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第2章 宿屋
告白
しおりを挟む「セレナに言っておかなければならないことがあるんだ」
俺が考えた末に出した答えは、転生したことなど全てをさらけ出してから、思いを伝えようということだった。
前世の記憶が蘇ったということにしておけば何とかなるだろう。
実際にはメインが椎名でサブがシーマのようなものだが、それを言ってしまったら問題になりそうだからな。
「何? 何かあったの?」
「信じられないかもしれないけど、まずは何も言わずに聞いて欲しい」
「うん…」
これ、ヤバいくらい緊張するなー。
好きだって告白するだけのほうがまだマシだな。
でも全て伝えるって決めたんだ。
もう後には引けない。
「この前死にかけた時に、前世の異世界人の記憶が入り込んできたんだ。今の俺はシーマでもあるけど、別の人でもあるんだ」
「えっ? 何言ってるの?」
「驚くのも無理ないよな。俺も理解するまで時間がかかったから。女神エルピス様の意向もあってこうなったんだ」
「エルピス様の!」
「あぁ、そうなんだ」
何だか、
エルピス様のせいで…
みたいなことになっちゃったな。
後で謝っておこ。
「シーマはシーマなんだよね?」
「もちろん、セレナのことは小さい頃から知ってるし、大好きな気持ちはずっと変わってないよ」
あっヤバっ!
勢いでついつい大好きって言っちゃったよ。
まぁいいか。
こうなったら押せ押せだな(笑)
「大好きって…(照)ズルいよ…何も文句言えないじゃない」
「これからもずっとセレナと一緒にいたいと思ったから秘密を話すことにしたんだ。これからも一緒にいてくれるかい?」
「うん…。一緒にいたい」
「ありがとう、セレナ。それじゃあさ、これから2年間だけ2人で冒険しよう。それが終わったらここに戻ってきたら…」
「戻ってきたら?」
「結婚しよう」
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