能力者とダンジョンがありふれた世界の最高位迷宮管理者〜ようこそ神が救いし世界へ

ネリムZ

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二章 能力専門学校

6話 新たな先生

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「緑谷さん。どうします? 青グループは最近裏で動いているようですけど」

「そうだなぁ。まぁ、ここで平和ボケした能力者集めても、僕には勝てないだろうから放置で良いよ」

 緑谷みどりや、緑グループのまとめ役であり、青界と同じ高校三年で、現在では加藤並最強の男と呼ばれていた。

 制服はかなり自由性があり、グループに寄って色を変えていた。

「そろそろ高校を一纏めにしようとしていた所で学校を壊すんだから、困ったもんだよ」

「青グループの奴らでは俺らには勝てませんからね!」

「違うだろ、僕、に勝てないんだろ?」

「そうですね」

「緑谷先輩~今夜も⋯⋯」

 後輩女子の口を抑える。

「今夜は無理だ。そろそろ綺麗な教室が欲しい。かなり人数も減って来たし、そろそろ乗り換える時期だろ」

 緑グループは青グループに化け、現在お邪魔している高校の生徒達に暴行し、登校拒否に追い込んでいた。

 加藤並の生徒に与えられた教室は普段使わない教室。

 不真面目な生徒達は掃除をサボり、埃っぽいままである。

 そこで、さっさと綺麗な教室に移動しようと考えていた。

「さて、行くか」

 ◇

 近くの街中に珍しくモンスターが出現し、すぐに切り刻まれたと言うニュースがあった。そこにはサシャも映っていた

 後処理がされておらず、現在その付近は通行止めされている。

 そして、そんなモンスターを倒したのがサシャの妹と成っている。姉妹個体ではあるが、血縁でもなんでもない。

『ワイの妹は表に出るのを嫌ってましてねぇ! いや~すみませぬ!』

『たった一日で様々な所で目撃情報がありますが、どのような手段で移動しているんですか?』

『もう、そこはシュバって!』

『⋯⋯どんなアビリティなんですか?』

 モンスターにはアビリティはない。能力はあるが。

 意味が少し違うだけで、本質は同じだ。言葉的な意味は同じだけど。

『えっと、太炎操移動サンシャイン・コントローラー⋯⋯です』

 政府にアイテムを渡して交渉し、サシャの戸籍は作っている。

 アビリティなどの設定もきちんと作っている。

『どこでアビリティの使い方を学んだんですか?』

『あ、えと、えっとですね』

 ⋯⋯まずい。そこ、決めてなくね? そもそもどこで学んだとか聞く?

 一日で相当数のモンスターでも狩ったのか?

『め、迷宮都市です!』

『へ?』

 は?

『迷宮都市は皆さんの思っている様な場所ではございません。ホームレス、犯罪者などなど、何故迎え入れるのか、頭イカれたてんじゃないのか、そう思っていることでしょう。今でもダンジョンを嫌っている人もいるでしょう。迷宮都市にいるのは冒険や戦闘に飢えているアドベンチャーラーが基本。ですが、一般人でも安心して住める、観光だけでも良いんです。迷宮症候群は迷宮都市のダンジョンのせいではありません。確かに、世間を騒がせたのかもしれません。ですが、被害は、外に被害は出てないと、そう言いきれます。なので、誤解しないで欲しいです。そして、私は迷宮都市で強く成りました』

『あーえー』

 テレビの中の人達が混乱しているのがよく分かる。俺はテレビを切った。

 掃除の方はアビリティを使えばすぐに解決するだろう。

 アビリティがあるのに、すぐに解決しないのは加藤並の校舎の復活だ。

 それは、担当の建設会社を調べたら分かった。サボっていた。

 どうしてそうなったのかは、いまいち分からないようだ。

「はぁ~体育祭、どうなんだよ」

 テストが終わったらすぐに体育祭の準備だ。

 ◆

「ミツルですか? 情報のまとめなら先程頂きましたよ」

「いえ、秋さん。その、最近手の届く範囲が狭く成りまして」

「【バルス】ですか?」

「そう、かもしれません。あそこの事はなかなか情報が掴めませんからね。迷宮都市の影響で警察達も活発になって、余計に収集能力が下がってます。あいつら、モンスターの気配が少しでもあったら、普通の動物でも殺すんですよ? やばいっすわ」

「大変ね。気をつけるようにしてね」

「当たり前ですよ。アレのような事はもう起きないと誓います。それでは。ほんと、気をつけてくださいね。我々の収集情報は完璧ではありませんから」

「分かってますよ」

「それと、少しは休んでくださいね」

「はい。心得ております」

 秋は書類仕事に目を向け、ミツルは見えないが、きっとその顔は何かを言いたげな顔をしているだろう。

 モンスター個々の事を知る事の出来る秋にはミツルが何を言いたいのか分かっていた。

「大丈夫です。あと、二ヶ月したら、落ち着きます。そしたら一休みしますよ」

「ブラック労働ってレベルじゃないですよ。少しは部下に仕事を回したらどうですか?」

「ご心配ありがとうございます。ですが、これは私の仕事ですから。きちんと部下にも仕事を回してますよ。これらは私が担当しないといけないモノ。今後も数は増えるでしょうけどね」

「⋯⋯」

「大丈夫です。自分の体は自分が一番分かってますから。適度な休息は取ります」

「それでは、失礼します」

「はい」

 ◆

「千秋」

「なに?」

「部活最近行ってないけど、良いの?」

「あぁ、それが部室が占拠されてね。そもそも、他の部員が学校に来てないから部活なんてないんだよ。一人でやるもんじゃないし、顧問も最近見ないしね」

「俺らの学校も物騒に成ったな」

 一週間が経ち、最近では嫌な噂を聞く。

 ホームルームになり、ドアが開いて中に入って来たのは、小学生だった。

 いや、見た目が小学生ってだけで服装はスーツでビシッと決めている風だった。

 体格のせいで、どうしても笑いそうになる。

「はい。皆さん初めまして。君らの担任が入院の為、臨時として当分担任を任された。先生を見て小学生と思った人は一人くらいは居るだろう。⋯⋯私の名前は坂月希美。こんな見た目だ。気安くきーちゃんとでも呼ぶといい。それでは出席を⋯⋯8人しか居ないのか。大変だな」

 もう学級閉鎖に成ってしまえ。

 そう思う、未だに学校に来るのは俺含めた真面目な八人。

 そこに、再びドアが開いた。

「どもー⋯⋯早速だが、教室交代だ。ガキ、どけ」

 緑髪の男が堂々と入って来て、如何にも雑魚って見た目の男が叫びながら緑髪の男の道を空けていた。

「あなた達、自分の教室に戻りなさい。そもそも校舎を、教室を貸しているだけでも感謝しなさい」

「なんだガキ?」

「おい待て」

「はい緑谷さん!」

「そこの、教師ですよね? すみませんね突然」

「なんのようですか」

「いえ。この教室は人数も少なくなり、こっちの教室には人数が多い、なので、交代しませんか?」

「教室ごとのサイズは変わりません。あなた方の校則は知りませんが、無駄な物を持ち込みすぎなのでは?」

「て、テメェ! 緑谷さんに対して!」

「下がれ。いえ、ただ僕達は綺麗な教室が欲しくてですね」

「ならば掃除をしたらどうですか? 戦闘に向いたアビリティしかないのなら、魔法系アビリティの風を使える人に、吹き飛ばして貰えば良いでしょう。自分達の教室に戻りなさい」

 先生、カッコイイ。カッコイイけど、なんだろうか。とても様に成ってない。

 ギャグって言われても信じてしまう、そんな感じだ。

 頑張れ、坂月先生!
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