11 / 200
第2話・翼をください
【あの日にかえりたい】
しおりを挟む
時は、5月16日の午後3時頃であった。
ところ変わって、JR南小倉駅の正面玄関にて…
ショルダーバッグを持って列車を降りた私は、入口付近で足を止めたあとジーンズのポケットの中から1枚のメモ用紙を取り出した。
メモ用紙には、地図が記されていた。
5月15日の夜、旦過市場《たんがいちば》にある居酒屋《のみや》で出会った森上《もりあげ》さん(もとは西成《かま》で暮らしていた住人《おっちゃん》)のクチで小倉北区の木町《きまち》にあるイタメシ屋ヘ向かおうとしていた。
私は、メモ用紙に記されている道順をたどって目的地ヘ向かった。
ところ変わって、木町《きまち》にあるイタメシ屋にて…
イタメシ屋の建物は、おっちゃんが言うた通りのゴージャスな建物であった。
おとぎ話に出てくるメルヘンチックなお城であった。
あれ?
来たとこまちごうたみたいや…
ホンマにここなのか?
私は、小首をかしげたあともう一度メモ用紙に記されている地図を見て確認した。
やっぱりここや…
場所の確認を終えたあと、私は店のとびらをあけて店内《なか》に入った。
店内にて…
店内は、西洋のお城の王宮みたいなつくりであった。
この店は、一体どないなってんねん…
そんなことよりも、店の人を呼ばなきゃ…
私は『ごめんください。』と言うて店の人を呼んだ。
店の奥の方から、『はーい。』と言う女性の声が聞こえた。
店の奥から50代後半の女性が出てきた。
女性は、ものすごく目つきの悪い表情で『なんやねんあんたは!!』と言うて私を凄《すご》んだ。
「なんやねんあんた!!勝手に来ないでと言うたでしょ!!」
勝手に来ないで…
…って、どういうことやねん…
初対面の人間に対して口が悪いのぉ~
私は、怒りたい気持ちをこらえながら女性に言うた。
「私は、昨夜《ゆうべ》旦過市場《いちば》で出会った森上《もりあげ》さんのご紹介でこちらにまいりました。」
私が言うた言葉に対して、女性はめんどくさい声で言うた。
「ああ、西成《かま》で暮らしていたあのジジイのクチで来たのね。」
「あっ、はい。」
女性は『どっこいしょ…』と言いながらイスに座ったあと、サンリオキャラクターズの柄のエプロンのポケットの中からラッキーストライク(たばこ)とすりぜんこう(マッチ)を出しながら私に言うた。
「坊や!!」
「はい?」
「坊やは、親御《おや》いるの!?」
「(キョトンした表情で)はっ?」
「親御《おや》はおるのかおらんのかといよんよ!!」
「(キョトンした表情で)おや?」
「どっちやねん!?」
女性は、ものすごくイラついた表情で私に言うたあとすりぜんこうでつけた火を口にくわえているたばこにつけた。
片足をあげた状態でいすに座っている女性は、のんきにたばこをふかしていた。
またかいなぁ~
私は、ものすごくうんざりとした表情でつぶやいた。
2日前に西成《かま》の公園にいた時に、私に声をかけてきた住人《おっちゃん》もそのようにいよったワ…
そう言った質問は、京阪神《アーバンネットワークエリア》や九州北部の各地を放浪していた時分《とき》もイヤと言うほど聞いた。
『バイトさせてください…』とヤトイヌシにお願いしようとしたら、ヤトイヌシは私に対して『親御《おや》はいるのかいないのか?』とたずねてくる…
ヤトイヌシは、なんで私に親御《おや》はいるのかとたずねるのか?
