生の時に知り合ってばかりの人に
『そんなつまんなそうにして。俺のコト嫌いだったのか』
といわれて聖月はショックだった。そんなことはなかったのに。自分に嬉しそうにして話してくるこの人が好きだったのに…。
そう言って自分の前から去ってしまった男の子の名前は何だったか、顔はどんなふうだったのかもう聖月には思い出せない。それほど聖月にとってその出来事はショッキングなものだったのだ。
『違う、違うよ』
そう言いたかったが、緊張と胸の痛さで結局口が動かなかった。
彼は、たしか侮蔑するよな目を聖月に向け、しらけたように教室をでていった。
聖月は追いかけられなかった。
そうしてその人は友達になれなかった。なっていたのに、壊したのはこの自分の表情だ。
そんな出来事もあってか、聖月は中学生の時から作り笑いをするようになった。
だが、緊張してどうしてもぎこちなくなってしまっていた。
今でもうまくないそんな作り笑いだった。
◆
そんな人見知りの聖月にとって今の状況はいささか耐えがたいものがある。無数の何十という目が自分を見ていると思うと、体が緊張で震えてしまう。
滝のように汗が溢れてきて、聖月は下を向いたまま、手を膝の上で握った。
なんだが季節外れの転校生になったような気分で、聖月は怖くて上をどうしても見れなかった。
きっと、上を見て顔を上げたら、何数もの目がこちらをみてくるだろう。それが、怖くてぎゅっと目を瞑る。
そんな聖月の様子を見てか、いつのまにか隣に立っていた昨日のようなスーツ姿ではなくいくらかラフな格好の、Yシャツ姿の小向が優しそうな声音でおだやかに喋った。
「ほら、ミツキくん。今からご飯食べるんだ。顔を上げて」
美しい青年である神山は 、まだ朝の7時だというのにスーツを着て、聖月の部屋のドアの前で笑顔で出迎えた。
朝から眩しい笑顔と顔をみるのは聖月にとって苦痛でしかなかったが、おとなしく神山についてった。それにしても―――聖月は思わず神山の歩く姿を見てしまっていた。ただ背中を追いかけてもわかる、この彼の潔白さはいったいなんだろう。
彼はすばやく1階のロビーまで降りて、
「この廊下を通ると共同スペースになります。そこで施設の人たちと朝食を食べて下さい」
と、聖月に説明した。神山のあとに聖月はついていき、その廊下を歩いて行くと、神山が言った通り広い共同スペースがあった。
共同スペースには、学校の食堂のような役割があるのだろう。白いテーブルクロスに包まれた長いテーブルと椅子が4列程あって、10個以上並んであった。小学校での合宿で、こんな感じで御飯食べたなぁ…なんて、聖月はノスタルジックな気持ちになる。
そこには、施設の子供たちなのか何十人の少年、青年―――それと、小向が居た。
やっと、子供に会ったと安心した聖月だったが、その場にいるものたちがすべて男という状態と殆どが整った容姿をしていることに気づく。
あまりの光景に息をのんで、聖月は一瞬固まった。ほとんどの少年、青年と呼ばれる年頃の男たちの優れた外見をしていて、聖月は思わず目を手で擦った。
小向が聖月の近くにやってきたが、それに気づかない聖月は共同スペースの入り口に立ったまま動けなかった。
「ミツキくん? どうしたの、どこでもいいから座って食べて」
小向に話しかけられて、慌てて聖月は席を探して目を右往左往させる。
「あ!はい、いま行きます」
テーブルには焼いたサバとご飯とみそ汁という定番ではあるが、あったかそうで美味しそうな和食があった。
急いで聖月は目立たないような入り口から2個奥のテーブルの一番はじっこで、隣の名も知らない男の子の隣に急いで座った。
聖月は席に座っても、どうしても落ち着かなかった。
30人ほどいる、美しい少年青年たちが聖月を見ていることが分かり、まるでどうしてよいか判らず聖月は俯いたのだった。
◆
聖月は決して、フレンドリーな性格ではない。
どちらかといえば、大人しいといわれる性格だ。
その大人しい性格で、しかも聖月は人見知りだった。なので、かなり聖月は不器用な性格になっていた。
表情も仲が良い友達なら、ありのままの自分を出せるが知らない人になるとそうはいかない。話しかけられると、どうしても無表情で素っ気なくなってしまうのだ。
小向の時は自分のフルパワーの勇気やもろもろの性格を必死になって努力で、がんばって対応していたが、それは嫌われたら、ここに居られなくなるという気持ちだったのだ。
だから新しい友達をいまでも作るのが苦手な聖月にとって、小向との会話は慣れるまで苦痛でしかなかった。今でもかなり苦痛だが。
昔、中学生の時に知り合ってばかりの人に
『そんなつまんなそうにして。俺のコト嫌いだったのか』
といわれて聖月はショックだった。そんなことはなかったのに。自分に嬉しそうにして話してくるこの人が好きだったのに…。
そう言って自分の前から去ってしまった男の子の名前は何だったか、顔はどんなふうだったのかもう聖月には思い出せない。それほど聖月にとってその出来事はショッキングなものだったのだ。
『違う、違うよ』
そう言いたかったが、緊張と胸の痛さで結局口が動かなかった。
彼は、たしか侮蔑するよな目を聖月に向け、しらけたように教室をでていった。
聖月は追いかけられなかった。
そうしてその人は友達になれなかった。なっていたのに、壊したのはこの自分の表情だ。
そんな出来事もあってか、聖月は中学生の時から作り笑いをするようになった。
だが、緊張してどうしてもぎこちなくなってしまっていた。
今でもうまくないそんな作り笑いだった。
◆
そんな人見知りの聖月にとって今の状況はいささか耐えがたいものがある。無数の何十という目が自分を見ていると思うと、体が緊張で震えてしまう。
滝のように汗が溢れてきて、聖月は下を向いたまま、手を膝の上で握った。
なんだが季節外れの転校生になったような気分で、聖月は怖くて上をどうしても見れなかった。
きっと、上を見て顔を上げたら、何数もの目がこちらをみてくるだろう。それが、怖くてぎゅっと目を瞑る。
そんな聖月の様子を見てか、いつのまにか隣に立っていた昨日のようなスーツ姿ではなくいくらかラフな格好の、Yシャツ姿の小向が優しそうな声音でおだやかに喋った。
「ほら、ミツキくん。今からご飯食べるんだ。顔を上げて」
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