71 / 75
アンデッドの国
運命の選択肢その2
しおりを挟む
俺はなんでこんな質問をしてしまったのか分からない。
そんなの理由は一つに決まっているだろうに。
「それは、貴方の事を愛しているからです。このまま学生同士の関係で終わりたくないと、思ったんです。学校だけでの関係だけではなく、プライベートとしての関係も欲しい、そう思ったんです」
彼女の目を見れば分かる。この言葉には誰にも打ち明けられない覚悟があると。
その覚悟に対して俺はどうやって向き合えば良いんだろうか。
だいたい、既に社会人の生活を終えているのに学生の関係なんて分からない。
⋯⋯社会人?
「そうですか。⋯⋯それに対して、俺は断らないといけません」
「⋯⋯ッ! 覚悟はしておりました。貴方は自分と居ても、一度も笑ってくれませんでしたから。ただ、どうして断らないといけないのか、お聞きしてもよろしいですか?」
質問か。
「俺には感情と呼べるモノが欠けています。ここで貴女の告白を受け入れてしまったら、悲しむのは貴女です。ですから、お断りする以外に選択肢はないのです」
「そうですか」
相手は頭を下げて目を瞑り、考え込む様に静かになる。
その姿が誰かと重なって見えるが⋯⋯今は関係ない。
彼女の回答を俺はただ静かに待った。
そして、先程よりも綺麗で真っ直ぐな瞳を俺に向ける。
揺るぎないその瞳は強くなった彼女にそっくりだ。
誰だ?
「なら、貴方に自分が感情を与えます」
「と、言うと?」
「貴方に自分を好きになって貰います。全力で。こんな想いは初めて感じたんです。貴方の事を考えると、心臓の音が速くなって、頭が熱く真っ白になって、ずっと貴方の事ばかり考えてしまう。この想いを、貴方に分かって貰えるようにします。⋯⋯ですので、入試が終わったら、お付き合いお願いします!」
この時の答えはなんだろうか。
あっさり断ってしまったら失礼だし、受け入れるのもまた変な話だ。
「いえ。それでも、傷ついてしまうのは貴女です。俺はそれが嫌だ。俺みたいな何も無い人間に時間を割くなら、勉強した方が有意義だよ」
そう言って屋上を去ろうのしたら、後ろから抱き着いて止めて来た。
「離してください」
「離しません。最後まで聞いてください!」
背中に伝わる胸の感触が懐かしさを俺に与える。
凄く、それを認識すると『苛立ち』が沸いて来る。
このままではただ彼女に対して憎悪を燃やすだけになってしまう。
「自分は貴方と一緒に時間を使いたい。貴方の為に使うのではなく、貴方と一緒に自分の為に時間を使いたい。無駄なんて思わない、言わせない。自分は自分の道を見て貰いたい、です」
やっている事が大胆だと気づいたのか、途中から恥ずかしがっていた。
でも、はっきりとそう言われた。
「貴女はそれでも良いの? 後悔はしないの? 貴女の告白を俺が受け入れても」
「もちろんです。後悔するようならしません。入試が終わったら、自由登校で、また会えるかも分からない。そもそもクラスも別、部活も別なんですから」
「⋯⋯なんでそんな俺を」
「それは恥ずかしいので秘密です」
「はは。面白いね」
俺は人生で初めて笑った。
そして放課後、俺は鬼龍院さんと一緒に帰る事とした。
校門で待っていると、皆の視線が一箇所に集まってざわめく。
金髪を靡かせて優雅にやって来る女性がそこに入る。
「なんだろう。耳が短い気がする」
「え? 自分の耳はずっとコレなんですけど」
「あ、いや。なんでもない。帰ろうか」
「はい!」
屈託のない満面の笑みに少しだけ心がざわついた気がする。
俺達は横に並んで家に向かっている。
「あの、その、晴れて恋人同士になったので、ニックネームで呼び合いませんか?」
「⋯⋯えと、俺はまだ鬼龍院さんって呼びたいと思うかな?」
「そうですか」
悲しそうに凹む。
これは良くないと思ったので、妥協案を提示する事にした。
「えっと、俺は苦手なので、鬼龍院さんがニックネームで呼びたいと思うならそれでも構いませんよ。⋯⋯出来ればゼラが良いです」
なんでゼラだと言うのか、不思議に思う彼女。
確かに俺とはなんの縁がないだろう『ゼラ』と言う名前。
そもそもゼラとはそのままの意味なのか?