親御《おや》がいてへん人間は犯罪者《わるもん》か(怒)
他にもまた『高校《コーコー》はどうしたのかな?』とか『なんで高校《コーコー》に行かなかったのかな?』…と言われたこともあった。
高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校コーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコー…
高校《コーコー》という言葉を聞くだけでもうんざりだ(怒)
ヤトイヌシは私に『高校《コーコー》はどうした?』と言うたあと、いらんことをグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダ…とほざきよった。
『コーコーは、楽しい時間を過ごすために行くのだよ…』
『夏休み冬休み春休みに土曜半休《ハンドン》…の休みはいらないと言うんだね。』
『同い年のコたちが夏休みを楽しんでいるのを見てなんとも思わんのか?』
ヤトイヌシは、コーコーは遊び場だとほざきよるけんクソバカや(怒)
他にも、ヤトイヌシは『コーコーはケンカしに行く場だよ…』ともいよったワ…
仲村トオルさんが主演の映画『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズ・賀来賢人さんが主演のドラマで映画にもなった『今日から俺は』・エグザイル一族総出演の映画『ハイアンドロー』シリーズ・織田裕二さんが主演の『湘南暴走族』…のツッパリ映画・ドラマがたくさんあった。
そのようにほざいていたヤトイヌシは、周囲《まわり》にメーワクをかけた回数をおぼえてへんと思う(怒)
また、ヤトイヌシは『コーコーはラブコメをしに行く場だよ…』ともほざいていた。
桜井日奈子さんが主演の映画『ママレードボーイ』・浜辺美波さんが主演の映画『想い思われふりふられ』・内田有紀さんが主演の映画『花より男子《だんご》』…のラブコメ映画があった。
そのようにいよったヤトイヌシは、勉強そっちのけで色恋ばかりしょった…
それで何人の女子生徒《おんな》を妊娠《はらませた》のか数えてみろよ(怒)
アレコレと考えるだけでもホンマに腹立つわ(怒)
なんやねん一体もう…
そんなことよりも、私は木町《ここ》ヘ来て大失敗したワ…と思った。
話は変わって、イタメシ屋の店内にて…
女性は、タバコを吸い終えたあとテーブルの上に置いてあった1枚のチラシを私に見せながら言うた。
「坊や!!」
「(キョトンした表情で)はい?」
「このチラシを見なさい!!」
「チラシ?」
女性は、ますますあつかましい声で私に言うた。
「坊やはこれ見てなんとも思わんのかしら!?」
なんとも思わんのかしら…って…
どういうこっちゃねん…
私は、キョトンとした表情で女性にたずねた。
「そのチラシは、なんでしょうか?」
女性は、怒った声で『たずねびとのチラシよ!!』と答えた。
私は、キョトンとした表情で女性に言うた。
「たずね人?」
「せや!!」
女性が私に見せたチラシは『行方不明になった少年《かぞく》に会いたいので探してください…』と言う内容であった。
たずねびとのチラシを見た私は、ひねた声で女性に言うた。
「なんやねんこれは一体…」
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「なんやねんこれはって…行方不明になった少年《おとこのこ》の親御《おや》がどなな気持ちにおかれているのか…全く分かってへんみたいね!!」
「(キョトンとした表情で)少年《おとこのこ》の親御《おや》はなに考えてこななチラシを出したのですか?」
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「写真の下に書かれている文章を読んで!!」
「文章?」
「せや!!」
「文章がどうかしたのですか?」
「坊やが読めないのであれば、うちが読むわよ!!…『いつもどおりに高校《コーコー》に行くことができます』!!」
「(めんどくさい声で)またや…またソレかよ…」
「コラ!!」
「ふたことめにはいつもコレや…高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校コーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコー…高校《コーコー》と言う言葉を聞くだけでも頭痛いねん…」
女性は、ものすごく怒った声で『ますますはぐいたらしいわね!!』と言うてから私に言うた。
「なに言うとんであんたは!!」
「高校《コーコー》はなにをしに行くところでしょうか?」
「楽しい時間を過ごす場所よ!!」
「あんたの言う楽しい時間ってなんやねん?」
「夏休み冬休み春休みと土曜半休《ハンドン》を言うのよ!!」
「…って、休みばかりじゃないですか…」
「休みがたくさんあるから楽しいのよ!!」
「(ものすごくひねた声で)あんたはムジュンしとるわ…」
「なんやねんあんたは!!」
「ツゴーがよすぎるんだよ!!」
私がものすごくひねた声で言うたので、女性はよりし烈な声で私を怒鳴りつけた。
「坊やはどこのどこまで口が悪いのかしら!!」
悪かったのぉ~
私は、ものすごくひねた表情でつぶやいた。
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「坊や!!」
「なんやねん…」
「坊やはどこのどこまで親不孝者かしら!!」
「せやかて、このチラシに書かれている文章の意味が分からんねん…『いつもどおりに高校《ガッコー》に行けます…』と少年《おとこのこ》の親御《おや》は言うけど…そういう親御《おや》はさびしい人間ですよ…」
「なに言うとんで!!子どもが高校《コーコー》ヘ行く姿をみたいから親御《おや》はコレ(チラシ)を作ったのよ!!」
「それがしょぼいといよんですよ…」
「コラ!!」
「コレ(チラシ)作った親御《おや》は、他に楽しみはないのでしょうかねぇ~…」
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「ほんなら坊やに聞くけど、あんたの子どもが家出して行方不明になった…その時、あんたはどうするの!?」
私は、ますますひねた声で女性に言うた。
「そななチラシは一切作りません…」
「作らん…どうしてよ!?」
「家出した家族は、戸籍から外しますよ…」
「そななことしていいわけないわよ!!」
「せやから日本国《このくに》はダメなんですよ~」
「あんた!!」
「すんまへんでした…もういっぺん森上《もりあげ》さんに頼み直して来ます…失礼します…」
私が店から立ち去ろうとした時であった。
女性は、私に『待って!!』と言うて止めた。
私は、めんどくさい声で『なんやねん~』と言うた。
「坊や…」
「はい?」
「他に行くあてはあるの?」
「えっ?」
「他に行くあてはあるのと聞いてるのよ!!」
「ありますよ…北九州市《このまち》は工場《こうば》がたくさんあるねん…別にここじゃなくてもかまんねん…ほな、しゃいなら…」
私は、女性に『しゃいなら…』と言うて店を出ようとした。
女性は、ものすごくにえきらない表情で私に言うた。
「坊や待って!!」
「なんやねんもう…」
「店を出る前に、名前を言うてよ!!」
「コリントイワマツヨシタカグラマシーですけど…」
「坊やのルーツは、海外にあるのね。」
「せやけど…」
「うちも、海外にルーツはあるのよ。」
「ほんで?」
「他に行くあてがないのであれば、うちで働いたら?」
「ホンマですか?」
女性はおだやかな声で『うん。』と言うたあと、私に『行きましょう。』と言うて私を連れ出した。
またところ変わって、小倉南区の企救丘《きくがおか》にある大型のスレートづくりの倉庫にて…
倉庫は、モノレールの企救丘《きくがおか》駅の北西側にある広い敷地にポツンと立っていた。
(ガタン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
倉庫の電動シャッターがゴトンゴトンと音を立てながら上がっていた。
シャッターが全部上がったあと、女性は私を連れて倉庫の中に入った。
倉庫のスペースは、ものすごく広かった。
ものすごく広いスペースの倉庫のうんと奥の方に、たたみ6枚が敷かれているスペースがあった。
たたみの上には、おふとんとちゃぶ台だけが置かれていた。
たたみから5メートル先に、パナソニックの3ドア冷蔵庫が置かれていた。
冷蔵庫の右となりに、公団流し台があった。
流し台の上に、みどり色の大きな道具箱が置かれていた。
流し台の蛇口には、青色のホースがついていた。
ホースの先端に、シャワーヘッドがついていた。
居住スペースについたあと、女性は私に明日からのお仕事を説明した。
「このみどり色の道具箱の中にはさみ類とトイシがあるわよ…ゴミ袋は、流し台の下にあるわよ…これがしいたけをいれるかごとゴミを入れる容器よ…」
女性は、居住スペースの説明をしたあと明日から始めるお仕事を説明した。
「うちは、イタメシ屋としいたけプラントを運営しているのよ…坊やに頼むお仕事は、しいたけ栽培に使っているキンショウブロックのニドギリゼントバシよ…」
女性は、私にニドギリゼントバシのお仕事をお願いした。
ニドギリゼントバシとは、しいたけ栽培で使用しているキンショウブロックについているしいたけと切れ端をきれいに切り取ることである。
キンショウブロック一個きれいにしたら5円である。
大金をえるためには、1日1000個とばさなければならない…
ひと通り全部終えたら、ホースの水で洗浄する…
…という事である。
女性は、ひと通り説明したあと『ほな、明日からよろしくね…』と言うて私を置いて倉庫から出た。
(ガタン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
そしてまた、シャッターがしまった。
置き去りにされた私は、ぼんやりとした表情でたたずんでいた。
ところ変わって、JR南小倉駅の正面玄関にて…
ショルダーバッグを持って列車を降りた私は、入口付近で足を止めたあとジーンズのポケットの中から1枚のメモ用紙を取り出した。
メモ用紙には、地図が記されていた。
5月15日の夜、旦過市場《たんがいちば》にある居酒屋《のみや》で出会った森上《もりあげ》さん(もとは西成《かま》で暮らしていた住人《おっちゃん》)のクチで小倉北区の木町《きまち》にあるイタメシ屋ヘ向かおうとしていた。
私は、メモ用紙に記されている道順をたどって目的地ヘ向かった。
ところ変わって、木町《きまち》にあるイタメシ屋にて…
イタメシ屋の建物は、おっちゃんが言うた通りのゴージャスな建物であった。
おとぎ話に出てくるメルヘンチックなお城であった。
あれ?
来たとこまちごうたみたいや…
ホンマにここなのか?
私は、小首をかしげたあともう一度メモ用紙に記されている地図を見て確認した。
やっぱりここや…
場所の確認を終えたあと、私は店のとびらをあけて店内《なか》に入った。
店内にて…
店内は、西洋のお城の王宮みたいなつくりであった。
この店は、一体どないなってんねん…
そんなことよりも、店の人を呼ばなきゃ…
私は『ごめんください。』と言うて店の人を呼んだ。
店の奥の方から、『はーい。』と言う女性の声が聞こえた。
店の奥から50代後半の女性が出てきた。
女性は、ものすごく目つきの悪い表情で『なんやねんあんたは!!』と言うて私を凄《すご》んだ。
「なんやねんあんた!!勝手に来ないでと言うたでしょ!!」
勝手に来ないで…
…って、どういうことやねん…
初対面の人間に対して口が悪いのぉ~
私は、怒りたい気持ちをこらえながら女性に言うた。
「私は、昨夜《ゆうべ》旦過市場《いちば》で出会った森上《もりあげ》さんのご紹介でこちらにまいりました。」
私が言うた言葉に対して、女性はめんどくさい声で言うた。
「ああ、西成《かま》で暮らしていたあのジジイのクチで来たのね。」
「あっ、はい。」
女性は『どっこいしょ…』と言いながらイスに座ったあと、サンリオキャラクターズの柄のエプロンのポケットの中からラッキーストライク(たばこ)とすりぜんこう(マッチ)を出しながら私に言うた。
「坊や!!」
「はい?」
「坊やは、親御《おや》いるの!?」
「(キョトンした表情で)はっ?」
「親御《おや》はおるのかおらんのかといよんよ!!」
「(キョトンした表情で)おや?」
「どっちやねん!?」
女性は、ものすごくイラついた表情で私に言うたあとすりぜんこうでつけた火を口にくわえているたばこにつけた。
片足をあげた状態でいすに座っている女性は、のんきにたばこをふかしていた。
またかいなぁ~
私は、ものすごくうんざりとした表情でつぶやいた。
2日前に西成《かま》の公園にいた時に、私に声をかけてきた住人《おっちゃん》もそのようにいよったワ…
そう言った質問は、京阪神《アーバンネットワークエリア》や九州北部の各地を放浪していた時分《とき》もイヤと言うほど聞いた。
『バイトさせてください…』とヤトイヌシにお願いしようとしたら、ヤトイヌシは私に対して『親御《おや》はいるのかいないのか?』とたずねてくる…
ヤトイヌシは、なんで私に親御《おや》はいるのかとたずねるのか?
親御《おや》がいてへん人間は犯罪者《わるもん》か(怒)
他にもまた『高校《コーコー》はどうしたのかな?』とか『なんで高校《コーコー》に行かなかったのかな?』…と言われたこともあった。
高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校コーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコー…
高校《コーコー》という言葉を聞くだけでもうんざりだ(怒)
ヤトイヌシは私に『高校《コーコー》はどうした?』と言うたあと、いらんことをグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダグダ…とほざきよった。
『コーコーは、楽しい時間を過ごすために行くのだよ…』
『夏休み冬休み春休みに土曜半休《ハンドン》…の休みはいらないと言うんだね。』
『同い年のコたちが夏休みを楽しんでいるのを見てなんとも思わんのか?』
ヤトイヌシは、コーコーは遊び場だとほざきよるけんクソバカや(怒)
他にも、ヤトイヌシは『コーコーはケンカしに行く場だよ…』ともいよったワ…
仲村トオルさんが主演の映画『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズ・賀来賢人さんが主演のドラマで映画にもなった『今日から俺は』・エグザイル一族総出演の映画『ハイアンドロー』シリーズ・織田裕二さんが主演の『湘南暴走族』…のツッパリ映画・ドラマがたくさんあった。
そのようにほざいていたヤトイヌシは、周囲《まわり》にメーワクをかけた回数をおぼえてへんと思う(怒)
また、ヤトイヌシは『コーコーはラブコメをしに行く場だよ…』ともほざいていた。
桜井日奈子さんが主演の映画『ママレードボーイ』・浜辺美波さんが主演の映画『想い思われふりふられ』・内田有紀さんが主演の映画『花より男子《だんご》』…のラブコメ映画があった。
そのようにいよったヤトイヌシは、勉強そっちのけで色恋ばかりしょった…
それで何人の女子生徒《おんな》を妊娠《はらませた》のか数えてみろよ(怒)
アレコレと考えるだけでもホンマに腹立つわ(怒)
なんやねん一体もう…
そんなことよりも、私は木町《ここ》ヘ来て大失敗したワ…と思った。
話は変わって、イタメシ屋の店内にて…
女性は、タバコを吸い終えたあとテーブルの上に置いてあった1枚のチラシを私に見せながら言うた。
「坊や!!」
「(キョトンした表情で)はい?」
「このチラシを見なさい!!」
「チラシ?」
女性は、ますますあつかましい声で私に言うた。
「坊やはこれ見てなんとも思わんのかしら!?」
なんとも思わんのかしら…って…
どういうこっちゃねん…
私は、キョトンとした表情で女性にたずねた。
「そのチラシは、なんでしょうか?」
女性は、怒った声で『たずねびとのチラシよ!!』と答えた。
私は、キョトンとした表情で女性に言うた。
「たずね人?」
「せや!!」
女性が私に見せたチラシは『行方不明になった少年《かぞく》に会いたいので探してください…』と言う内容であった。
たずねびとのチラシを見た私は、ひねた声で女性に言うた。
「なんやねんこれは一体…」
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「なんやねんこれはって…行方不明になった少年《おとこのこ》の親御《おや》がどなな気持ちにおかれているのか…全く分かってへんみたいね!!」
「(キョトンとした表情で)少年《おとこのこ》の親御《おや》はなに考えてこななチラシを出したのですか?」
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「写真の下に書かれている文章を読んで!!」
「文章?」
「せや!!」
「文章がどうかしたのですか?」
「坊やが読めないのであれば、うちが読むわよ!!…『いつもどおりに高校《コーコー》に行くことができます』!!」
「(めんどくさい声で)またや…またソレかよ…」
「コラ!!」
「ふたことめにはいつもコレや…高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校高校コーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコーコー…高校《コーコー》と言う言葉を聞くだけでも頭痛いねん…」
女性は、ものすごく怒った声で『ますますはぐいたらしいわね!!』と言うてから私に言うた。
「なに言うとんであんたは!!」
「高校《コーコー》はなにをしに行くところでしょうか?」
「楽しい時間を過ごす場所よ!!」
「あんたの言う楽しい時間ってなんやねん?」
「夏休み冬休み春休みと土曜半休《ハンドン》を言うのよ!!」
「…って、休みばかりじゃないですか…」
「休みがたくさんあるから楽しいのよ!!」
「(ものすごくひねた声で)あんたはムジュンしとるわ…」
「なんやねんあんたは!!」
「ツゴーがよすぎるんだよ!!」
私がものすごくひねた声で言うたので、女性はよりし烈な声で私を怒鳴りつけた。
「坊やはどこのどこまで口が悪いのかしら!!」
悪かったのぉ~
私は、ものすごくひねた表情でつぶやいた。
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「坊や!!」
「なんやねん…」
「坊やはどこのどこまで親不孝者かしら!!」
「せやかて、このチラシに書かれている文章の意味が分からんねん…『いつもどおりに高校《ガッコー》に行けます…』と少年《おとこのこ》の親御《おや》は言うけど…そういう親御《おや》はさびしい人間ですよ…」
「なに言うとんで!!子どもが高校《コーコー》ヘ行く姿をみたいから親御《おや》はコレ(チラシ)を作ったのよ!!」
「それがしょぼいといよんですよ…」
「コラ!!」
「コレ(チラシ)作った親御《おや》は、他に楽しみはないのでしょうかねぇ~…」
女性は、ものすごく怒った声で私に言うた。
「ほんなら坊やに聞くけど、あんたの子どもが家出して行方不明になった…その時、あんたはどうするの!?」
私は、ますますひねた声で女性に言うた。
「そななチラシは一切作りません…」
「作らん…どうしてよ!?」
「家出した家族は、戸籍から外しますよ…」
「そななことしていいわけないわよ!!」
「せやから日本国《このくに》はダメなんですよ~」
「あんた!!」
「すんまへんでした…もういっぺん森上《もりあげ》さんに頼み直して来ます…失礼します…」
私が店から立ち去ろうとした時であった。
女性は、私に『待って!!』と言うて止めた。
私は、めんどくさい声で『なんやねん~』と言うた。
「坊や…」
「はい?」
「他に行くあてはあるの?」
「えっ?」
「他に行くあてはあるのと聞いてるのよ!!」
「ありますよ…北九州市《このまち》は工場《こうば》がたくさんあるねん…別にここじゃなくてもかまんねん…ほな、しゃいなら…」
私は、女性に『しゃいなら…』と言うて店を出ようとした。
女性は、ものすごくにえきらない表情で私に言うた。
「坊や待って!!」
「なんやねんもう…」
「店を出る前に、名前を言うてよ!!」
「コリントイワマツヨシタカグラマシーですけど…」
「坊やのルーツは、海外にあるのね。」
「せやけど…」
「うちも、海外にルーツはあるのよ。」
「ほんで?」
「他に行くあてがないのであれば、うちで働いたら?」
「ホンマですか?」
女性はおだやかな声で『うん。』と言うたあと、私に『行きましょう。』と言うて私を連れ出した。
またところ変わって、小倉南区の企救丘《きくがおか》にある大型のスレートづくりの倉庫にて…
倉庫は、モノレールの企救丘《きくがおか》駅の北西側にある広い敷地にポツンと立っていた。
(ガタン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
倉庫の電動シャッターがゴトンゴトンと音を立てながら上がっていた。
シャッターが全部上がったあと、女性は私を連れて倉庫の中に入った。
倉庫のスペースは、ものすごく広かった。
ものすごく広いスペースの倉庫のうんと奥の方に、たたみ6枚が敷かれているスペースがあった。
たたみの上には、おふとんとちゃぶ台だけが置かれていた。
たたみから5メートル先に、パナソニックの3ドア冷蔵庫が置かれていた。
冷蔵庫の右となりに、公団流し台があった。
流し台の上に、みどり色の大きな道具箱が置かれていた。
流し台の蛇口には、青色のホースがついていた。
ホースの先端に、シャワーヘッドがついていた。
居住スペースについたあと、女性は私に明日からのお仕事を説明した。
「このみどり色の道具箱の中にはさみ類とトイシがあるわよ…ゴミ袋は、流し台の下にあるわよ…これがしいたけをいれるかごとゴミを入れる容器よ…」
女性は、居住スペースの説明をしたあと明日から始めるお仕事を説明した。
「うちは、イタメシ屋としいたけプラントを運営しているのよ…坊やに頼むお仕事は、しいたけ栽培に使っているキンショウブロックのニドギリゼントバシよ…」
女性は、私にニドギリゼントバシのお仕事をお願いした。
ニドギリゼントバシとは、しいたけ栽培で使用しているキンショウブロックについているしいたけと切れ端をきれいに切り取ることである。
キンショウブロック一個きれいにしたら5円である。
大金をえるためには、1日1000個とばさなければならない…
ひと通り全部終えたら、ホースの水で洗浄する…
…という事である。
女性は、ひと通り説明したあと『ほな、明日からよろしくね…』と言うて私を置いて倉庫から出た。
(ガタン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
そしてまた、シャッターがしまった。
置き去りにされた私は、ぼんやりとした表情でたたずんでいた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる