112 / 134
おまけのお話 皆でおひる!
お昼ごはんだよ!
しおりを挟むちゃちゃん、ちゃらん、ららん♪
チャイムだ――!
お昼だよー!
両手を挙げて立ちあがる俺に、魔法学基礎の講義していたテチが、白い歯を剥いて怒る。
「こらぁ! まだ授業は終わってないぞー!」
「闇黒反対!
おひるおひる!
せんせーも、休憩時間短くなっちゃうよ」
拳を掲げて、ぷくりと膨れたら、テチはちょっと赤くなって頷いた。
「そ、そうか。
ならこれで授業は終わりとする。
皆、しっかり復習と予習をしておくように。
特にリユィはがんばれ!」
「名指し酷い!」
掲げた拳を振ったら、クラスの皆がちょっと赤くなって、トエは肩をふるわせて笑った。
「学食行く?」
首を傾げるトエの銀の髪がさらさら揺れて、俺はこっくり頷いた。
「今日こそ俺は、オムライスを食う!!」
拳を掲げる俺に、クラスの皆がぷるぷるして笑ってる。
教室を出ようと教材を持ったテチまでぷるぷるしてる!
皆、オムライスの素晴らしさを解ってないんじゃ?
あま美味なケチャップ染み染みのチキンライスを、とろーり卵がたっぷり包み、
更にそのうえに掛かる追いケチャップの輝かしさ!
♡とか描いても可愛いよ。
メッセージまで描けるオムライス。
愛まで伝わるオムライス!
ディーにつくってあげたいなあ♡♡♡
によによしたら、トエに肩を叩かれた。
「何考えてるか、丸わかり」
「えへへへへ♡」
照れて笑う俺に、瓶底眼鏡の向こうのトエの頬がちょっと赤くなる。
「……リユィって、こんな可愛かった……?」
ちいさな声は、俺の耳に届く前に、学食へ向かう生徒たちの喧騒に紛れた。
「はやく行こ――!」
跳びあがる俺の目は、きっと♡だ。
卵とかトマトとかアレルギーで蕁麻疹が出るようになっちゃったから、前世では
食べられなくなっちゃって、しょんぼりだったけど、俺は生まれ変わった!!
たぶんまだ、あれるぎーじゃないはず!
この世界というより、魔族にアレルギーなさそう。
ありがとう、かあちゃん、親父!
食べられない人は、しょんぼりでごめんね。
生まれ変わったら、俺と一緒に食べられるようになるかもだからね!
今でも、お話のなかでは、俺と一緒に食べられるからね!
スキップする俺に、肩をふるわせたトエが、ちょっと赤い頬で並んでくれる。
「リユィと一緒にいると、羞恥心の閾値が上がるよね」
「ちょっとむつかしい」
眉を下げた俺に、トエの唇はやわらかに弧を描いた。
「いい子いい子」
俺の頭をなでなでしてくれるトエの手は、やさしい。
「……脳みそのしわ、なさそう?」
「リユィはかわいーなって」
くすくすトエが笑う後ろで、金の髪がさらさら揺れた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はじめましての方、いつも見てくださる方、心からありがとうございます!
くまくま様のリクエストで、皆でお昼ごはんです!
応援ありがとうございます!
67
お気に入りに追加
1,741
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる