筋肉少女まりあ★マッスル 全力全開!

謎の人

文字の大きさ
上 下
66 / 70
3話 すずの鬱屈

かがみんの狙い

しおりを挟む
そして、ついにその時はやってきた
ケイ様は陛下の側に立ち、僕達みこは専用に用意された席についた
案内された席は、ホール全体が見える、舞台の特等席のような場所
何も知らされずに集められた貴族たちも、それぞれ席につき始めた
僕達がいるこの席は高いところにあって、下にいるこれから裁かれる貴族たちがあまりにもちっぽけに見える
もちろん、その中にはプラント公爵もいる
あんなに恐れてた相手なのに、こんなに小さく見えるなんて
それだけでも圧倒的優位に立つような感覚がある
でも、今はそれは錯覚では無い


「これより、貴族裁判を執り行う!」


陛下の一声で裁判は開始した
何も知らなかった貴族たちはざわつき始めたが、高所から観察すると、これから裁かれる者とそうでない者の違いがよく分かる
「何かしただろうか」と焦る貴族
「知られたのではないか」と焦る貴族
顔色は全く違った
でも、公爵は焦りも恐怖も無く堂々と座っている
知られるはずないから焦る必要が無い、と思っているのだろう
……証拠は慎重なアズが集めた物だ、大丈夫


次々と裁かれる貴族達
そのどれもが爵位の剥奪や財産の没収などを言い渡されている
そしてついに来たプラント公爵
見たところ、残ってる反王室派は公爵のみ
反王室派の最後の裁判だ

「第一王子殺害未遂、他国との違法薬物の貿易、奴隷や兵器の取引等が挙げられます!」
「お待ちください、国王陛下!私はそれら全てに覚えが一切ございません!何か、情報の間違いではありませんか?」

こいつ……白々しい!
この期に及んで涼しい顔で嘘を吐いて、本当に人間か!?
今すぐ殴り込みたい衝動を抑えて、もう少し様子を見てみる

「ふむ……確かにそうかも知れぬ。ならばこの場でもう一度、証拠となる記録魔法を再生して見ようでは無いか。のぉ?プラント元・公爵よ」
「は……記録魔法?」

そうして再生された魔法は、それはそれはひどい物だった
密輸現場の、取引相手との会話
まともな精神で聴いてられるようなものでは無かった
公爵は戦争を起こそうとしていたんだ
なるほど……僕に渡してきた猛毒も戦争の兵器の試作品だったってこと
本当に救いようが無い

映像の他にも書面や証人など、公爵は絶対に逃げられなくなった
涼しい顔に焦りが見え、惨めったらしく言い訳を並べる姿は何よりも滑稽で、爵位を剥奪されたその男は醜態を晒しながら地下牢へと連れて行かれた

あとで面会の予定だけど、急に死んだ筈の双子が圧倒的な立場で現れたらどう反応するだろうか
楽しみっちゃ楽しみだけど、顔も見たく無いって気持ちもある
そんな風に考えていると、陛下がまた動き出した

さて、神子の役目はこれからだ……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

処理中です...