75 / 363
第2部 母と娘の関係
5-2元陸上部魂がメラメラと燃えてきたー!
しおりを挟む
仕事が終わったあとの夜。私は、ナギサちゃんとフィニーちゃんの三人で集まっていた。場所は〈東地区〉にある、イタリアン・レストラン〈アクアマリン〉だ。最近、みんなで集まる時は、ここが定番になっている。
ただ、今日は、いつもの女子会とは少し違う。明日から『蒼海祭』が始まるため、恒例の『前夜祭』だからだ。
前夜祭は、町が取り仕切っているのではなく、町の人たちが自主的にやっている。毎月、何かしらのイベントがあるので、その度に前夜祭が行われていた。
本当に、この町の人たちは、お祭りが大好きだよね。でも、私もお祭りが超大好きなので、すっごく楽しい。
ちなみに〈グリュンノア〉は、最初はたった十数名で、無人島の開拓をするところから始まった。お金も物資も乏しい上に、少人数での町作りは、本当に大変なことだったらしい。
そんな中、毎日、仕事が終わると皆で集まり、少ない食料を分け合い、わいわい騒いで結束を強めていった。これが『前夜祭』の起源だ。
世界大戦中、ちっぽけな都市国家が生き残れたのは、ずば抜けた結束力と士気の高さにあったと言われている。
昔とは、だいぶ変わったけど、この町の人たちは、とても仲が良く結束力が強かった。それは、各種お祭りや、前夜祭、広場会議など、古くからある良き伝統を、引き継いで来たからだと思う。
『蒼海祭』の日程は、五日間。『魔法祭』ほど盛大ではないけれど、沢山の観光客が集まり、とても賑やかになる。
ただ、開催は五日間なんだけど、スーパーや食料品店では、月初めから『蒼海祭フェア』をやっていた。なので、実際には、結構、期間が長いんだよね。
私は、運ばれて来た料理を食べながら、周りをキョロキョロと見回した。みんな明るい笑顔を浮かべ、とても楽しそうに話している。
ウキウキした感じが、そこかしこから伝わって来た。このお祭り独特の、浮かれた感じが、たまらなく大好きだ。
「本当に、この町の人たちって、お祭りが大好きだよねぇ。これが終わっても、来月もまた、何かイベントがあるんでしょ?」
「来月は『スポーツ・フェスタ』よ。私は、あまり好きではないけれど」
ナギサちゃんは、興味なさげに淡々と説明する。基本、運動系は好きじゃないみたいだ。
「それって、運動会みたいな?」
運動会と言えば、昔から私の唯一の活躍の場だった。元陸上部なので、特に走る系が超得意だ。
「運動会と競技会の、中間みたいな感じね。地元の人たちだけが参加する競技もあれば、プロのスポーツ選手が参加する競技もあるわ。特に『ノア・マラソン』は、世界的にも有名で、プロも参加するし、それを見に来る観光客も多いのよ」
「おぉー、何か超楽しそうだね。マラソン一緒に参加しようよ!」
私は元気一杯に、二人に声を掛ける。だが、二人は完全に無反応だった。ま、なんとなく予想はしてたけどね……。
「それよりも、イベントぐらいは、ちゃんと勉強しておきなさいよ。毎月のイベントは、最初から決まっているのだから」
ナギサちゃんは、さっと話題を切り替える。
「あははっ、確かに。でも、一つずつ参加すれば覚えるかなぁー、なんて」
「私たちシルフィードの存在理由を、ちゃんと理解しているの? 毎月のイベントこそ、私たちが活躍する、一番の場なのよ」
ここからは、お約束の、ナギサちゃんのお説教&講義が始まった。フィニーちゃんは、最初から知っているのか、単に興味がないのか、我関せずで黙々と食事を続ける。
ナギサちゃんの話によると、元々はこんなに沢山のイベントは、なかったそうだ。ほとんどが、戦後、町の復興の際に作られたもので、イベントが増えるにつれ、シルフィードの活躍の場も増えて行った。
なお、設立時のシルフィードは、行政府の『治安維持局』に所属する国家公務員。当時は観光客も少なく、観光案内より、施設や道の案内がメインで、町の治安維持の活動も行っていた。
実際に、昔のシルフィードは、揉め事の仲裁や事故の対処なども行っており、戦闘訓練も受けていたらしい。人手が足りなかったため、時には配送業務なども行っていた。
しかし、観光客が増えるにつれ、観光案内がメインになった。さらに、より観光に力を入れるため、イベントがどんどん増え、毎月、何かしら行われるように。
結果、シルフィードの活躍の場も、飛躍的に増えて行き、どんどん人気が出てきた。やがて民営化され、今のようなアイドル的な存在になった。
つまり、今のシルフィードがあるのは、毎月のイベントのお蔭と言える。私はまだ、お客様を乗せることが出来ないから実感がない。でも、リリーシャさんは、イベントの度に大忙しだった。
やっぱり、シルフィードって、イベント案内がメインのお仕事なんだね。一応、年間行事の一覧には、目を通しているんだけど。あまりにも、学ぶことが多すぎて、まだ覚え切れていない――。
ナギサちゃんの講義が、一段落したところで、
「今回の『蒼海祭』は、毎日いくの? 私は全然オッケーだけど」
二人に予定をきいてみる。
前回の『魔法祭』の時のような、七度参りなどはないので、毎日、行く必要はない。でも、できれば、また三人で楽しみたいなぁー。友達と一緒に回るお祭りって、最高に楽しいもんね。
「当然、毎日、回るに決まっているわ。私たち新人にとって、イベントは大事な実地研修なのだから」
「毎日、出店をまわる」
ナギサちゃんは、真剣な表情で。フィニーちゃんは、ワクワクした顔で。二人とも、違う意味で気合が入っていた。
「ちょっと、遊びじゃないのよ、遊びじゃ。ちゃんと、スケジュールも立ててあるから。効率よく回って、しっかり勉強するわよ」
ナギサちゃんは、マギコンを開くと、ササッと操作する。直後、私とフィニーちゃんのマギコンに、着信音が鳴った。
マギコンを確認すると、ファイルが送られて来ていた。開いてみると、お祭り五日分のスケジュールが、みっちりと組まれている。
人気のある出店、回る順番、イベントの解説、注意事項など、詳細に書かれていた。まるで、修学旅行のしおりみたいだ。
「うわぁー、いつの間にこんなの作ったの? めっちゃ細かいね」
「あらかじめ、日程が分かっているのだから、いくらでも作る時間はあるわよ。それに、魔法祭と違って、一定のルートを進むわけではないから。計画的に動かないと、全て回り切れないわ」
資料を見る限り、全てを回る気満々だ。本人は勉強だの研修だのと言ってるけど、やっぱり楽しみなんじゃないかな? じゃなきゃ、ここまで細かくは作らないよね。
資料をめくって五日目を見ると、私の参加するレースの、応援の予定が書かれていた。
「覚えていてくれたんだ、レースのこと。ありがとね、ナギサちゃん!」
「べ……別に、後学のためよ。お客様を案内する機会も、あるかもしれないし」
言いながらナギサちゃんは、顔を背けた。
いやー、分かりやすいなぁ。ナギサちゃんは、図星を突かれると、視線を逸らしたり、顔を背ける癖があるからだ。相変わらず厳しいし、トゲトゲしてるところも有るけど、さりげない優しさや思いやりは忘れない。
「私、ナギサちゃん達のためにも、頑張って優勝するからね!」
「何で、私たちのためなのよ?」
「だって、十万ベルの商品券もらえるんだよ。優勝したら、みんなで美味しいもの食べようね」
「おぉー、おいしいもの!! 風歌、がんばれ!」
フィニーちゃんの目が、キラリと輝いた。私の優勝より、明らかに食べ物が目当てっぽいけど。でも、応援してくれるのは、純粋に嬉しい。
「まったく――二人とも打算的ね。レースだって、大事な行事の一つなのよ。それよりも、ちゃんと、ウォーター・ドルフィンには、乗れるようになったの?」
「普通に走れる程度にはね。毎日、練習は行ってるんだけど、圧倒的に練習時間が足りてないんだぁ。私の場合、エア・ドルフィンの登場経験も少ないから、どうしても魔力制御には差がでちゃうよね……」
機体の操縦法は、数日あれば、十分マスターできる。しかし、魔力制御は、一朝一夕で、どうにかなるものでは無かった。特に、魔力の概念がなかった世界で生まれ育った私には、物凄く難しい。
「この世界に住んでいる人間に比べれば、経験不足は、しょうがないわよ。皆、子供のころから、乗っているのだから」
ちなみに、子供用の『セーフ・ドルフィン』という乗り物もある。地面から数センチしか浮かず、スピードも歩く程度だが、魔力制御で動くのは同じだ。向こうの世界だと、三輪車とか足こぎ自動車みたいな感じかな。
あと、十二歳になると、エア・ドルフィンの『セミ・ライセンス』が取れる。セミ・ライセンスで乗れるのは、高度やスピードに制限の付いた『ミニ・ドルフィン』まで。十五歳になると、正式なライセンスが取得できる。
つまり、この世界の人は皆、子供のころから『魔力制御』をしているのだ。特に、将来、空の仕事に就きたい人は、物心ついたころから練習施設に通っているらしい。
練習施設の敷地内で、指導員が同伴だと、ノーライセンスでも、エア・ドルフィンに乗ることが可能なんだって。
「足りない分は、運動神経で何とかするつもり。あと、昔から、本番には強いからね」
「あまり、張り切り過ぎないようにしなさいよ。ケガでもしたら、元も子もないのだから」
ナギサちゃんは、本当に心配症だ。というか、うちの母親と、ほとんど台詞が同じなんだよね……。
「大丈夫、大丈夫。レースとはいえ、お祭りの一環なんだし、命を懸けてまでやるつもりはないから。楽しく走ってくるよ」
「なら、いいのだけど」
でも、実際のところ、かなりガチで頑張っている。もちろん、賞品も物凄く欲しいけど、私はかなりの負けず嫌いなので。
ナギサちゃんみたいに、露骨に表には出さないけど、スポーツ系は絶対に負けたくない。なので、心の中では、メラメラと熱い炎が燃えているのだった。
今の私には何もない。しいて言うなら、ちょっと体力と運動神経に自信があるぐらいだ。だからこそ、こういう機会に活躍しないと、意味がない。勉強や知識じゃ、ナギサちゃんには、遠く及ばないからね。
よしっ、元陸上部魂で頑張りまっしょい!
ただ、今日は、いつもの女子会とは少し違う。明日から『蒼海祭』が始まるため、恒例の『前夜祭』だからだ。
前夜祭は、町が取り仕切っているのではなく、町の人たちが自主的にやっている。毎月、何かしらのイベントがあるので、その度に前夜祭が行われていた。
本当に、この町の人たちは、お祭りが大好きだよね。でも、私もお祭りが超大好きなので、すっごく楽しい。
ちなみに〈グリュンノア〉は、最初はたった十数名で、無人島の開拓をするところから始まった。お金も物資も乏しい上に、少人数での町作りは、本当に大変なことだったらしい。
そんな中、毎日、仕事が終わると皆で集まり、少ない食料を分け合い、わいわい騒いで結束を強めていった。これが『前夜祭』の起源だ。
世界大戦中、ちっぽけな都市国家が生き残れたのは、ずば抜けた結束力と士気の高さにあったと言われている。
昔とは、だいぶ変わったけど、この町の人たちは、とても仲が良く結束力が強かった。それは、各種お祭りや、前夜祭、広場会議など、古くからある良き伝統を、引き継いで来たからだと思う。
『蒼海祭』の日程は、五日間。『魔法祭』ほど盛大ではないけれど、沢山の観光客が集まり、とても賑やかになる。
ただ、開催は五日間なんだけど、スーパーや食料品店では、月初めから『蒼海祭フェア』をやっていた。なので、実際には、結構、期間が長いんだよね。
私は、運ばれて来た料理を食べながら、周りをキョロキョロと見回した。みんな明るい笑顔を浮かべ、とても楽しそうに話している。
ウキウキした感じが、そこかしこから伝わって来た。このお祭り独特の、浮かれた感じが、たまらなく大好きだ。
「本当に、この町の人たちって、お祭りが大好きだよねぇ。これが終わっても、来月もまた、何かイベントがあるんでしょ?」
「来月は『スポーツ・フェスタ』よ。私は、あまり好きではないけれど」
