クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~

空地大乃

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第三章 冒険者となった暗殺者編

第73話 迫る影

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「君たちのおかげで私の命は救われた。うちの護衛も腕利き揃いだがそれよりも早く動いたのは君だった。ところで改めて名前を聞いても?」
「リョウガだ」
「私はマリスよ」

 結果的に命を救ったからかモンドは俺たちに興味を持ったようだ。名前を聞かれたがギルドに登録している以上、ここで適当な事を言っても意味がないだろう。

 だから登録している名前は素直に答えた。マリスも同じだったようだ。

「二人の名前はしっかり覚えさせてもらうよ。丁度近々冒険者ギルドに依頼をしようと思っていたからね」
「それはそれは。この二人であればきっとご期待に答えられると思いますよ」

 モンドはどうやら冒険者としての俺たちに興味を持ったようだ。それに気がついたのか依頼人も後押ししてくれている。俺たちの仕事に繋がると思っているのかもしれない。

 確かにこの事が後の仕事に繋がるなら、どんな相手か知らないにしても悪くない話か。

「いや今回は取り引きは勿論、素晴らしい出会いもありました。有意義な時間だったありがとう」
「そう言ってもらえると。ただ大丈夫ですかな? 狙っていた相手には逃げられましたが?」
「ハハッ。こうみえて私は悪運が強いほうですからな」

 そういいつつモンドは依頼人と悪手を交わし俺たちにも手を差し出してきた。それには答えておく。

 こうして午後のメインの取り引きは終わった。依頼人がそう言っていたからな。あとはちょっとした仕入れを終わらせて今日の仕事は終わるようだ。

「そういえばダリバとスカーレッドはどうしているのかな」

 ふとマリスがあの二人について言葉を漏らした。

「どうかな。まぁほぼ休みだから羽でも伸ばしているんだろう――」

 そう答えるに留める。ふたりとも子どもじゃないわけだしな。それに冒険者だ。何があっても自力で何とか出来るだろう――




◇◆◇

「なんでお前、俺についてきてんだよ」
「なんだよつれないねぇ。私みたいないい女と一緒にいれるんだからもっと喜びなって」
「いや自分で言うかよ……」

 何故か一緒についてきているスカーレッド相手にそうぼやくダリバ。もっともスカーレッドがいい女なのは確かであり、実のところダリバもどう接してよいかよくわかっていないのである。

「ま、折角こうしてパーティー組んでるんだし、親睦を高める意味でさ。というわけでここは奢ってね」
「それが目的かよ!」

 ダリバが吠えた。お昼時になりダリバはスカーレッドと一緒に昼を食べに来ていた。そこでこの発言。やはり下心があったのかとダリバは嘆息する。

「ま、そんなこったろうとは思ったけどな」

 ダリバは女性にモテるタイプではなかった。勿論数えるほどの付き合いはあったがだいたい振られて終わっていた。その為かわりとグイグイ距離を詰めてくるスカーレッドに気後れしてしまうのである。

 だがそういう魂胆があったのかと思えば、多少は気が楽になったようだ。

「ま、今回は依頼料も期待できるしな。ここぐらいは出してやるよ」
「ラッキ~♪」
 
 無邪気に喜ぶスカーレッドにダリバも笑みをこぼす。戸惑いはしたがスカーレッドみたいに気さくに接してくるタイプは嫌いではなかった。

 こうしてランチも終え二人は店を出た。

「ふぅ。お腹一杯だねぇ。それで午後はどうするんだい?」
「あん? 別に何も決めてないさ」

 問いかけに答えつつ路地に入る二人。その時だった。

「よう。お前らだな? 俺の手下を可愛がってくれたのは」

 ヌッと二人を影が多い、野太い声が聞こえてきた。振り返ると見上げる程高い大男が二人を見下ろしていた。

 ダリバもそれなりに体格は良い方だと思っていたがそのダリバが見上げる程でかい。しかも兵が発するようなオーラを身にまとっていた。

(こいつ、ヤベェな――)

 ダリバは背中に冷たい汗がにじむのを感じていた。直感的に危険だと判断した。

「スカーレッド気をつけろこいつらグボッ!?」

 ダリバが声を上げた直後、鋼色の拳が脇腹にめり込んだ。ダリバが吹き飛びうめき声を上げながら壁にぶち当たる。

「な! ダリバ!」
「そいつはもう無理さねぇ」

 スカーレッドが叫ぶと巨漢の脇にいた女が鞭を振ってきた。

「チッ!」

 舌打ちしつつスカーレッドも鞭を振るう。互いの鞭が中間地点でぶつかりあった。

 だが彼女を狙っているのはその女だけではない。ダリバを殴った男の剛腕がスカーレッドに迫った。

「くそ!」
 
 咄嗟にスカーレッドが近くの枝に鞭を巻き付け飛び退き拳から逃れた。そのまま持っていたナイフを投擲する。

「フンッ!」

 しかし男の体が鋼のように変化しスカーレッドのナイフはあっさりと弾き返された。

「クソ! スキルか!」
「ふん。この程度か。こんな連中が俺たち暴虐の狼に歯向かうとはな。まぁいい地獄を見せてやるよ――」
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