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魔性
しおりを挟むオール明けの水曜日は、朝から碓氷の小言を聞かされ、今朝神崎に頭を撫でられことを奴に怒られ、こんな卑猥な下着を着けて生徒の前で授業をして、と散々だった。
奴は、コピー機の前で待機する私の尻を撫でたり、職員トイレの個室に押し込もうとしたり、化学準備室に連れ込んでは「生徒の前でスラックスを剥ぎ取って、皆に見てもらいましょう」「あれ、想像しました?さっきより、もっこりさせて...変態ですね」なんて言いながら、本当にスラックスを剥ぎ取ってみたり。
いや...本当に散々だな...。
もう二度とこんな下着は穿きたくない。
紐がアナルに擦れて変な気分になるし、なにより困ったこと...それはお手洗いだ。
卑猥な下着を身に付けていると思われたら...そう考えると生きた心地がしなかったため、今日はあまり使われていない校舎のトイレにまで足を運んだ。
なにはともあれ、今日1日が無事に終わってよかった。
夜ご飯をご馳走になるだけだが、若王子の言う通り私が食べられてしまう状況になるかもしれないので、神崎の部屋に行く前に自宅に寄って、いつもの下着に穿き変える。
身体への負担も減ってきたとは言え、流石に2日間立て続けにセックスをする気力はない。
襲われそうになったら全力で逃げよう。
「神崎、入るよ」
「ん...おかえり、お仕事お疲れさま」
初めて入った神崎の部屋は、大きな植物や風景写真なんかが飾られた、今どきの高校生らしからぬ部屋だった。
ゲーム機や漫画ぐらい置いてあってもいいと思うが、あるのは高そうな一眼レフやデスクトップPC、カメラの参考書、見たことがないようなデザインのオシャレなフロアランプで、若者の部屋とは到底思い難い。
「暗くないか?」
「あ、悪い。俺明るいところ嫌いだから、いつもランプで生活してるんだ。電気つけてもらえる?」
「分かった」
この暗さの中で料理が出来るのか、と言いたいところだが、私が来るまでずっとこの暗さだったのだろう。
彼から特別困った様子は見受けられない。
数分後、食卓にはビーフシチューやサラダが並べられ、2人で手を合わせて食を進めた。
「蒼依が...」
「え?」
「蒼依が先生のこと凄く気に入ってた、早く会いたいって」
「ほんと!?」
「ほんと。あと、若王子に抱いてもらうにはどうしたらいいかって聞かれた」
...うーん?
「そんなにいい男かな、あいつは。クラスの女子も歩くフェロモンだとかなんとか言ってたけど」
「あはは、なんか魔性の男って感じのオーラが出てるからね」
食べ終えた後に食器を洗っていると背後からギュッと抱き締められる。
「なんで若王子の話すると嬉しそうな顔すんの...」
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