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第3章 不信な隣国
第45話 毒味
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僕達がアリー王女から今回の依頼の本来の目的を聞き終えた頃、アムスポリスの国王に献上する料理が出来上がりました。
「ほほぅ。ライルよ。これ等はなんという料理なのじゃ?」
「そうですね。一言で説明しますと揚げ物ですね。
調理過程を見ていて判ると思いますが、高温に熱した油で揚げた物です。
汁物は市場で仕入れた昆布でダシをとって作ったお吸い物です」
僕は王女へ説明すると、多めに作成しておいた唐揚げを一つずつ皆へ配った。
あくまでも国王に献上する為に調理した料理なので、味見は唐揚げのみとして、厨房前で調理が終わるのを待っていた衛兵へ声を掛けると、僕達は出来上がった料理と共に国王への謁見場所へと案内された。
僕達のいた厨房を出てしばらくすると、右手の方角に大きな中庭が見えてきた。
中庭の中央では数十人の騎士見習いと思われる少年少女が、年配の騎士に剣術の手ほどきを受けている様だ。
それからしばらく歩くと、僕達は謁見の間へ続くであろう大きな扉の前へ到着した。
案内役の衛兵が門番へ僕達の事を説明すると、大声で僕等の入場を告げ、中から扉が開けられるのを確認してから、僕達は料理の乗った移動式のテーブルを押して謁見の間へ入場した。
扉の先にはファンタジーアニメ等によく見られるかなり豪華な西洋風の王の間が僕達の前に現れた。
扉から国王の玉座までは約15メートル程あり、横幅は倍の30メートル程で、6本ある大きな柱が左右に一本づつ玉座まで均一に並んで立っていて、扉から玉座まで続く真っ赤な絨毯が僕達の眼前に広がっていた。
「ライル殿。此度は我等の勝手な申し出を受け、良く来て下さいました。
国王様も噂に聞く貴方様の料理を心待ちにしておりますので、どうぞ国王様の御前までお進み下さい」
僕達が国王の間の豪華さに圧倒されていると、今回の王宮からの使者として僕へ接触してきたザイルさんが声を掛けて来た。
「ザイルさんが居てくれて助かりました。
多少は覚悟をして来たものの、見知った方が居て下さった方が少しは気が楽になります」
僕はザイルさんへ素直な気持ちを伝えると、ザイルさんに引率されて国王の前まで案内された。
「ザイルから話は聞いている。其方がライルか?」
「はい。国王様」
「余はこのアムスポリス国王アダムス7世である。
此度は噂に聞く其方の料理の味を確かめたくザイルに全てを任せたのだが、この者に無理難題を押しつけられてはいないだろうか?」
「いいえ、その様な事はありませんが、私のような若輩者の拙い料理ですが、もしお口に合わなかった場合はどうぞご容赦戴けますでしょうか?」
「私が無理を言って来て貰ったのだ。毒物の類いでなければ其方に罪は問わんよ。
尤も王宮にまで噂になる其方の料理だ。美味いに決まっておろう」
僕が国王様の傍まで料理の乗ったテーブルを進めると、ザイルさんが毒味役としてほぼ全ての皿の料理の一部を毒味して行った。
「して、ライル殿。この他の料理とは別に離れた位置に置かれた皿に盛られている料理はなんなのですか?」
ザイルさんが予め他の料理の皿とは離れて置いておいた皿の料理を指差して尋ねて来た。
「はい。この別皿に乗せてある料理には、世間では悪魔の作物(ジャガイモ)と呼ばれている食材を使用した料理ですので、他の料理とは離した皿に盛らせて戴きました。
世間では悪評高い食材を使っている料理ですので、食されるかどうかの判断はお任せ致します。無論。毒などは入っておりませんので安心してお召し上がれる事は保証致します」
僕の説明を聞いたザイルさんは、国王へ判断を委ねると、国王が了解の意を示す様に頷いた事を確認してから最後の皿の料理を食し、全ての料理の毒味が無事に終わった。
「ほほぅ。ライルよ。これ等はなんという料理なのじゃ?」
「そうですね。一言で説明しますと揚げ物ですね。
調理過程を見ていて判ると思いますが、高温に熱した油で揚げた物です。
汁物は市場で仕入れた昆布でダシをとって作ったお吸い物です」
僕は王女へ説明すると、多めに作成しておいた唐揚げを一つずつ皆へ配った。
あくまでも国王に献上する為に調理した料理なので、味見は唐揚げのみとして、厨房前で調理が終わるのを待っていた衛兵へ声を掛けると、僕達は出来上がった料理と共に国王への謁見場所へと案内された。
僕達のいた厨房を出てしばらくすると、右手の方角に大きな中庭が見えてきた。
中庭の中央では数十人の騎士見習いと思われる少年少女が、年配の騎士に剣術の手ほどきを受けている様だ。
それからしばらく歩くと、僕達は謁見の間へ続くであろう大きな扉の前へ到着した。
案内役の衛兵が門番へ僕達の事を説明すると、大声で僕等の入場を告げ、中から扉が開けられるのを確認してから、僕達は料理の乗った移動式のテーブルを押して謁見の間へ入場した。
扉の先にはファンタジーアニメ等によく見られるかなり豪華な西洋風の王の間が僕達の前に現れた。
扉から国王の玉座までは約15メートル程あり、横幅は倍の30メートル程で、6本ある大きな柱が左右に一本づつ玉座まで均一に並んで立っていて、扉から玉座まで続く真っ赤な絨毯が僕達の眼前に広がっていた。
「ライル殿。此度は我等の勝手な申し出を受け、良く来て下さいました。
国王様も噂に聞く貴方様の料理を心待ちにしておりますので、どうぞ国王様の御前までお進み下さい」
僕達が国王の間の豪華さに圧倒されていると、今回の王宮からの使者として僕へ接触してきたザイルさんが声を掛けて来た。
「ザイルさんが居てくれて助かりました。
多少は覚悟をして来たものの、見知った方が居て下さった方が少しは気が楽になります」
僕はザイルさんへ素直な気持ちを伝えると、ザイルさんに引率されて国王の前まで案内された。
「ザイルから話は聞いている。其方がライルか?」
「はい。国王様」
「余はこのアムスポリス国王アダムス7世である。
此度は噂に聞く其方の料理の味を確かめたくザイルに全てを任せたのだが、この者に無理難題を押しつけられてはいないだろうか?」
「いいえ、その様な事はありませんが、私のような若輩者の拙い料理ですが、もしお口に合わなかった場合はどうぞご容赦戴けますでしょうか?」
「私が無理を言って来て貰ったのだ。毒物の類いでなければ其方に罪は問わんよ。
尤も王宮にまで噂になる其方の料理だ。美味いに決まっておろう」
僕が国王様の傍まで料理の乗ったテーブルを進めると、ザイルさんが毒味役としてほぼ全ての皿の料理の一部を毒味して行った。
「して、ライル殿。この他の料理とは別に離れた位置に置かれた皿に盛られている料理はなんなのですか?」
ザイルさんが予め他の料理の皿とは離れて置いておいた皿の料理を指差して尋ねて来た。
「はい。この別皿に乗せてある料理には、世間では悪魔の作物(ジャガイモ)と呼ばれている食材を使用した料理ですので、他の料理とは離した皿に盛らせて戴きました。
世間では悪評高い食材を使っている料理ですので、食されるかどうかの判断はお任せ致します。無論。毒などは入っておりませんので安心してお召し上がれる事は保証致します」
僕の説明を聞いたザイルさんは、国王へ判断を委ねると、国王が了解の意を示す様に頷いた事を確認してから最後の皿の料理を食し、全ての料理の毒味が無事に終わった。
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