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雨
しおりを挟む「と、停めたら...絶対変なことするでしょ」
車を停めるなんてことは絶対にしたくないが、その考えとは裏腹に雨の強さは増していく。
「それは否定できないな」
何なんだ、一体。
女性ならまだしも、男性2人に突然身体を狙われるなんて...。
神様、私は何か悪いことをしたでしょうか...。
「このまま運転して事故でも起こしたらどうするつもり?あと1時間もすれば、きっと雨もおさまるよ...」
濡れた髪を梳くように触り、低い声で問いかけてくる。
悔しいが彼の言う通りで、この雨の中、100%神崎を家まで送り届けれる保証は無い。
背に腹はかえられず、渋々パーキングエリアに車を停車した。
「よし」
「なんのよし、だ...」
神崎はシートベルトを外し、今度は運転席のシートを倒そうと手を伸ばしてくる。
私はそれに焦って、反射的に手を握ってしまった。
「...っ、積極的だな」
違う!!!!
「き、君は何か勘違いしているんじゃないか!?私はただ...雨がおさまるまで」
「うん、そうだね...」
もう限界、と言いたげな彼の顔が近付くと唇にキスを落とされる。
頭の後ろには彼の大きな手がまわり、顔を背けようにも、それは出来ずして終わる。
彼の熱い舌が口内を蹂躙し、時折舌を甘噛みされると痺れるような感覚が全身を襲った。
「あっ、は...、やめ...ッ」
ただ、生徒と教師、こんなことは許されない。
私は快楽で蕩けた脳内をやっとの思いで覚醒させ、咄嗟に彼の下唇を噛んだ。
「っ...」
突然の痛みに驚いた彼だったが、噛まれた下唇から滴る血を舐めたかと思うと、今度はがっつく様に唇を重ねてくる。
血の味。
熱い吐息。
雨の匂いに混じった、神崎の香りーーー。
強く噛んだ下唇が触れる度、彼は痛みで眉をしかめた。
舌の表面を擽るようになぞられると、全身に鳥肌がたつ。
口が離れた僅かな時間に溢れ出るお互いの吐息は、昂らせるには丁度いい材料だった。
口付けながら自分のワイシャツのボタンを外し、私のネクタイをも抜き取る。
抵抗する間もなくあっさりと前を肌蹴させられると同時に、ようやく唇が離れた。
外の街頭に照らされた車内は、窓ガラスに叩きつけられた無数の雫の影を浮かべている。
シャツの間から垣間見える神崎の身体は、細身ではあるがしっかりと引き締まっており、それでいてやけに厭らしい。
制服を着ている時には気づかなかったが、首元からぶら下がったシルバーのネックレスは街頭の灯りでキラキラと輝いた。
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