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獣国編

11 連絡と選択

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「分かった」
「ぅ…ん ? 」
「起きたかリア」
「………っ…どうかしたの?」

朝日が窓から入り上半身裸のリオンが髪をかきあげながら私の方を見下ろしていた。
その色気に鼻血が出そうと思ったのも仕方ないと思う。勿論でないけど…意地で…
それよりも髪をかきあげていない方の手、リオンが持っている魔道具が気になった。
初めて見る 5㎝ ほどのひし形のブローチに模様のように陣が掘られておりそれが先程まで使われていたからなのか魔力により光が帯びていた。

「それは ? 」
「これはリョダリが開発したケタイといわれる魔道具だ、登録してある魔力の相手と連絡を取り合うことができる物らしい、昨日渡された。俺も先程使うのが初めてだが中々良いものだな」
「ケタイ…(ケータイのことだよねぇ)」
「ああ、それで今リョダリから連絡が来た」
「なんて ? 」
「獣国ではスタンビートらしき予兆はないが、昨夜トヤムール国にてスタンビートの予兆が起きたらしい」
「え… !? (なぜ !! 今戸のルートになって進んでるの意味がわからない !? )」
「力を貸してほしいとの連絡が来たらしい。そのため俺たちにも連絡をくれたらしいが、リア戻るか ? 」

リオンが言っている意味が私も共に戻りスタンビートを止めに行くか、此処に残り待っているか…その選択しをくれていることに気がついた。
私を危険に会わせたくないというリオンの気持ちもわかる、でも私は…

「行くわ」
「セバスは残していくぞ」
「それでもついていく。リオンと共にどんなときでも一緒に…戦うわ」
「ふっ…そうか、なら仕度してすぐ向かおう」
「ええ」
「俺だ」
『リオンどうするか決めたかい ? 』
「ああ、俺達は一度戻る」
『分かった。セバスにもう1つケタイを渡してある。出来ればそれをトヤムール国の王太子に渡してくれ』
「ロナウドにか ? 」
『ああ、彼とは頻繁に手紙のやり取りしているからね、本当は一番に送るつもりだったがリオンの方が来るの早かったから先に渡しただけだからね』
「そうか、分かった。俺達はもう行く。何かあれば向こうに連絡してくれ」
『了解、気を付けてくれ』
「ああ」

リオンが話しかけるとスピーカー状態でリョダリの声が聞こえ、二人で話がどんどん進んでいった。
この魔道具は完成したばかりらしく…まだ、数個しかないらしい。
そのため、1つは獣国王太子リョダリ、トヤムール国王太子ロナウド、そしてリオンと3つだけとか。
いや、ギルドマスターでリョダリの番レーヌも持っているとか…
うん、なんも言わないよ

「仕度はできたかリア」
「ええ」
「セバス」
「はい坊っちゃん」
「一度学園にある研究所に転移する」
「え ? 」
「簡単に魔力の消費を少なくいけるのは転移陣がある研究所か、王宮の研究所だけだ。王宮は旅に出るときにエイザル仕様に変更した。なら一番近いのは研究所になる」
「あ、研究所の後は転移で王宮に行けば魔力もそこまで減らないのね」
「そういうことだ、行くぞ」
「ええ」

私はセバスさんにヒールをかけてもらった後旅の身支度を済ませリオンの横へと立った。
とたんに腰を引き寄せたリオンにドキドキとしながらスタンビートが起きそうになっていることと、これがまぐれか人工的か…それとも強制力による力なのか…
不安に刈られながらも私は足元に光輝く転移陣を見ながら考えていった
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