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第四章 暗殺者の選択編
第112話 納得しないゴング
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「情報が来たようだな」
「えぇ。猿からリストが届いたわ。結構な大仕事になりそうよ」
「オークションには金と物が溢れるからな。根こそぎ奪ってやるとするか」
新しい仕事が舞い込んできたことで七頭の面々が集まり計画を練っていた。狙いはオークションで取引される品々と金である。
「ところでガロウはどうした?」
「興味がわかないから不参加なんだそうよ」
「……あいつは一体何の為に復帰したんだ?」
頭の一人が死亡したことで【暴虐の狼】を【銀欲の狼】と改め頭に就任したガロウ。だが彼は気まぐれでありオークションを狙った今回の仕事にも不参加を表明していた。
「まぁいい。あんなのがいなくても俺とお前がいれば余裕だろうからな」
「だといいけど、それなりに名の知れた冒険者なんかも護衛につくらしいから油断は禁物よ」
「ふん。護衛ごとき何人いようと俺の能力の前じゃゴミも同然だ」
「だといいけどね。ま、上手くいくよう猿も情報をくれているようだししっかり利用しないとね」
そして七頭の盗賊たちが目的地へ向けて動き出すのだった――
◇◆◇
出発した初日は大きな問題もなく村まで到着することが出来た。このあたりは依頼人であるモンドからも想定内だったようだ。最初から安全なルートを構築していたようだからな。
もっともこの世界に安定なんてものはない。たとえ安全に思えても不意に現れた凶暴な獣などに襲われ命を落とすことも少なくないという。
「今日は運がよかっただけだからな。こんな日がいつまでも続くと思うなよ」
村についてからゴングが威嚇するように言ってきた。やれやれ随分と目をつけられたものだな。
「あいつ、しつこいわね。リョウガ大丈夫?」
「特に問題はない。中にはあぁ言うのもいるぐらいわかってたことだからな」
マリスは心配そうにしていたが俺は特に気にもしてなかった。そして俺たちはモンドが部屋を取ってくれていた宿に向かう。
途中で寄ったこの村の宿はそこまで大きくはない。故に部屋は男女で一部屋ずつとなるようだった。当然俺はゴングやクルスと一緒ということになる。
クルスに関しては普通に接してくれているが、ゴングは少々煩わしいか。まぁ雑音程度だが。
「そういえばお前、そもそもスキルは何を持ってるんだ?」
部屋に入ってから適当に荷物を置いたタイミングでゴングが俺に聞いてきた。
「俺にスキルはないぞ」
「は?」
ここでごまかしても仕方ないので問いかけには正直に答えた。ゴングが目を白黒させている。
「何だお前。ジョークにしても面白くないぞ」
「俺はそんな冗談は好まない。つまり事実だ」
「ふざけるな!」
ゴングが俺の胸ぐらを掴んできた。スキルがないことがそんなにも気に食わなかったか。
「つまりテメェは無能ってことだろうが。場違いにも程があんだろう!」
「場違いでないとわかれば満足なのか?」
「なんだ、うぉッ!?」
仕方がない。俺はゴングの手首をとりそのまま捻って回転させ床に転がした。
「あ、鮮やかすぎる――」
クルスが俺の動きを見てそう呟いた。投げられたゴングは天井を見上げたまま呆然としている。
「スキルがなくてもこれぐらいは動けるってことだ。納得したか?」
「ぐッ、い、今のは油断しただけだ! そこまで言うならテメェの腕前を俺が直接試してやる!」
逆上したゴングが立ち上がり俺を睨みつけてきた。やれやれ……面倒なやつだな――
「えぇ。猿からリストが届いたわ。結構な大仕事になりそうよ」
「オークションには金と物が溢れるからな。根こそぎ奪ってやるとするか」
新しい仕事が舞い込んできたことで七頭の面々が集まり計画を練っていた。狙いはオークションで取引される品々と金である。
「ところでガロウはどうした?」
「興味がわかないから不参加なんだそうよ」
「……あいつは一体何の為に復帰したんだ?」
頭の一人が死亡したことで【暴虐の狼】を【銀欲の狼】と改め頭に就任したガロウ。だが彼は気まぐれでありオークションを狙った今回の仕事にも不参加を表明していた。
「まぁいい。あんなのがいなくても俺とお前がいれば余裕だろうからな」
「だといいけど、それなりに名の知れた冒険者なんかも護衛につくらしいから油断は禁物よ」
「ふん。護衛ごとき何人いようと俺の能力の前じゃゴミも同然だ」
「だといいけどね。ま、上手くいくよう猿も情報をくれているようだししっかり利用しないとね」
そして七頭の盗賊たちが目的地へ向けて動き出すのだった――
◇◆◇
出発した初日は大きな問題もなく村まで到着することが出来た。このあたりは依頼人であるモンドからも想定内だったようだ。最初から安全なルートを構築していたようだからな。
もっともこの世界に安定なんてものはない。たとえ安全に思えても不意に現れた凶暴な獣などに襲われ命を落とすことも少なくないという。
「今日は運がよかっただけだからな。こんな日がいつまでも続くと思うなよ」
村についてからゴングが威嚇するように言ってきた。やれやれ随分と目をつけられたものだな。
「あいつ、しつこいわね。リョウガ大丈夫?」
「特に問題はない。中にはあぁ言うのもいるぐらいわかってたことだからな」
マリスは心配そうにしていたが俺は特に気にもしてなかった。そして俺たちはモンドが部屋を取ってくれていた宿に向かう。
途中で寄ったこの村の宿はそこまで大きくはない。故に部屋は男女で一部屋ずつとなるようだった。当然俺はゴングやクルスと一緒ということになる。
クルスに関しては普通に接してくれているが、ゴングは少々煩わしいか。まぁ雑音程度だが。
「そういえばお前、そもそもスキルは何を持ってるんだ?」
部屋に入ってから適当に荷物を置いたタイミングでゴングが俺に聞いてきた。
「俺にスキルはないぞ」
「は?」
ここでごまかしても仕方ないので問いかけには正直に答えた。ゴングが目を白黒させている。
「何だお前。ジョークにしても面白くないぞ」
「俺はそんな冗談は好まない。つまり事実だ」
「ふざけるな!」
ゴングが俺の胸ぐらを掴んできた。スキルがないことがそんなにも気に食わなかったか。
「つまりテメェは無能ってことだろうが。場違いにも程があんだろう!」
「場違いでないとわかれば満足なのか?」
「なんだ、うぉッ!?」
仕方がない。俺はゴングの手首をとりそのまま捻って回転させ床に転がした。
「あ、鮮やかすぎる――」
クルスが俺の動きを見てそう呟いた。投げられたゴングは天井を見上げたまま呆然としている。
「スキルがなくてもこれぐらいは動けるってことだ。納得したか?」
「ぐッ、い、今のは油断しただけだ! そこまで言うならテメェの腕前を俺が直接試してやる!」
逆上したゴングが立ち上がり俺を睨みつけてきた。やれやれ……面倒なやつだな――
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