ナギサちゃんは、興味なさげに淡々と説明する。基本、運動系は好きじゃないみたいだ。
「それって、運動会みたいな?」
運動会と言えば、昔から私の唯一の活躍の場だった。元陸上部なので、特に走る系が超得意だ。
「運動会と競技会の、中間みたいな感じね。地元の人たちだけが参加する競技もあれば、プロのスポーツ選手が参加する競技もあるわ。特に『ノア・マラソン』は、世界的にも有名で、プロも参加するし、それを見に来る観光客も多いのよ」
「おぉー、何か超楽しそうだね。マラソン一緒に参加しようよ!」
私は元気一杯に、二人に声を掛ける。だが、二人は完全に無反応だった。ま、なんとなく予想はしてたけどね……。
「それよりも、イベントぐらいは、ちゃんと勉強しておきなさいよ。毎月のイベントは、最初から決まっているのだから」
ナギサちゃんは、さっと話題を切り替える。
「あははっ、確かに。でも、一つずつ参加すれば覚えるかなぁー、なんて」
「私たちシルフィードの存在理由を、ちゃんと理解しているの? 毎月のイベントこそ、私たちが活躍する、一番の場なのよ」
ここからは、お約束の、ナギサちゃんのお説教&講義が始まった。フィニーちゃんは、最初から知っているのか、単に興味がないのか、我関せずで黙々と食事を続ける。
ナギサちゃんの話によると、元々はこんなに沢山のイベントは、なかったそうだ。ほとんどが、戦後、町の復興の際に作られたもので、イベントが増えるにつれ、シルフィードの活躍の場も増えて行った。
なお、設立時のシルフィードは、行政府の『治安維持局』に所属する国家公務員。当時は観光客も少なく、観光案内より、施設や道の案内がメインで、町の治安維持の活動も行っていた。
実際に、昔のシルフィードは、揉め事の仲裁や事故の対処なども行っており、戦闘訓練も受けていたらしい。人手が足りなかったため、時には配送業務なども行っていた。
しかし、観光客が増えるにつれ、観光案内がメインになった。さらに、より観光に力を入れるため、イベントがどんどん増え、毎月、何かしら行われるように。
結果、シルフィードの活躍の場も、飛躍的に増えて行き、どんどん人気が出てきた。やがて民営化され、今のようなアイドル的な存在になった。
つまり、今のシルフィードがあるのは、毎月のイベントのお蔭と言える。私はまだ、お客様を乗せることが出来ないから実感がない。でも、リリーシャさんは、イベントの度に大忙しだった。
やっぱり、シルフィードって、イベント案内がメインのお仕事なんだね。一応、年間行事の一覧には、目を通しているんだけど。あまりにも、学ぶことが多すぎて、まだ覚え切れていない――。
ナギサちゃんの講義が、一段落したところで、
「今回の『蒼海祭』は、毎日いくの? 私は全然オッケーだけど」
二人に予定をきいてみる。
前回の『魔法祭』の時のような、七度参りなどはないので、毎日、行く必要はない。でも、できれば、また三人で楽しみたいなぁー。友達と一緒に回るお祭りって、最高に楽しいもんね。
「当然、毎日、回るに決まっているわ。私たち新人にとって、イベントは大事な実地研修なのだから」
「毎日、出店をまわる」
ナギサちゃんは、真剣な表情で。フィニーちゃんは、ワクワクした顔で。二人とも、違う意味で気合が入っていた。
「ちょっと、遊びじゃないのよ、遊びじゃ。ちゃんと、スケジュールも立ててあるから。効率よく回って、しっかり勉強するわよ」
ナギサちゃんは、マギコンを開くと、ササッと操作する。直後、私とフィニーちゃんのマギコンに、着信音が鳴った。
マギコンを確認すると、ファイルが送られて来ていた。開いてみると、お祭り五日分のスケジュールが、みっちりと組まれている。
人気のある出店、回る順番、イベントの解説、注意事項など、詳細に書かれていた。まるで、修学旅行のしおりみたいだ。
「うわぁー、いつの間にこんなの作ったの? めっちゃ細かいね」
