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鉄の蜥蜴
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竜亭所に到着し、熱き龍のメンバーと別れた。
別れ際にきちんと挨拶はする。
「それじゃあな」
「ああ」
魔法士が前に出て来て、魔法について少しだけ述べてくれる。
「初期から使える魔法だけに頼っちゃダメだよ。色んな魔法陣を見て、色んな魔法に触れて。君達は魔法がメインじゃないから良いと思うけどね」
「いや、そうするよ。それじゃ」
「ありがとうね!」
そして、俺達は離れた。熱き龍は冒険者ギルドに向かい報酬を受け取るらしい。
俺達はまず宿を探そうと思う。
門に近い宿を見つけたので、そこに入る。
「カンカンうるさい」
「馴れるしかないさ」
ここら辺はどこからもカンカンと金属を叩く音が聞こえる。
それでここがどの様な国か語っている様なモノである。
「泊まりたいのですが」
店主と思われる人に近づいてそう言う。
こちらを一瞥して、紙を取り出して来る。
「どのプランにするべ?」
「えっとですね。食事付きを一部屋、取り敢えず一週間で」
「あいな。銀貨三枚掛ける七で銀貨二十一枚頂戴するべよ」
懐の小袋から銀貨二十一枚取り出してカウンターに置く。
店主は男で、サナを下から上、そして顔を凝視する。
サナは小首を傾げる。そして、店主は俺の耳元でこう言う。
「防音は完璧だべ」
「俺達は兄妹だ」
「⋯⋯またまた」
「事実だよ!」
それを証明しろと言われても難しいけどな!
「そう言う事にしとくべ」
この店主⋯⋯。
部屋の鍵を貰い、向かう。
部屋に入り荷物を整理してから備え付けの椅子に座る。
「お兄ちゃんなんの話してたの?」
「気にするな」
「分かった」
「素直だな」
それから一休みしてから冒険者ギルドに向かう。
そろそろ依頼か何かしようかと思ったのだ。
だが、白星で受けられる依頼なんて無かった。
なので、魔物の情報掲示板の方に向かい見る事にした。
「近くで行ける範囲だと、あれが一番高いな」
「アイアントカゲ? 行く?」
「行くか」
そして、俺達は『鉄の洞窟』と言う所に向かった。
鉄の鉱脈の一つで、現在は使われてないらしい。もっと大きい鉱脈があるみたいだ。
基本的に冒険者が来る。
「壁に張り付いて風景と同化するらしいから、しっかり警戒しろよ」
「あいあいさー」
気の抜けた返事を受けながら、俺は背中の剣を抜いた。
正面を見ても特に何かが動いた訳でも見える訳でも無い。
だが、そこに居るのだ。だいたい天井近くの右の壁。
「姿は見えて無くても、気配がダダ漏れなんだよ!」
「お兄ちゃんが訓練で良く言われた言葉だ!」
「るっせ」
光の剣に魔力を込める。
白い光の奔流が剣に纏わり着く。
その光を退ける様に強く気配がする場所に振るう。
光は剣から離れて一本の斬撃と成って気配のする方へ洞窟を照らしながら飛来する。
何か硬いものに当たった様に弾かれ、光は霧散する。
ドスン、と壁は剥がれて迷彩を解除した鉄の塊と見間違える姿のトカゲが姿を表した。
「サナ」
「分かってるよ」
サナは数歩大きくステップして後ろに下がる。
トカゲは攻撃して来た相手を俺だと確信して、ドサドサと迫って来る。
トカゲの基本的な攻撃は噛み付き、尻尾の薙ぎ払い、突進と踏み付けと言う単純な肉弾戦だけだ。
突進して来るのを剣をクロスさせて塞ぐ。
流石は魔物。
その力は簡単には止められず、後ろに押されて行く。
手と足に力を込めながら必死に耐える。
魔力を制御して手とかに集中させれたら良いのだが、生憎とそこまでの技量に俺達は達してない。
「今だ!」
動きが収まった瞬間に叫び、サナは駆ける。
風の様に軽く舞い、壁を走りそのまま天井を走る。
トカゲの真上に来たら天井を蹴って落下する。
左手は鞘に、右手は刀に。
力を込めて運動エネルギーを増やして行く。
「抜刀術・剣舞『輪』!」
刀を抜くのに合わせて魔力が流れ、風の奔流を作り出す。
そのまま回転するように切り裂き、俺から見て、風の円が完成していた。
その魔道具を利用した力技に寄ってトカゲの首を綺麗に斬った。
「いえーい!」
「ナイスサナ」
ハイタッチして、俺達はトカゲの死体を一つに纏めようとするが、トカゲが集まって来ていた。
俺が先に駆け、一匹の動きを阻害して頭を上に弾く。
その隙を突いてサナがすぐさま肉薄し、風の斬撃を残す速度で切り裂き首を落とした。
魔力をある程度流さないと斬る事は不可能であり、連続で倒す事は出来ない。
そんなサナを狙ってトカゲが噛み付き攻撃をして来るが、サナはそれを刀を使って口を開けた状態でキープさせる。
その隙を狙い、俺はトカゲの横へと移動して魔力を流していた光の剣で首を攻撃する。
抜刀術は刀を抜き出す時にしか使えない剣術で、その一撃は重い。
それに対してただ勢いを付けた斬撃だけでは首を両断する事は出来ず、すぐさま足のスナップを利用して回転し、闇の斬撃で攻撃して首を落とした。
互いに防御と攻撃を繰り返して行く内に気づいた。流石に数が多すぎると。
そして、いずれ物量に押される事は容易に想像可能だった。
「魔力回廊接続、土の回廊、フェンスオブグラウンド!」
サナが地面に刀を突き刺して魔法を発動して地面を上げて壁とする。
便利な魔法である。この様な洞窟では相手と自分達を遮断出来るのでとても重宝する。
「お兄ちゃん⋯⋯」
「どったの?」
「あいつら、土を食べて移動している。すぐに来るよ!」
「まぁ、鉱石が主食だし、そうだろうな。⋯⋯ある程度の死骸を集めたらトンズラするぞ! 荷物をまとめろおおおお!」
「おおおおおお!」
速攻で出来る準備だけを済ませて洞窟から脱出する。死骸は外部に持てる物以外は腕輪に収納した。
そのまま運び、冒険者ギルドへと足を運んで買取をお願いした。
「⋯⋯すみません。先程魔物情報掲示板の方でお見かけした覚えがありまして⋯⋯これはその後に倒したんですか?」
「はい」
「短時間で六体? そんな群れを成す魔物では無いと思うのですが⋯⋯」
「何故か沢山来たんです。途中で逃げて来ました」
サナも肩を落としている。敵から背を向けて逃げる事が悔しかったのだろう。
俺にはそんな感覚は無い。既に森で魔物から逃げている。
「そんな事が? これらの魔物は寄り強い鉱石を求めます。もしかして⋯⋯鉄よりも希少な素材で作った武器か防具でも使ったんですか? だとしても、聞いた話の量では⋯⋯何か良くない事でも起こっているのでしょうか」
そこで、俺は熱き龍達との会話を思い出す。
オリハルコン⋯⋯もしかしたら、俺達のネックレスがそれを引き起こした可能性がある。
もうすぐ夜なので、俺達は冒険者ギルドから報酬を貰い、そして今回の狩りで成績が一定に達したので灰星へと昇格して、晩御飯を求めに街を散策する事に決めた。
別れ際にきちんと挨拶はする。
「それじゃあな」
「ああ」
魔法士が前に出て来て、魔法について少しだけ述べてくれる。
「初期から使える魔法だけに頼っちゃダメだよ。色んな魔法陣を見て、色んな魔法に触れて。君達は魔法がメインじゃないから良いと思うけどね」
「いや、そうするよ。それじゃ」
「ありがとうね!」
そして、俺達は離れた。熱き龍は冒険者ギルドに向かい報酬を受け取るらしい。
俺達はまず宿を探そうと思う。
門に近い宿を見つけたので、そこに入る。
「カンカンうるさい」
「馴れるしかないさ」
ここら辺はどこからもカンカンと金属を叩く音が聞こえる。
それでここがどの様な国か語っている様なモノである。
「泊まりたいのですが」
店主と思われる人に近づいてそう言う。
こちらを一瞥して、紙を取り出して来る。
「どのプランにするべ?」
「えっとですね。食事付きを一部屋、取り敢えず一週間で」
「あいな。銀貨三枚掛ける七で銀貨二十一枚頂戴するべよ」
懐の小袋から銀貨二十一枚取り出してカウンターに置く。
店主は男で、サナを下から上、そして顔を凝視する。
サナは小首を傾げる。そして、店主は俺の耳元でこう言う。
「防音は完璧だべ」
「俺達は兄妹だ」
「⋯⋯またまた」
「事実だよ!」
それを証明しろと言われても難しいけどな!
「そう言う事にしとくべ」
この店主⋯⋯。
部屋の鍵を貰い、向かう。
部屋に入り荷物を整理してから備え付けの椅子に座る。
「お兄ちゃんなんの話してたの?」
「気にするな」
「分かった」
「素直だな」
それから一休みしてから冒険者ギルドに向かう。
そろそろ依頼か何かしようかと思ったのだ。
だが、白星で受けられる依頼なんて無かった。
なので、魔物の情報掲示板の方に向かい見る事にした。
「近くで行ける範囲だと、あれが一番高いな」
「アイアントカゲ? 行く?」
「行くか」
そして、俺達は『鉄の洞窟』と言う所に向かった。
鉄の鉱脈の一つで、現在は使われてないらしい。もっと大きい鉱脈があるみたいだ。
基本的に冒険者が来る。
「壁に張り付いて風景と同化するらしいから、しっかり警戒しろよ」
「あいあいさー」
気の抜けた返事を受けながら、俺は背中の剣を抜いた。
正面を見ても特に何かが動いた訳でも見える訳でも無い。
だが、そこに居るのだ。だいたい天井近くの右の壁。
「姿は見えて無くても、気配がダダ漏れなんだよ!」
「お兄ちゃんが訓練で良く言われた言葉だ!」
「るっせ」
光の剣に魔力を込める。
白い光の奔流が剣に纏わり着く。
その光を退ける様に強く気配がする場所に振るう。
光は剣から離れて一本の斬撃と成って気配のする方へ洞窟を照らしながら飛来する。
何か硬いものに当たった様に弾かれ、光は霧散する。
ドスン、と壁は剥がれて迷彩を解除した鉄の塊と見間違える姿のトカゲが姿を表した。
「サナ」
「分かってるよ」
サナは数歩大きくステップして後ろに下がる。
トカゲは攻撃して来た相手を俺だと確信して、ドサドサと迫って来る。
トカゲの基本的な攻撃は噛み付き、尻尾の薙ぎ払い、突進と踏み付けと言う単純な肉弾戦だけだ。
突進して来るのを剣をクロスさせて塞ぐ。
流石は魔物。
その力は簡単には止められず、後ろに押されて行く。
手と足に力を込めながら必死に耐える。
魔力を制御して手とかに集中させれたら良いのだが、生憎とそこまでの技量に俺達は達してない。
「今だ!」
動きが収まった瞬間に叫び、サナは駆ける。
風の様に軽く舞い、壁を走りそのまま天井を走る。
トカゲの真上に来たら天井を蹴って落下する。
左手は鞘に、右手は刀に。
力を込めて運動エネルギーを増やして行く。
「抜刀術・剣舞『輪』!」
刀を抜くのに合わせて魔力が流れ、風の奔流を作り出す。
そのまま回転するように切り裂き、俺から見て、風の円が完成していた。
その魔道具を利用した力技に寄ってトカゲの首を綺麗に斬った。
「いえーい!」
「ナイスサナ」
ハイタッチして、俺達はトカゲの死体を一つに纏めようとするが、トカゲが集まって来ていた。
俺が先に駆け、一匹の動きを阻害して頭を上に弾く。
その隙を突いてサナがすぐさま肉薄し、風の斬撃を残す速度で切り裂き首を落とした。
魔力をある程度流さないと斬る事は不可能であり、連続で倒す事は出来ない。
そんなサナを狙ってトカゲが噛み付き攻撃をして来るが、サナはそれを刀を使って口を開けた状態でキープさせる。
その隙を狙い、俺はトカゲの横へと移動して魔力を流していた光の剣で首を攻撃する。
抜刀術は刀を抜き出す時にしか使えない剣術で、その一撃は重い。
それに対してただ勢いを付けた斬撃だけでは首を両断する事は出来ず、すぐさま足のスナップを利用して回転し、闇の斬撃で攻撃して首を落とした。
互いに防御と攻撃を繰り返して行く内に気づいた。流石に数が多すぎると。
そして、いずれ物量に押される事は容易に想像可能だった。
「魔力回廊接続、土の回廊、フェンスオブグラウンド!」
サナが地面に刀を突き刺して魔法を発動して地面を上げて壁とする。
便利な魔法である。この様な洞窟では相手と自分達を遮断出来るのでとても重宝する。
「お兄ちゃん⋯⋯」
「どったの?」
「あいつら、土を食べて移動している。すぐに来るよ!」
「まぁ、鉱石が主食だし、そうだろうな。⋯⋯ある程度の死骸を集めたらトンズラするぞ! 荷物をまとめろおおおお!」
「おおおおおお!」
速攻で出来る準備だけを済ませて洞窟から脱出する。死骸は外部に持てる物以外は腕輪に収納した。
そのまま運び、冒険者ギルドへと足を運んで買取をお願いした。
「⋯⋯すみません。先程魔物情報掲示板の方でお見かけした覚えがありまして⋯⋯これはその後に倒したんですか?」
「はい」
「短時間で六体? そんな群れを成す魔物では無いと思うのですが⋯⋯」
「何故か沢山来たんです。途中で逃げて来ました」
サナも肩を落としている。敵から背を向けて逃げる事が悔しかったのだろう。
俺にはそんな感覚は無い。既に森で魔物から逃げている。
「そんな事が? これらの魔物は寄り強い鉱石を求めます。もしかして⋯⋯鉄よりも希少な素材で作った武器か防具でも使ったんですか? だとしても、聞いた話の量では⋯⋯何か良くない事でも起こっているのでしょうか」
そこで、俺は熱き龍達との会話を思い出す。
オリハルコン⋯⋯もしかしたら、俺達のネックレスがそれを引き起こした可能性がある。
もうすぐ夜なので、俺達は冒険者ギルドから報酬を貰い、そして今回の狩りで成績が一定に達したので灰星へと昇格して、晩御飯を求めに街を散策する事に決めた。
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