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第13章 依頼
第73話 図書委員2~ピエール・クンツェン~
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今日は図書委員の担当の日であるので授業終了後に図書室へ向かった。
いつものようにお姉ちゃんが貸出・返却手続きを行い、僕がそれ以外を担当することになって現在は人も少ないので、本の整理のために室内を歩き回っていた。
その際、室内のある場所にいた人物を見掛け、気にしつつも整理を続けた······。
そしてカウンターに戻ったところでお姉ちゃんに「お姉ちゃん、今日もいつもの所にいたよ、"彼"」「そう」と伝えた。
彼とは、毎日の授業後や休日の午後にいつも同じ棚の所で本をいつまでも立ち読みし続けている少年のことだ。
委員長や他の図書委員などにも尋ねてみたら、彼らの担当日の時にもいたようなと話す委員が多かった。
「きっと1年生だと思うんだけど」「気になる?」
「うん。学年や時期は違うんだけど、僕も同じような雰囲気になっていた時期があったからね。以前に」「······あぁ」以前という言葉を聞いて、お姉ちゃんもそれが前世の事を言っているのだと理解してくれた。
「そうね。それなら気になるのも仕方がないわね」「うん」と話したところで、その日はその話題について触れることは終わった。
別の授業後の担当日、お姉ちゃんが「レックス君、しばらくカウンターお願いね」今日も人が少ないこともありお姉ちゃんがそう言ってカウンターを離れた。
恐らく本の整理······という名目で彼に話し掛けに行ったのだろうと理解していた。
お姉ちゃんがいなくなった後も特に困る事無く貸出・返却手続きや質問への回答などをそつなくこなせた。
暫くして「ありがとう」お姉ちゃんが帰って来た。
そしてカウンター業務が暇になったところでお姉ちゃんから彼の話を聞き出した。
お姉ちゃんが言うには、最初に近くで見た時どこかで見た事があると思い、それが以前行われた貴族間同士のパーティの場であった事を思い出し、そこから少年が4大貴族と呼ばれている家の1つで、その中でも最も権力のあるクンツェン家の三男で確かピエールという名前だったと思い出した。
そのためその事を話題のきっかけに声を掛け、ピエールもお姉ちゃんの事を覚えていて話に乗ってくれた。
そして図書室によく訪れている理由を尋ねたら、クンツェン家の者であるにも関わらず情けない成績(ちなみに彼はDクラス)であり、クラスの中ででもクンツェン家の者なのになどと言われうんざりしていたとの事だ。
そこで授業後にそうした雰囲気から解放出来る場所を探して色々な場所を訪れ、その中で図書室を訪れこの棚に来た時、気になる本を見つけそれを読んでいると時間が経つのも忘れられたことから毎日の授業後と休日の午後には訪れることにしたのだそうだ······。
「そうだったんだ」「うん。彼もやっぱり相当苦しかったみたい。生まれた家の事を言われることが」
「その事はお姉ちゃんもよーく理解出来るんじゃない?」「そうね。私もアッシュに会ってなかったら同じ様になっていたかもしれないわ」と話したところでその日はその話題を終わらせた。
それからも暫くはお姉ちゃんが本の整理と称して話し掛け、そのうち僕が話し掛ける事にした。
ピエールの方も「あ、いつもカウンターでお姉さんと一緒にいる······」と認識はしていたようだ。
僕は主に彼がいつも読んでいる本である"世界の鉱石分布録"についての話で盛り上げるようにし、相手もそれに乗って色々話をしてくれるようになった。
そんな風にピエールと付き合うようになったことで······パラ、パラ、パラ。棚から例の本を持ってカウンター近くの席で読んでくれるようにまでなったのだった······。
その姿を見てお姉ちゃんと顔を合わして笑い合い、これからも気に掛けて行こうと決めたのだった。
このピエールと付き合い出した事によって、今後僕達に様々な出来事が発生する事となるのであるが、今はその事はまだ誰も知らないのであった······。
いつものようにお姉ちゃんが貸出・返却手続きを行い、僕がそれ以外を担当することになって現在は人も少ないので、本の整理のために室内を歩き回っていた。
その際、室内のある場所にいた人物を見掛け、気にしつつも整理を続けた······。
そしてカウンターに戻ったところでお姉ちゃんに「お姉ちゃん、今日もいつもの所にいたよ、"彼"」「そう」と伝えた。
彼とは、毎日の授業後や休日の午後にいつも同じ棚の所で本をいつまでも立ち読みし続けている少年のことだ。
委員長や他の図書委員などにも尋ねてみたら、彼らの担当日の時にもいたようなと話す委員が多かった。
「きっと1年生だと思うんだけど」「気になる?」
「うん。学年や時期は違うんだけど、僕も同じような雰囲気になっていた時期があったからね。以前に」「······あぁ」以前という言葉を聞いて、お姉ちゃんもそれが前世の事を言っているのだと理解してくれた。
「そうね。それなら気になるのも仕方がないわね」「うん」と話したところで、その日はその話題について触れることは終わった。
別の授業後の担当日、お姉ちゃんが「レックス君、しばらくカウンターお願いね」今日も人が少ないこともありお姉ちゃんがそう言ってカウンターを離れた。
恐らく本の整理······という名目で彼に話し掛けに行ったのだろうと理解していた。
お姉ちゃんがいなくなった後も特に困る事無く貸出・返却手続きや質問への回答などをそつなくこなせた。
暫くして「ありがとう」お姉ちゃんが帰って来た。
そしてカウンター業務が暇になったところでお姉ちゃんから彼の話を聞き出した。
お姉ちゃんが言うには、最初に近くで見た時どこかで見た事があると思い、それが以前行われた貴族間同士のパーティの場であった事を思い出し、そこから少年が4大貴族と呼ばれている家の1つで、その中でも最も権力のあるクンツェン家の三男で確かピエールという名前だったと思い出した。
そのためその事を話題のきっかけに声を掛け、ピエールもお姉ちゃんの事を覚えていて話に乗ってくれた。
そして図書室によく訪れている理由を尋ねたら、クンツェン家の者であるにも関わらず情けない成績(ちなみに彼はDクラス)であり、クラスの中ででもクンツェン家の者なのになどと言われうんざりしていたとの事だ。
そこで授業後にそうした雰囲気から解放出来る場所を探して色々な場所を訪れ、その中で図書室を訪れこの棚に来た時、気になる本を見つけそれを読んでいると時間が経つのも忘れられたことから毎日の授業後と休日の午後には訪れることにしたのだそうだ······。
「そうだったんだ」「うん。彼もやっぱり相当苦しかったみたい。生まれた家の事を言われることが」
「その事はお姉ちゃんもよーく理解出来るんじゃない?」「そうね。私もアッシュに会ってなかったら同じ様になっていたかもしれないわ」と話したところでその日はその話題を終わらせた。
それからも暫くはお姉ちゃんが本の整理と称して話し掛け、そのうち僕が話し掛ける事にした。
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そんな風にピエールと付き合うようになったことで······パラ、パラ、パラ。棚から例の本を持ってカウンター近くの席で読んでくれるようにまでなったのだった······。
その姿を見てお姉ちゃんと顔を合わして笑い合い、これからも気に掛けて行こうと決めたのだった。
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