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第6章 結婚編
チョロい
しおりを挟む「おぉー、シーマ。久しぶりだな!!」
ロナルドさんは宿屋に現れるなり勢いよく挨拶してきた。
ん?
結構痩せたか?
「ロナルドさん「馬鹿野郎!! お義父さんと呼べ!!」……お義父さん、お久しぶりです。元気そうで良かったです。皆さんもお変わりないですか?」
「いや、俺よりはステラのほうが元気だ。むしろ元気過ぎて困ってるくらいだ笑」
…。
それって、もしかして俺のせい?
「お父さん、久しぶり!! 調子はどう?」
「おぉー、シェリル。シーマくんのおかげで『ペペロンチーニ』が当たってな。ルート商会は順調そのものだ。お前のほうはどうなんだ?」
「うーん…。まぁ、いろいろと面白そうなものはあるけど、確定してるものはないかな」
「そうか。これからも引き続き頼むぞ!!」
親子で久しぶりの再会なのに、ビジネスの話かよ。
そういう環境だからしょうがないのかな…。
「お義父様、お久しぶりです。元気そうで何よりです」
「お義父様…くぅ~久しぶりの響きだな。セレナちゃん、また一段と綺麗になったね。これからもシェリルと仲良くしてやってくれ」
「大丈夫ですよ。ふふふ」
俺が怒られたのを見て、セレナはロナルドさんのツボを踏まえつつ、きっちりと挨拶したな。その辺はさすがだ。
問題はこの後だ。
俺から紹介するしかないか…。
「ロナルドさん、俺たちは聖女クラリス救出の依頼を受けて昨日までエピリシア教国にいました。そして、こちらにいるのが元聖女のクラリスです。訳あって俺の3人目の婚約者となりました」
「はぁ?! ちょっと待てシーマ。一言に情報を詰め込み過ぎだ………ってことは、お前は元聖女と結婚するってことか?」
「そうなりますね。なあ、クラリス?」
「お初にお目にかかります。クラリスと申します。私もお義父様とお呼びしてもよろしいでしょうか」
「聖女から、お義父様と呼ばれる日が来るとは………くぅ~!! も、もちろんだよ。お義父さんと呼んでくれ」
「改めましてお義父様、これからもお見知り置き下さいね」
「!!…」
ダメだ。
ロナルドさんは驚きと感動で、心がどこかへ飛んでしまってたようだ笑
最後は大御所が控えているのに、こんな調子で大丈夫なのかな?
「そして、こちらがオルティア王国第3王女であるフィリア王女です」
「はっ!! よくよく見ればフィリア王女様!! お久しぶりでございます。ルート商会会長のロナルドでございます。本日もご機嫌麗しゅう存じます」
クククッ
ロナルドさんがテンパってるし笑
変わり身がちょっと面白い笑
「うふふっ、シーマさんも結構意地悪よね。私を最後に紹介するなんて…」
「そうだぞ、フィリア王女様は一番先に紹介せんといかん!!」
ロナルドさんがフィリア王女に乗っかって反撃してきた笑
面倒だからテキトーなこと言って躱しておくことにしよう笑
「そうは言っても、フィリア王女は婚約者ではないですからね。話の流れ的には婚約者を先に紹介して、最後に重要人物って感じにしたかったんですよ」
「ぐぬぬぅ…確かにまだ婚約者ではないわ…。でも、シーマさんにとっての重要人物っていうのも悪くない…。今日のところはそれで我慢しましょう」
「フィリア王女様がそう仰るのであれば、私からは何も言わないことに致します」
2人とも社会的地位が高いのに、
意外とチョロいんだよな笑
応援ありがとうございます!
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