「あらかじめ、日程が分かっているのだから、いくらでも作る時間はあるわよ。それに、魔法祭と違って、一定のルートを進むわけではないから。計画的に動かないと、全て回り切れないわ」
資料を見る限り、全てを回る気満々だ。本人は勉強だの研修だのと言ってるけど、やっぱり楽しみなんじゃないかな? じゃなきゃ、ここまで細かくは作らないよね。
資料をめくって五日目を見ると、私の参加するレースの、応援の予定が書かれていた。
「覚えていてくれたんだ、レースのこと。ありがとね、ナギサちゃん!」
「べ……別に、後学のためよ。お客様を案内する機会も、あるかもしれないし」
言いながらナギサちゃんは、顔を背けた。
いやー、分かりやすいなぁ。ナギサちゃんは、図星を突かれると、視線を逸らしたり、顔を背ける癖があるからだ。相変わらず厳しいし、トゲトゲしてるところも有るけど、さりげない優しさや思いやりは忘れない。
「私、ナギサちゃん達のためにも、頑張って優勝するからね!」
「何で、私たちのためなのよ?」
「だって、十万ベルの商品券もらえるんだよ。優勝したら、みんなで美味しいもの食べようね」
「おぉー、おいしいもの!! 風歌、がんばれ!」
フィニーちゃんの目が、キラリと輝いた。私の優勝より、明らかに食べ物が目当てっぽいけど。でも、応援してくれるのは、純粋に嬉しい。
「まったく――二人とも打算的ね。レースだって、大事な行事の一つなのよ。それよりも、ちゃんと、ウォーター・ドルフィンには、乗れるようになったの?」
「普通に走れる程度にはね。毎日、練習は行ってるんだけど、圧倒的に練習時間が足りてないんだぁ。私の場合、エア・ドルフィンの登場経験も少ないから、どうしても魔力制御には差がでちゃうよね……」
機体の操縦法は、数日あれば、十分マスターできる。しかし、魔力制御は、一朝一夕で、どうにかなるものでは無かった。特に、魔力の概念がなかった世界で生まれ育った私には、物凄く難しい。
「この世界に住んでいる人間に比べれば、経験不足は、しょうがないわよ。皆、子供のころから、乗っているのだから」
ちなみに、子供用の『セーフ・ドルフィン』という乗り物もある。地面から数センチしか浮かず、スピードも歩く程度だが、魔力制御で動くのは同じだ。向こうの世界だと、三輪車とか足こぎ自動車みたいな感じかな。
あと、十二歳になると、エア・ドルフィンの『セミ・ライセンス』が取れる。セミ・ライセンスで乗れるのは、高度やスピードに制限の付いた『ミニ・ドルフィン』まで。十五歳になると、正式なライセンスが取得できる。
つまり、この世界の人は皆、子供のころから『魔力制御』をしているのだ。特に、将来、空の仕事に就きたい人は、物心ついたころから練習施設に通っているらしい。
練習施設の敷地内で、指導員が同伴だと、ノーライセンスでも、エア・ドルフィンに乗ることが可能なんだって。
「足りない分は、運動神経で何とかするつもり。あと、昔から、本番には強いからね」
「あまり、張り切り過ぎないようにしなさいよ。ケガでもしたら、元も子もないのだから」
ナギサちゃんは、本当に心配症だ。というか、うちの母親と、ほとんど台詞が同じなんだよね……。
「大丈夫、大丈夫。レースとはいえ、お祭りの一環なんだし、命を懸けてまでやるつもりはないから。楽しく走ってくるよ」
「なら、いいのだけど」
でも、実際のところ、かなりガチで頑張っている。もちろん、賞品も物凄く欲しいけど、私はかなりの負けず嫌いなので。
ナギサちゃんみたいに、露骨に表には出さないけど、スポーツ系は絶対に負けたくない。なので、心の中では、メラメラと熱い炎が燃えているのだった。
今の私には何もない。しいて言うなら、ちょっと体力と運動神経に自信があるぐらいだ。だからこそ、こういう機会に活躍しないと、意味がない。勉強や知識じゃ、ナギサちゃんには、遠く及ばないからね。
よしっ、元陸上部魂で頑張りまっしょい!
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる