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二章 能力専門学校
33話 モンスター赤谷再戦
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テレビで自由の女神のダンジョンが活性化したニュースがあり、そこに皐月達が映っていた。
何も聞かされてないので、少しびっくりしたが、秋の指示だと思うので、俺は特に聞くことはしなかった。
そして、情報を得て俺は加藤並高校の跡地に来ている。
周囲から見えないように成っているが、内部には人どころか物すら無かった。
未だに復興作業が行われておらず、広い空間だけがそこにはある。
「さて、金栗二号に会いに行きますか」
地面にスペルカードを六枚ほど等間隔で設置する。
高く跳んで効果範囲から逃れて発動する。
「発動」
スペルカードが発光して激しい爆発を生み出す。
土は吹き飛びクレーターを生み出す。
クレーターの下には鉄版のような物が姿を表す。
「弱めの爆発ではビクともしないよね」
紫蘭を取り出して、鉄版に向かって切込みを入れる。
人が通る事の出来る隙間を無理矢理作り出す。
本当ならちゃんとした入口を通りたいが、場所が分からないので仕方がない。
中は同じような素材で全体が構築され、土は一切見えなかった。
右と左に道が進んでいる。
銀色の空間で目の前の壁は俺をきちんと反射していた。
「どっちに進もうかな?」
右か左か、いや、ここは前に進もう。
紫蘭を構えて、振り下ろす。
紫色の剣筋を残し、壁を切り裂いて通れる道を作り出す。
だが、壁を斬って見えたのは土だった。
「奥に空間ないのかよ」
仕方ないので、右の方向を猛ダッシュで進む事にした。
特に人やモンスターと出くわす事無く、開けた空間に出た。
正解のようだ。
奥には自動ドアのような物が見れる。
その前には赤をベースにした色のモンスター達がゾロゾロと居る。
その中心には懐かしの顔ぶれが居る。
「赤谷⋯⋯」
『よぉ、雨宮。今日は最っ初から全力で行くぜ』
牛のような顔にでかい角、羊のような胴体に二足歩行で足は虎のようなチーターのような。武器はチェンソーであった。
前には女も居たが、そいつは端っこの方で槍を構えていた。
他にも動物のような見た目で二足歩行、様々な武器を構えていた。
サブマシンガンやマシンガンなどの銃火器も持っている。
さーて、殺りますか。
「スペルカード⋯⋯」
『殺れ』
それが始まりの合図となり、一斉に射撃される。
中には魔法も打って来る奴も居る。
グレネードランチャーもあるようで、科学的な爆発も起こっている。
俺が最初に使っていたのは周囲を守るスペルカード。
そして、今取り出したのは周囲を炎の海に変えるカードだ。
「バーニング・海、発動!」
スペルカードの目の前に大きな魔法陣が出現し、一帯を埋め尽くす紅蓮の炎が吹き出る。
「スペルカード、重力増加!」
さらに、周囲の重力を倍にさせる。
これで弱いモンスターから地に伏せ、炎に焼かれて行く。
モンスターの断末魔を聞きながら、炎の中を駆ける。
何時もの服のお陰で暑さも炎も問題ないのだが、気分的にちょっと怖いよね。
だって炎の中を突っ走るんだよ? 普通に怖いわ。
「やっぱ赤谷は居るよな! スペルカード、サイコシール!」
相手をその場に閉じ込めて動きを封じるスペルカード。
今回の金栗二号捕獲用に用意したスペルカードだ。
かなり強力だ。
結界で封じ込め、英霊の鎖と呼ばれる魔法の鎖で動きを拘束し力も弱め、重力増加で体に永続的に負荷を掛ける。
『くだらぬ!』
しかし、赤谷はそれを力尽くでぶち破る。
予想通りと言うかなんと言うかSSSクラスのモンスターだ。
俺以外にも何人かSSSクラスの管理者が居るらしい。
だが、表に出てないって感じ。
チェンソーを回転させて振り下ろして来る。
紫蘭を横にして防ぐが、チェンソーの回転率がバカみたいで、火花の勢いがライターから火が出る感じの勢いに成っている。
途切れがないのだ。
金属を削るようなキンキンと高音質の音がひたすらに鼓膜を攻撃する。
しかも、赤谷自身の力も強く、結構押される。
『真っ二つに成れや!』
「成るかよ!」
力を込めてチェンソーを弾く。
後ろに体勢を崩した赤谷に向けて横薙ぎで紫蘭を振るう。
後ろにバク転する様に避け、俺は背後からグレネードの爆発に襲われる。
跳躍して、コートをひらりと動かして煙を退かすと、目の前に赤と青と黄の魔法が襲って来ていた。
「スペルカード、ドラゴンブレス!」
