私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~

春風一

文字の大きさ
71 / 363
第2部 母と娘の関係

4-5聖女にはなれないけど明るく元気なシルフィードになろう

しおりを挟む
 夜、静まり返った屋根裏部屋で、私は真剣に勉強中だった。古びた机の前に座布団を置いて、正座しながら、空中モニターをジッと凝視する。今日は昇級試験の内容ではなく、一般常識の勉強だ。

 ナギサちゃんには、いつも言われているけど、私はこの世界の常識がなさ過ぎる。こっちに来て、数ヶ月だから、正直、子供並みの知識しかないんだよね。

 全く違う世界ではなく、似てる部分も多いので、生活に支障はなかった。でも、たまに、ぽっかり抜けている知識と直面する。マリアさんの件が、まさにそれだ。

 この町の誰もが知っている、超有名人かつ、シルフィードの大先輩。にもかかわらず、ただの店員さんだと勘違いしていた。これは、さすがに勉強不足だったと、深く反省している。

 自分が無知なだけなら、まだ構わない。でも、大先輩に、礼儀を失する態度だったのが、実に痛かった。マリアさんが、とても寛容な人だったから、良かったけど……。

 そんな訳で、今夜は『聖なる光』セイクリッドライトのマリアさんについて、徹底的に勉強することにした。

 スピでちょっと検索するだけで、大量の情報が出て来て、いかに凄い人なのか、すぐに分かった。また、至るところに『聖女』という言葉が使われていた。

 過去の経歴を調べてみると、彼女は元々孤児だったらしい。赤ん坊のころ、教会の前に捨てられており、アルテナ教会の孤児院で育てられた。

 そのため、物心つく前から、神の教えを受け、清廉潔白に育って行った。幼いころから、毎日、礼拝を欠かさず、奉仕活動にも参加していた。

 シルフィードになったあとも、シスターの仕事は続けており、平日は会社でお客様に奉仕し、休日はボランティアで奉仕する。彼女は、自分のプライベートな時間を、ほとんど取っていなかったのだ。

 そのため、今までの人生の全てを、奉仕活動にささげている。さらに、シルフィード時代、お給料のほぼ全額を、孤児院に寄付していた。

 中でも、最も驚いたのが『次期グランド・エンプレスに、最も近い位置にいるシルフィード』と言われていたことだった。

 なので、彼女が引退を表明した際は、大変な騒ぎになったらしい。『もし、目の病を患わなければ、確実にグランド・エンプレスになっていた』と、多くの人が評している。

 次期グランド・エンプレス候補とまで言われた人なのだから、教会の理事に誘われたのも、当然のことだった。

 私は調べていく過程で、次々に出て来る驚きの事実に、息をのんだ。私が想像していた凄さとは、スケールが違いすぎる。これほど偉大な人を、全く知らなかったなんて――。ナギサちゃんが、本気で怒るのも当然だ。

 私は、マギコンから目を離すと、大きく息を吐きだす。マリアさんに対して、畏敬の念が湧いたのと同時に、ショックで落ち込んできた。

 だって、どんなに頑張ったって、絶対に同じこと出来ないよ。あまりにも、人としての格が違いすぎるもん……。奉仕活動なんて、一度もしたことないし。そこまで自分を捨てて、他人のために、献身的にはなれない。

 人に喜んで貰いたい気持ちはあるけど、私はやっぱり、自分が一番、大切だ。皆が彼女を『聖女』と呼ぶ理由が、よく分かった。

「遠いなぁ――あまりにも、遠すぎるよ。こんなに凄い人を越えないと、グランド・エンプレスには、なれないのかぁ……」
 
 操縦技術さえ磨いていれば、どうにかなると思っていた、昔の浅はかな自分が恥ずかしい。

 私は脱力して、机に突っ伏した。しばらく、そのままダラーっと伸びていると、マギコンからメッセージの着信音が鳴った。もっさり動いて確認すると、ユメちゃんからだ。私はガバッと起きて、急いでELエルを起動する。

