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第4章 冒険 -王都編-

逆転の発想

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 俺が宿屋にバリアをかけ終わった頃、セレナとシェリルも到着した。


「よし、もうすぐブラックバードがこっちに来るから、セレナは魔法で撃ち落としてくれ」

「任せて!」

「シェリルは...」

「ボクはこっちに向かってくるゴブリンとかの相手をするから、シーマも魔法でブラックバードを撃ち落として!」

「悪いな。助かる」


 そう。
 これは俺も思ってたことだが、魔法に関して言えばシェリルよりも俺のほうが魔力も多いし魔法を上手く扱える。今この場ではこの選択肢しかなかったのだ。
 それをシェリルが自ら考えて出した答えだったのが嬉しかった。


「セレナ、多少は宿屋に当ててもいいから数を多く落とすことだけを考えてくれ!」

「わかったわ...!!  シーマ、来たよ!」

「よし! 何としても守ってやる!ストーンバレット!」

「ウォーターカッター!」

「「「ギャァッ」」」


 …スゲー。
 セレナのカッターは切れ味が違うな。
 何体も撃ち落としたわ。
 いいなー、あれ。

 ん?!
 あっ、そうだった。
 俺もスキル共有でウォーターカッター使えるんだった。


「ウォーターカッター!」

「ギャッ」


 おぉー。
 俺も意外とイケるじゃん...。
 なんて、のんびりやってる場合じゃないな。
 万が一にでもフィリア王女に何かあってはならないんだ。
 どんどん撃ちまくってやる!


「ウォーターカッター!」

「「ギャギャッ」」

「ストーンバレット」

「ギャッ」


 魔法の乱れ打ちの甲斐もあって、だいぶ数は削れたが、それでもまだまだ残っていて宿屋に向かって飛んでくる。
 何もココじゃなくていいのに...。


 何かいい方法があれば...。
 でっかい鳥かごとかあったらいいのに...。
 

 ん?
 鳥かご?
 俺の残りの魔力は心もとないが試す価値は十分ありそうだ。


「セレナ、ちょっと試したいことがあるんだ。もし、俺が魔力切れで倒れても、この辺の魔物がある程度片付くまでは、そのままシェリルと一緒に戦い続けて欲しいんだ。俺のことはその後でいい。頼む」

「シーマ、あなた何をするつもりなの?


「まぁ、見ててくれ」



 
「バリアー!!」


 俺はあえて対象をしてないままバリアを大きく展開してブラックバードの群れを包み込んだら、ブラックバードを対象に切り替えてバリアの範囲を強引に狭めていく。

 透明の箱を小さくしていくイメージなのだが、実際はバリアの空間を圧縮しているようなものなので魔力もそれなりの消費は避けられないようだ。

 俺の思った通りにバリアが小さくなるにつれてブラックバードも徐々にその中央へ押し込まれていく。

 俺の魔力もしんどくなってきたが、それでも構わずにバリアを圧縮していくと、ブラックバードもどんどんと押し潰される。

 そして、バリアの範囲が0になって無くなった時、ブラックバードは全滅し…



 俺は意識を失った。


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