分からないけど、何故かそれにこだわっている節が俺にある。
「えっと、ゼラだとあまり合わないですよね? ⋯⋯虚なんてどうですか?」
「ウツロ?」
「はい。今は虚です。虚無の虚。貴方が自分の事を何もないと思うのならですけど。酷いですかね?」
「少しだけ告白の件、怒ってます?」
「えへへ。ちょっとだけ、ね。でも、嫌なら良いんですよ」
「大丈夫です。それで」
「ありがとうございます。虚からいずれ、変わりましょうね!」
なんか称号的なニックネームだな、そんな事を思いながら歩いていると背後からダッシュして来る人が居る。
突撃されそうだったので横にステップして回避した。
「お! 拓海が躱すなんて珍しいね! と言うか、一人で帰るとか酷いぞー!」
「あー言い忘れてた」
そして俺はマナの隣にいる鬼龍院さんに目を向ける。
「この度俺を恋人にした奇特な方、鬼龍院さんです」
「どうも」
「そしてこちらは元陸上部でエースだった幼馴染、マナです」
「⋯⋯恋人?」
マナがこの世の地獄でも見ているかのような顔なる。
そして一歩、また一歩と後ろに下がる。
「嘘でしょ? 拓海が? なんで?」
告白された事よりも、それを受け入れた事に驚いている様子だった。
確かに、俺の事誰よりも理解しているマナなら驚くかもしれない。
「なんでも何も、そう言う訳なんだ」
「そんな。嘘でしょ。⋯⋯はは。そうか。そっかー。無理なのか、はは。⋯⋯ごめんね拓海、先に帰る!」
走って帰ってしまう。
ただ、彼女が去った後の空中に水滴が浮かんでいた。
「⋯⋯拓海さん? 虚くん? は、マナさんの事をどう思ってますか?」
「幼馴染」
「なら良かったです。でも、フォローしてあげてください。彼女の気持ち、分かるので」
「勿論」
そして翌日の登校。
両親の顔を久しぶりに見た気がする。
マナは昨日の件もあるだろうし、一緒に登校しないと思っていた。
しかし、いつものように俺に話しかけて来る。作り笑いを浮かべ。
「おはよう」
「おはよう」
「ね、拓海はさ、彼女さんの事、好きなの?」
「多分、なんとも思ってない」
「なのに、なんで受けたの?」
「そう、懇願されたから」
そう言うと、唇を噛み締めるマナ。
次から出す言葉が凄く震えていた。
「ならさ、マナが懇願したら、拓海は受け入れてくれた?」
「⋯⋯それは、多分ないな」
「だよね。そうだよね」
彼女の顔に少しだけ『怒り』が灯った。
目が狂ったように回転して俺を捉えようとはしなかった。
「マナはね、ずっと拓海の事好きだったんだよ。気づいてないでしょ? 余裕だって思ってた、拓海を誰よりも理解していて誰も拓海に興味ないって思ってた。⋯⋯でも、そうじゃなかった。マナは全然拓海の事を理解していなかった!」
自虐気味に叫び散らす。
「マナのパパさ、社長じゃん? でもさ、今不景気でピンチらしいんだよ。それでさ、大手の御曹司と結婚が決まってるんだ。許嫁だよ? びっくりだよね!」
「ああ」
俺の方に向かって来て、顔を胸元に中に埋めて来る。
そしてドン、ドンと拳を強く握って叩く。
自分の思いを俺に届けるかのように。嗚咽と共に涙を流す。
「嫌だよ。マナはずっと拓海と一緒に居たかった、でもそれは君には伝わらない。待ってたらこうなった、酷いザマだよね。拓海ならって、思った罰かな?」
「そんな事ないよ」
「⋯⋯拓海、マナを殺して」
震える声で、そう言って来た。
「どうして?」
「好きでもない相手のモノになるくらいなら、好きな人の手で、この体のままでこの想いのままで、終わりたいから」
彼女の涙に埋まった目からは迷いがなかった。
彼女が本気で俺に助けを求めて来た。
「リーシア」
「え?」
「いや」
俺は何故か分からないけど、マナを抱きしめていた。
こんなの浮気と言われても仕方ない光景だろう。
だけど、彼女を落ち着かせるにはこうするしかない。
「俺はお前を助ける、お前を守る。どれだけ拒絶されようとも、救うと決めたら絶対にやる」
「拓海? 本当に、君は拓海?」
「俺は俺だ。マナを守るし鬼龍院さんも守る。だから安心しろ、絶対にお前を悲しませない」
「現在進行形で悲しんでるよ」
かくして、俺はこの生活を『受け入れた』。
そんなの理由は一つに決まっているだろうに。
「それは、貴方の事を愛しているからです。このまま学生同士の関係で終わりたくないと、思ったんです。学校だけでの関係だけではなく、プライベートとしての関係も欲しい、そう思ったんです」
彼女の目を見れば分かる。この言葉には誰にも打ち明けられない覚悟があると。
その覚悟に対して俺はどうやって向き合えば良いんだろうか。
だいたい、既に社会人の生活を終えているのに学生の関係なんて分からない。
⋯⋯社会人?
「そうですか。⋯⋯それに対して、俺は断らないといけません」
「⋯⋯ッ! 覚悟はしておりました。貴方は自分と居ても、一度も笑ってくれませんでしたから。ただ、どうして断らないといけないのか、お聞きしてもよろしいですか?」
質問か。
「俺には感情と呼べるモノが欠けています。ここで貴女の告白を受け入れてしまったら、悲しむのは貴女です。ですから、お断りする以外に選択肢はないのです」
「そうですか」
相手は頭を下げて目を瞑り、考え込む様に静かになる。
その姿が誰かと重なって見えるが⋯⋯今は関係ない。
彼女の回答を俺はただ静かに待った。
そして、先程よりも綺麗で真っ直ぐな瞳を俺に向ける。
揺るぎないその瞳は強くなった彼女にそっくりだ。
誰だ?
「なら、貴方に自分が感情を与えます」
「と、言うと?」
「貴方に自分を好きになって貰います。全力で。こんな想いは初めて感じたんです。貴方の事を考えると、心臓の音が速くなって、頭が熱く真っ白になって、ずっと貴方の事ばかり考えてしまう。この想いを、貴方に分かって貰えるようにします。⋯⋯ですので、入試が終わったら、お付き合いお願いします!」
この時の答えはなんだろうか。
あっさり断ってしまったら失礼だし、受け入れるのもまた変な話だ。
「いえ。それでも、傷ついてしまうのは貴女です。俺はそれが嫌だ。俺みたいな何も無い人間に時間を割くなら、勉強した方が有意義だよ」
そう言って屋上を去ろうのしたら、後ろから抱き着いて止めて来た。
「離してください」
「離しません。最後まで聞いてください!」
背中に伝わる胸の感触が懐かしさを俺に与える。
凄く、それを認識すると『苛立ち』が沸いて来る。
このままではただ彼女に対して憎悪を燃やすだけになってしまう。
「自分は貴方と一緒に時間を使いたい。貴方の為に使うのではなく、貴方と一緒に自分の為に時間を使いたい。無駄なんて思わない、言わせない。自分は自分の道を見て貰いたい、です」
やっている事が大胆だと気づいたのか、途中から恥ずかしがっていた。
でも、はっきりとそう言われた。
「貴女はそれでも良いの? 後悔はしないの? 貴女の告白を俺が受け入れても」
「もちろんです。後悔するようならしません。入試が終わったら、自由登校で、また会えるかも分からない。そもそもクラスも別、部活も別なんですから」
「⋯⋯なんでそんな俺を」
「それは恥ずかしいので秘密です」
「はは。面白いね」
俺は人生で初めて笑った。
そして放課後、俺は鬼龍院さんと一緒に帰る事とした。
校門で待っていると、皆の視線が一箇所に集まってざわめく。
金髪を靡かせて優雅にやって来る女性がそこに入る。
「なんだろう。耳が短い気がする」
「え? 自分の耳はずっとコレなんですけど」
「あ、いや。なんでもない。帰ろうか」
「はい!」
屈託のない満面の笑みに少しだけ心がざわついた気がする。
俺達は横に並んで家に向かっている。
「あの、その、晴れて恋人同士になったので、ニックネームで呼び合いませんか?」
「⋯⋯えと、俺はまだ鬼龍院さんって呼びたいと思うかな?」
「そうですか」
悲しそうに凹む。
これは良くないと思ったので、妥協案を提示する事にした。
「えっと、俺は苦手なので、鬼龍院さんがニックネームで呼びたいと思うならそれでも構いませんよ。⋯⋯出来ればゼラが良いです」
なんでゼラだと言うのか、不思議に思う彼女。
確かに俺とはなんの縁がないだろう『ゼラ』と言う名前。
そもそもゼラとはそのままの意味なのか?