『風ちゃん、起きてる?』
『うん、起きてるよー。今ちょっと調べものしてた』

 時計を見ると、二十二時四十分。十九時ごろからやってたから、結構、長いこと調べていたようだ。

 ちなみに、ユメちゃんは夜型のせいか、この時間帯は、テンション高めなんだよね。昼の会話の時と、全然テンションが違ったりする。

『勉強してたの?』
『んー、勉強というか、一般常識レベルのことを調べてたんだ。まだまだ、この世界のこと、知らなさ過ぎて』

『こっちに来たばかりなんだから、知らないことが多いのは当然だよ。風ちゃん、凄い頑張ってるし。これから、自然に覚えていくよ』

 ユメちゃんは、いつだって私を励ましてくれる。こっちに来てから、初めてできた友達だし、彼女に支えられたお蔭で、今までやって来られたんだよね。

『まぁ、そうなんだけど。シルフィードの友達には、勉強不足だって、いつも怒られてるんだよね(汗)』
『厳しい友達だね』

『でも、言ってることは正論だし、心配してくれてるのは分かってるんだ。もうちょい、頑張らないとね』

 ナギサちゃんは、ユメちゃんとは正反対で、物凄く厳しい。褒めてくれたこと無いし、歯に衣着せぬストレートな物言いだ。なので、心にグサッと来ることも、結構あった。

 でも、凄く友達想いで、本気で心配してるから厳しいのは、私もよく理解している。優しさにも、色んな形があるってことだよね。

『やっぱり、シルフィードの人って厳しいの?』
『んー、人によるのかなぁ。優しい先輩シルフィードも多いし、ゆるく楽しくやっている人も結構いるよ。でも、上を目指す人は、かなり厳しい感じかな』

 志が高く真剣なほど、厳しくなるものだよね。楽しくやってるだけの人と、本気で上を目指す人は、気構えが全く違う。

『風ちゃんも、上を目指してるんだよね? 確かグランド・エンプレスになるって』
『そのつもり……だったんだけどね。色々と知れば知るほど、自信が無くなって来てしまって――』

 周りに凄い人ばかりいるから、最近、今一つ自信が持てなくなってしまった。

『えー、何で? 頑張ってよ風ちゃん! 私、風ちゃんが凄いシルフィードになるの、楽しみにしてるんだから』

『ありがとう、ユメちゃん。もちろん、これからも上を目指して、最高のシルフィードになるつもりだよ。私って諦めが悪いから』

 私は、とにかく諦めが悪い。気合や根性も、誰にも負けない自信がある。だからこそ、家を飛び出し、単身こっちの世界に来たんだから。

 でも、私だって落ち込む時は、ドーンと落ち込む。というか、結構、落ち込んでる回数は多い。最終的に、立ち直るからいいんだけど。こっちに来てから、上がったり下がったりが多かった。

『そっかー、なら良かった』

 いつも、心配かけてゴメンね、ユメちゃん。 

『ちなみに、ユメちゃんは『聖なる光』は知ってる?』
『うん。元シルフィード・クイーンの、マリア・リミュエールさんだよね?』

『やっぱり、知ってるよね。私、最近まで全然しらなくて……』
『この町の人なら、誰でも知ってると思うけど。でも、風ちゃんは、異世界から来たんだから、しょうがないよ。何かあったの?』

 やっぱ、誰でも知ってるぐらい、有名なんだね。それを、現役シルフィードの私が、全く知らなかったとは――。

『実は、マリアさんと一緒に、お茶したんだけど。その時まで、そんな有名人だとは知らなくて……』 
『えー、凄い!! あの光のマリアさんとお茶したの?!』

 その反応を見るだけで、どれだけ凄い人かよく分かる。芸能人レベルの有名人だもんね。

『ちょっとしたキッカケで、知り合ってね。お茶に誘ったら、快くOKしてくれたので』

『やっぱ、風ちゃん凄いよ! あんな凄い人と知り合いになって、お茶まで誘っちゃうなんて』

 いやいや、知らなかったから出来たわけで。いくら私でも、知ってたら、恐れ多くて、そんなこと出来ないよ……。そもそも、同じ会社のリリーシャさんですら、お茶に誘ったこと無いんだから。

『そんな凄い人だと知ってたら、気楽には、話せなかったよー。まして、お茶に誘うなんて――』

 本来なら、見習いの私が、気軽に声を掛けられるような相手ではないのだ。シルフィード業界って、物凄い縦社会なので。

『でも、風ちゃんらしいね。コミュ力が高いから、そういうことが出来るんだよ。いいなぁー』

『いやー、そういう問題じゃなくて、単に私が無知なだけで。一緒にいたシルフィードの友達には、あとで超怒られたもん』

 お茶会が終わり、マリアさんが帰ったあと。ナギサちゃんに、滅茶苦茶、怒られた……。

『友達には「聖なる光」が来ること、言ってなかったんだ?』
『うん、知らなかったもん。普通の一般人だと思ってた』

『あははっ、きっとお友達も驚いだろうね』
『普段は、物凄く冷静な子なんだけど、めっちゃ驚いてたよ』

 ナギサちゃんて、何でも前もって準備するタイプだから。突然の出来事に、意外と弱いんだよね。私は、何でもぶっつけ本番の性格だから、わりと平気なんだけど。

『私だって、そんな凄い人と急に会ったら、心臓止まっちゃうよ。で、どんな人だった?』

 私の場合、お茶会の時は、あまり実感がわかなくて驚かなかった。でも、家に帰ってきて調べてから、すっごく冷や汗かいた。

『とにかく、凄く優しい人って印象かな。あと全然、欲がなくて、他の人のことばかり気遣ってる感じ』

『まさに、光のマリア様だね。でも、そんな凄い人と出会えて、風歌ちゃんラッキーだね』

『凄く勉強になったし、とても尊敬できる人だと思う。でも、今めっちゃ落ち込んでるんだ』

 凄い人には、強いあこがれを持つ。それは、昔から変わらない。でも、あまりにも凄すぎる人を見ると、憧れの対象にはなり得ない。なぜなら、神のような存在で、全く手が届く気がしないからだ。

『え、何で?』
『だって、絶対、私には真似できないもん。あんなに無欲になれないし、そこまで奉仕できるかどうか』

 もちろん、お客様に喜んで貰いたいとは、心から思っている。でも、ボランティアとかやったことないし、完全に無欲にはなれないよ。いつも、昇級やお金のことばかり考えてるし。私って、割と欲深いのかも――。

『私だって、絶対に無理だよそんなの。でも、風ちゃんはシスターじゃなくて、シルフィードを目指してるんでしょ?』
『まぁ、そうだけど』

『なら、関係ないよ。風ちゃんは、風ちゃんらしいシルフィードを目指せばいいじゃん。マリアさんとは、目指すものが違うんだから』
『うーむ、私らしいって、どんなんだろ?』

 昔から、運動神経以外に取柄がないんだよね。走るのが得意って、シルフィードには関係ないし……。

『とても明るくて、元気なところかな』
『それって、シルフィードとして需要あるのかな?』
 
 明るく元気。これは、小学校のころからずっと、通知表に書かれていたことだ。でも、これって、他に褒めるところがないから、書かれてる気もするんだよね。

『あるある、超需要あるよ! だって私は、風ちゃんのファン第一号だもん。人に元気を分けてあげられるって、凄い才能だと思うよ』
『そっかー、ありがとうユメちゃん。ファンのためにも頑張らないとね』

 実際には、私のほうが、いつも元気づけられてる気がする。見習いの私を褒めてくれるのは、ユメちゃんだけだから。

『うん、頑張って。誰よりも、明るく元気なシルフィード・クイーンになってね』
『私まだ見習いだよ。流石にそれは、遠いなぁー』

 1つ上の階級に昇級するのですら、かなり大変なことだ。『シルフィード・クイーン』になるためには、いったい、あとどれだけ勉強すればいいのだろうか?

『なれるなれる。なっちゃえば、こっちのもんだよ。風ちゃんがクイーンになれば、元気なシルフィードが、基本像になるよ』

『あははっ、それはいいね。じゃあクイーンになって、シルフィード業界を、もっと元気にしちゃおうかな』
『うん、なっちゃえ、なっちゃえー!』

 こんな軽口が叩けるのは、相手がユメちゃんの時だけだ。もし、ナギサちゃんに、こんなこと言ったら『何甘いことを言ってるのよ!』と、怒られるに決まってる。でも、夢を持つのも、たまには大口叩くのも、悪いことじゃないと思う。

 私だって、現実の厳しさは知ってるけど、それだけじゃ前に進めないもん。夢があるから頑張れるんだもんね。

 その後も、ユメちゃんと、色んな世間話を続けた。たわいもない日常の話だけど、気兼ねなく何でも言えるので、心がとても軽くなった。ユメちゃんと話していると、何か学生時代に戻った気分になる。 

 いつもありがとね、ユメちゃん。私よりも凄い人たちが、上には一杯いるけど、比較したってしょうがないよね。無いものは無いんだし。これからも、私は私らしくやって行くよ。

 よし、誰よりも明るく元気なシルフィードを目指して、頑張りまっしょい!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次回――
『私が言うのも何だけど凄く変なシルフィードを見つけた』

 ほんっっっと痛々しいですねあんた!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

処理中です...