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天空魔人グール
17 ドアオープン
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開けられたドアから光が入ってきました。
明るい光はやさしく柔らかく、カオルがいる天空の世界にひろがっていきます。
「カオル、よく頑張ってくれましたね」
優しい手が伸びてきて、カオルを抱いてくれました。カオルが顔をあげて、抱いてくれている者を見ることができました。
笑いかけている顔。それは、美の女神ビーナスだったのです。
「ビーナスさん、石化から戻ることができたんですね」
思わず、カオルは涙で目をうるませてしまいました。
「サラやみなさんのおかげよ。今度は恩返しをしないとね」
ビーナスは、カオルを立ち上がらせると右手をあげました。すると、その場にいた者たちは、一斉に美の女神ビーナスを見つめ出したのです。
美の女神を前にしては、ほんとうの美しさや魅力がなんであるのか、誰もが気づき出しました。やがて、グールになんの魅力も感じなくなっていたのです。
いまはカオルも何も感じずにグールを見つめることができます。
ただの魔人と化したグールは叫んでいました。
「者ども、こいつらを殺してしまえ」
兵士たちがビーナスとカオルに襲いかかろうとした時です。
開かれたドアから、レイモンドとクニッパ国の騎士たちが現れたのでした。レイモンドたちは、ビーナスを守るように前に立ち剣を抜いて兵たちと戦いを始めました。
カオルはバッグから金貨を出して足元にならべ念をかけると、金貨はグールに向かって飛んで行きました。金貨はグールの額や頬に突き刺さり傷をつけていました。
「こしゃくなまねを」
怒りに顔を赤くしたグールは歩き出し、直接女の子や男の子をつかんで食べ出したのです。自分の体についた傷や消えた魅力を取り戻すためでした。たしかに、子供を食べるたびに、魔人は元のような魅力が戻り出し顔の傷も消えていきました。
「お前は、魔法を使える女の子だったとはな。そんな子を食べれば、一気に体に力をつけられる」
グールはニヤリと笑い、カオルを捕まえて食べようと手を伸ばしてきたのです。カオルの危機を察したレイモンドは、カオルのそばに駆けより、神剣をふってグールに切りつけました。
レイモンドの一撃はグールの肩から胸に大きな切り傷を作り、血を噴き出させたのです。
大きな傷をおったグールは、今度はレイモンドに襲いかかっていきました。
すると、ビーナスはゆっくりと魔人の方に向かって歩き出したのです。ビーナスの歩いた周りにはたくさんの美しい花たちが咲き出しています。
「偽りの仮面をかぶり続けることはできないわ」
ビーナスがグールに向かって両手をあげると、花たちはグールの上に覆いかぶさっていったのです。
グールは叫び声をあげながら、もがいていましたが、やがて押しよせる花々の中に消えて行ってしまいました。
やがてカオルが作ったドアが少し前よりも大きく開かれると、幸せの女神ハッピーが入ってきました。
「おまたせしましたね」
ハッピーの後ろに車輪のついたワーゴンが犬のようについてきます。そしてワーゴンの上にはたくさんの衣服がつまれていました。
「いつもの姿に戻らなければね」と言って、ハッピーはワーゴンとともに城の中を歩きまわり、近づいてきた男の子と女の子は好きな服を選んでいました。
豚やカバのように太って大きくなっていた子供も、選んだ服を着ると、普通の子供の体形に戻っていたのです。
でも、ハッピーが、どうして男の子の服には、半ズボン、チョッキと赤い蝶ネクタイを選んだのか、また女の子の服はフリルがついたチューリップのように膨らんだスカートを置いていたのか、カオルにも分かりませんでした。
明るい光はやさしく柔らかく、カオルがいる天空の世界にひろがっていきます。
「カオル、よく頑張ってくれましたね」
優しい手が伸びてきて、カオルを抱いてくれました。カオルが顔をあげて、抱いてくれている者を見ることができました。
笑いかけている顔。それは、美の女神ビーナスだったのです。
「ビーナスさん、石化から戻ることができたんですね」
思わず、カオルは涙で目をうるませてしまいました。
「サラやみなさんのおかげよ。今度は恩返しをしないとね」
ビーナスは、カオルを立ち上がらせると右手をあげました。すると、その場にいた者たちは、一斉に美の女神ビーナスを見つめ出したのです。
美の女神を前にしては、ほんとうの美しさや魅力がなんであるのか、誰もが気づき出しました。やがて、グールになんの魅力も感じなくなっていたのです。
いまはカオルも何も感じずにグールを見つめることができます。
ただの魔人と化したグールは叫んでいました。
「者ども、こいつらを殺してしまえ」
兵士たちがビーナスとカオルに襲いかかろうとした時です。
開かれたドアから、レイモンドとクニッパ国の騎士たちが現れたのでした。レイモンドたちは、ビーナスを守るように前に立ち剣を抜いて兵たちと戦いを始めました。
カオルはバッグから金貨を出して足元にならべ念をかけると、金貨はグールに向かって飛んで行きました。金貨はグールの額や頬に突き刺さり傷をつけていました。
「こしゃくなまねを」
怒りに顔を赤くしたグールは歩き出し、直接女の子や男の子をつかんで食べ出したのです。自分の体についた傷や消えた魅力を取り戻すためでした。たしかに、子供を食べるたびに、魔人は元のような魅力が戻り出し顔の傷も消えていきました。
「お前は、魔法を使える女の子だったとはな。そんな子を食べれば、一気に体に力をつけられる」
グールはニヤリと笑い、カオルを捕まえて食べようと手を伸ばしてきたのです。カオルの危機を察したレイモンドは、カオルのそばに駆けより、神剣をふってグールに切りつけました。
レイモンドの一撃はグールの肩から胸に大きな切り傷を作り、血を噴き出させたのです。
大きな傷をおったグールは、今度はレイモンドに襲いかかっていきました。
すると、ビーナスはゆっくりと魔人の方に向かって歩き出したのです。ビーナスの歩いた周りにはたくさんの美しい花たちが咲き出しています。
「偽りの仮面をかぶり続けることはできないわ」
ビーナスがグールに向かって両手をあげると、花たちはグールの上に覆いかぶさっていったのです。
グールは叫び声をあげながら、もがいていましたが、やがて押しよせる花々の中に消えて行ってしまいました。
やがてカオルが作ったドアが少し前よりも大きく開かれると、幸せの女神ハッピーが入ってきました。
「おまたせしましたね」
ハッピーの後ろに車輪のついたワーゴンが犬のようについてきます。そしてワーゴンの上にはたくさんの衣服がつまれていました。
「いつもの姿に戻らなければね」と言って、ハッピーはワーゴンとともに城の中を歩きまわり、近づいてきた男の子と女の子は好きな服を選んでいました。
豚やカバのように太って大きくなっていた子供も、選んだ服を着ると、普通の子供の体形に戻っていたのです。
でも、ハッピーが、どうして男の子の服には、半ズボン、チョッキと赤い蝶ネクタイを選んだのか、また女の子の服はフリルがついたチューリップのように膨らんだスカートを置いていたのか、カオルにも分かりませんでした。
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