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獣国編
29 前世の話 ②
しおりを挟むリョダリが意味深なことを言って部屋を出てからリオンと二人きりになったけれど私達の間には静かな沈黙がずっと続いていた。
どちらから話すでもなく目を会わせるでもなく…ただお互いに黙っていた。
どれくらいの時間が過ぎたのか…ギシリと音が鳴り微かに沈むベットに俯いていた顔を上げればベットの上に乗る私の直ぐ横にリオンが座っていた。
「マリアン」
「…は…ぃ」
「俺は信用できないか」
「…ちが……」
「俺が言った言葉は全て本気だった」
「っ…」
「マリアン、俺はお前に何をしてやれる」
「リオン…」
「俺はお前のなんだ」
リオンがここまで自信なく静かに話す声を聞くたび私はギュッと胸が締め付けられた。
何故もっと早く話さなかったのか…
何故もっと信じなかったのか…
リオンはあんなにも助けてくれていた
リオンはあんなにも守ってくれていた
リオンはあんなにも待ってくれていた
リオンはあんなにも囁いてくれていた
あんなにも私を愛し続けてくれていた
私のたった一人の…大切な…愛しい人…
それに気付いたときボトボトと大きな涙が布団へと沢山落ちていった。
「ごめ、んなさい…リオン。ごめんなさい」
「マリアン」
「心配だったの…転生者だと話して頭がおかしいんじゃないかと疑われたり、前世の記憶で何が起こるか知っているのに、何もしなかった事や自分の幸せのためだけに動いたことがバレたら…お父様やお母様、エイザル様やメル、セバスさん…そしてリオン、貴方嫌われてしまうんじゃないかって、離れるんじゃないかって…一人ぼっちになってしまうんじゃないかって…だから、だから !! 何も話さなかったの…わたし、私は !! ごめん、ごめんなさいリオン、ごめんなさい」
「マリアン…」
「お願いリオン、リオン…」
自分が何を言っているのかうまく理解できない、頭の中がグチャグチャで頭に浮かぶ言葉をただただ話しボロボロと泣き続ける。あんなに覚悟を決めて話すと約束したのにあんな形でバラされ絶望した私を変わらず守り愛してくれたリオンに何をこれ以上話せばいいのか…何を言えばいいのか…嫌われたくない、離れたくない、愛してほしい、そんな私をリオンが抱き締めた
「マリアン」
「お願い嫌いにならないで…離れないで」
「リア、言ったはずだ必ず俺が守ると、逃げても捕まえる、地獄だろうと追いかけると…例え記憶があり自分のためだけに動いていただけだとしても俺はリアに救われた、それは変えようもない過去だ。離れていた時間も、支え合ってきた時間も全て俺とリアの幸せになるための時だ。俺はどんなマリアンでも変わらず愛し続ける。何度離れ生まれ変わっても…俺にはリアお前だけだ」
「ふっうっ…グスッ…リオン…好き…好きよ、愛してる」
「ああ、俺も愛しているマリアン」
目尻に、額に、頬に…
唇を落としていくリオン
こんな私を愛してくれると言って抱き締めてくれるリオンに、私は涙を止めることもできずリオンを抱き締め返しながらその温もりと魔力を感じ続けていた。
ーーーーーーー
会話内容が少し支離滅裂 ?? になっていたりしたらすみません
( n ;_ _)n 次回よいよ★にしていくつもりです
お楽しみください
応援ありがとうございます!
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