スペルカードが輝き、魔法陣を形成、そこからレーザーが放射され、魔法を呑み込みモンスターを包み込んで倒して行く。
一回転して着地する。
『オオオオオ!』
「言語能力失われたのか?」
前に刺して来た女が槍を突き放って来る。
それを横にスライドステップで避け、左足をスナップに勢いを乗せて回転し、紫蘭を振るう。
槍の鉄心で防がれ、反撃と言わんばかりに蹴りを使って来るので左腕で防ぐ。
後ろに吹き飛ばされ、足に力を入れて滑ってから止まる。
「お前、槍が主武器だったのか?」
『オオオオオ!』
投げ槍で放って来るので、跳躍して避けると、俺の横に赤谷が並んでチェンソーを振るって来る。
こいつの力とチェンソーはえぐい。
「スペルカード転移発動!」
一瞬で女の背後に転移する。
それに気づいた女は咆哮するが、それが終わった頃には首が床に転がっている。
「さっさと攻撃するんだったな」
ま、槍が無いし仕方ないかもだが。
前方に大きく跳んで赤谷の落下攻撃を避ける。
床が抉られていた。
やっぱりチェンソーが厄介だ。あれからは危険な気配がビンビン感じる。
それだけ強い力を秘めている。
赤谷の能力? 異能? がチェンソーと噛み合い過ぎるんだよ。
回転を掛ける能力で回転率を上げているんだろうし。
それでいて赤谷自身の技術が低いかと言われたらそうでも無いし。
他のモンスターは銃をリロードしている。
赤谷の攻撃は片手では防げない。
躱す事が可能なので出来るだけ躱す。
『死ねぇ!』
「叫んで攻撃すると大抵当たらないよね」
斜めに振るわれたチェンソーを避け、スペルカードを取り出す。
「スペルカード、パンデミックオメガ、発動」
ウイルスのガイスと共に作り上げたスペルカード。
この魔法は強力だ。まず、このような密閉空間でしか使っては成らない。
正確には開けた場所では使う事はダメ。
何故なら、ウイルスをばら撒く魔法だからだ。
ウイルスに耐性が無い及び抵抗出来なかった場合、そいつは内蔵が急速に腐り絶命する。
弱い奴即ち即死である。
炎に耐えた奴でも内臓まで丈夫じゃないだろ。
これはモンスターにも有効なのだ。内部から腐るのでな。
『ギギ』『うぅ』
モンスターが苦しみ出す。
当然と言わんばかりにチェンソーを動かしている赤谷は仁王立ちしている。
他のモンスターは次々に倒れて行く。
赤谷レベルのモンスターは居ないようだな。
「これで一騎打ちだな」
『⋯⋯殺す』
「お前に殺されてたまるか。こっちはまだ、やる事が山ほどあるんでね!」
何も聞かされてないので、少しびっくりしたが、秋の指示だと思うので、俺は特に聞くことはしなかった。
そして、情報を得て俺は加藤並高校の跡地に来ている。
周囲から見えないように成っているが、内部には人どころか物すら無かった。
未だに復興作業が行われておらず、広い空間だけがそこにはある。
「さて、金栗二号に会いに行きますか」
地面にスペルカードを六枚ほど等間隔で設置する。
高く跳んで効果範囲から逃れて発動する。
「発動」
スペルカードが発光して激しい爆発を生み出す。
土は吹き飛びクレーターを生み出す。
クレーターの下には鉄版のような物が姿を表す。
「弱めの爆発ではビクともしないよね」
紫蘭を取り出して、鉄版に向かって切込みを入れる。
人が通る事の出来る隙間を無理矢理作り出す。
本当ならちゃんとした入口を通りたいが、場所が分からないので仕方がない。
中は同じような素材で全体が構築され、土は一切見えなかった。
右と左に道が進んでいる。
銀色の空間で目の前の壁は俺をきちんと反射していた。
「どっちに進もうかな?」
右か左か、いや、ここは前に進もう。
紫蘭を構えて、振り下ろす。
紫色の剣筋を残し、壁を切り裂いて通れる道を作り出す。
だが、壁を斬って見えたのは土だった。
「奥に空間ないのかよ」
仕方ないので、右の方向を猛ダッシュで進む事にした。
特に人やモンスターと出くわす事無く、開けた空間に出た。
正解のようだ。
奥には自動ドアのような物が見れる。
その前には赤をベースにした色のモンスター達がゾロゾロと居る。
その中心には懐かしの顔ぶれが居る。
「赤谷⋯⋯」
『よぉ、雨宮。今日は最っ初から全力で行くぜ』
牛のような顔にでかい角、羊のような胴体に二足歩行で足は虎のようなチーターのような。武器はチェンソーであった。
前には女も居たが、そいつは端っこの方で槍を構えていた。
他にも動物のような見た目で二足歩行、様々な武器を構えていた。
サブマシンガンやマシンガンなどの銃火器も持っている。
さーて、殺りますか。
「スペルカード⋯⋯」
『殺れ』
それが始まりの合図となり、一斉に射撃される。
中には魔法も打って来る奴も居る。
グレネードランチャーもあるようで、科学的な爆発も起こっている。
俺が最初に使っていたのは周囲を守るスペルカード。
そして、今取り出したのは周囲を炎の海に変えるカードだ。
「バーニング・海、発動!」
スペルカードの目の前に大きな魔法陣が出現し、一帯を埋め尽くす紅蓮の炎が吹き出る。
「スペルカード、重力増加!」
さらに、周囲の重力を倍にさせる。
これで弱いモンスターから地に伏せ、炎に焼かれて行く。
モンスターの断末魔を聞きながら、炎の中を駆ける。
何時もの服のお陰で暑さも炎も問題ないのだが、気分的にちょっと怖いよね。
だって炎の中を突っ走るんだよ? 普通に怖いわ。
「やっぱ赤谷は居るよな! スペルカード、サイコシール!」
相手をその場に閉じ込めて動きを封じるスペルカード。
今回の金栗二号捕獲用に用意したスペルカードだ。
かなり強力だ。
結界で封じ込め、英霊の鎖と呼ばれる魔法の鎖で動きを拘束し力も弱め、重力増加で体に永続的に負荷を掛ける。
『くだらぬ!』
しかし、赤谷はそれを力尽くでぶち破る。
予想通りと言うかなんと言うかSSSクラスのモンスターだ。
俺以外にも何人かSSSクラスの管理者が居るらしい。
だが、表に出てないって感じ。
チェンソーを回転させて振り下ろして来る。
紫蘭を横にして防ぐが、チェンソーの回転率がバカみたいで、火花の勢いがライターから火が出る感じの勢いに成っている。
途切れがないのだ。
金属を削るようなキンキンと高音質の音がひたすらに鼓膜を攻撃する。
しかも、赤谷自身の力も強く、結構押される。
『真っ二つに成れや!』
「成るかよ!」
力を込めてチェンソーを弾く。
後ろに体勢を崩した赤谷に向けて横薙ぎで紫蘭を振るう。
後ろにバク転する様に避け、俺は背後からグレネードの爆発に襲われる。
跳躍して、コートをひらりと動かして煙を退かすと、目の前に赤と青と黄の魔法が襲って来ていた。
「スペルカード、ドラゴンブレス!」
スペルカードが輝き、魔法陣を形成、そこからレーザーが放射され、魔法を呑み込みモンスターを包み込んで倒して行く。
一回転して着地する。
『オオオオオ!』
「言語能力失われたのか?」
前に刺して来た女が槍を突き放って来る。
それを横にスライドステップで避け、左足をスナップに勢いを乗せて回転し、紫蘭を振るう。
槍の鉄心で防がれ、反撃と言わんばかりに蹴りを使って来るので左腕で防ぐ。
後ろに吹き飛ばされ、足に力を入れて滑ってから止まる。
「お前、槍が主武器だったのか?」
『オオオオオ!』
投げ槍で放って来るので、跳躍して避けると、俺の横に赤谷が並んでチェンソーを振るって来る。
こいつの力とチェンソーはえぐい。
「スペルカード転移発動!」
一瞬で女の背後に転移する。
それに気づいた女は咆哮するが、それが終わった頃には首が床に転がっている。
「さっさと攻撃するんだったな」
ま、槍が無いし仕方ないかもだが。
前方に大きく跳んで赤谷の落下攻撃を避ける。
床が抉られていた。
やっぱりチェンソーが厄介だ。あれからは危険な気配がビンビン感じる。
それだけ強い力を秘めている。
赤谷の能力? 異能? がチェンソーと噛み合い過ぎるんだよ。
回転を掛ける能力で回転率を上げているんだろうし。
それでいて赤谷自身の技術が低いかと言われたらそうでも無いし。
他のモンスターは銃をリロードしている。
赤谷の攻撃は片手では防げない。
躱す事が可能なので出来るだけ躱す。
『死ねぇ!』
「叫んで攻撃すると大抵当たらないよね」
斜めに振るわれたチェンソーを避け、スペルカードを取り出す。
「スペルカード、パンデミックオメガ、発動」
ウイルスのガイスと共に作り上げたスペルカード。
この魔法は強力だ。まず、このような密閉空間でしか使っては成らない。
正確には開けた場所では使う事はダメ。
何故なら、ウイルスをばら撒く魔法だからだ。
ウイルスに耐性が無い及び抵抗出来なかった場合、そいつは内蔵が急速に腐り絶命する。
弱い奴即ち即死である。
炎に耐えた奴でも内臓まで丈夫じゃないだろ。
これはモンスターにも有効なのだ。内部から腐るのでな。
『ギギ』『うぅ』
モンスターが苦しみ出す。
当然と言わんばかりにチェンソーを動かしている赤谷は仁王立ちしている。
他のモンスターは次々に倒れて行く。
赤谷レベルのモンスターは居ないようだな。
「これで一騎打ちだな」
『⋯⋯殺す』
「お前に殺されてたまるか。こっちはまだ、やる事が山ほどあるんでね!」
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