分からないけど、何故かそれにこだわっている節が俺にある。
「えっと、ゼラだとあまり合わないですよね? ⋯⋯虚なんてどうですか?」
「ウツロ?」
「はい。今は虚です。虚無の虚。貴方が自分の事を何もないと思うのならですけど。酷いですかね?」
「少しだけ告白の件、怒ってます?」
「えへへ。ちょっとだけ、ね。でも、嫌なら良いんですよ」
「大丈夫です。それで」
「ありがとうございます。虚からいずれ、変わりましょうね!」
なんか称号的なニックネームだな、そんな事を思いながら歩いていると背後からダッシュして来る人が居る。
突撃されそうだったので横にステップして回避した。
「お! 拓海が躱すなんて珍しいね! と言うか、一人で帰るとか酷いぞー!」
「あー言い忘れてた」
そして俺はマナの隣にいる鬼龍院さんに目を向ける。
「この度俺を恋人にした奇特な方、鬼龍院さんです」
「どうも」
「そしてこちらは元陸上部でエースだった幼馴染、マナです」
「⋯⋯恋人?」
マナがこの世の地獄でも見ているかのような顔なる。
そして一歩、また一歩と後ろに下がる。
「嘘でしょ? 拓海が? なんで?」
告白された事よりも、それを受け入れた事に驚いている様子だった。
確かに、俺の事誰よりも理解しているマナなら驚くかもしれない。
「なんでも何も、そう言う訳なんだ」
「そんな。嘘でしょ。⋯⋯はは。そうか。そっかー。無理なのか、はは。⋯⋯ごめんね拓海、先に帰る!」
走って帰ってしまう。
ただ、彼女が去った後の空中に水滴が浮かんでいた。
「⋯⋯拓海さん? 虚くん? は、マナさんの事をどう思ってますか?」
「幼馴染」
「なら良かったです。でも、フォローしてあげてください。彼女の気持ち、分かるので」
「勿論」
そして翌日の登校。
両親の顔を久しぶりに見た気がする。
マナは昨日の件もあるだろうし、一緒に登校しないと思っていた。
しかし、いつものように俺に話しかけて来る。作り笑いを浮かべ。
「おはよう」
「おはよう」
「ね、拓海はさ、彼女さんの事、好きなの?」
「多分、なんとも思ってない」
「なのに、なんで受けたの?」
「そう、懇願されたから」
そう言うと、唇を噛み締めるマナ。
次から出す言葉が凄く震えていた。
「ならさ、マナが懇願したら、拓海は受け入れてくれた?」
「⋯⋯それは、多分ないな」
「だよね。そうだよね」
彼女の顔に少しだけ『怒り』が灯った。
目が狂ったように回転して俺を捉えようとはしなかった。
「マナはね、ずっと拓海の事好きだったんだよ。気づいてないでしょ? 余裕だって思ってた、拓海を誰よりも理解していて誰も拓海に興味ないって思ってた。⋯⋯でも、そうじゃなかった。マナは全然拓海の事を理解していなかった!」
自虐気味に叫び散らす。
「マナのパパさ、社長じゃん? でもさ、今不景気でピンチらしいんだよ。それでさ、大手の御曹司と結婚が決まってるんだ。許嫁だよ? びっくりだよね!」
「ああ」
俺の方に向かって来て、顔を胸元に中に埋めて来る。
そしてドン、ドンと拳を強く握って叩く。
自分の思いを俺に届けるかのように。嗚咽と共に涙を流す。
「嫌だよ。マナはずっと拓海と一緒に居たかった、でもそれは君には伝わらない。待ってたらこうなった、酷いザマだよね。拓海ならって、思った罰かな?」
「そんな事ないよ」
「⋯⋯拓海、マナを殺して」
震える声で、そう言って来た。
「どうして?」
「好きでもない相手のモノになるくらいなら、好きな人の手で、この体のままでこの想いのままで、終わりたいから」
彼女の涙に埋まった目からは迷いがなかった。
彼女が本気で俺に助けを求めて来た。
「リーシア」
「え?」
「いや」
俺は何故か分からないけど、マナを抱きしめていた。
こんなの浮気と言われても仕方ない光景だろう。
だけど、彼女を落ち着かせるにはこうするしかない。
「俺はお前を助ける、お前を守る。どれだけ拒絶されようとも、救うと決めたら絶対にやる」
「拓海? 本当に、君は拓海?」
「俺は俺だ。マナを守るし鬼龍院さんも守る。だから安心しろ、絶対にお前を悲しませない」
「現在進行形で悲しんでるよ」
かくして、俺はこの生活を『受け入れた』。
0
あなたにおすすめの小説
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる