【本編完結】農民と浄化の神子を並べてはいけない

ナナメ

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第二章 浄化の旅

side ローゼン・ルシアム R18

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怒ってませんよ、と伝えるけれど確かに言われる通り自分は怒っているのかも知れない。
王都に近付くにつれて遠目でも見えるようになったドラゴンは数ヵ月前を否応なしに思い出させ、治った筈の腹がずきりと疼いた。同時に感じたすなおの魔力に、まさか、と思った。あのドラゴンの近くに朴がいるのか。安全地帯にいるのではなかったのか。
ローゼンが辿り着いた時にはドラゴンとの戦闘は終わっていたけれど、ドラゴンが残した爪痕は凄まじく王宮は半壊状態で騎士団寮も半数が崩れていた。そしてその中で、朴は神官長パワハルに刃を突き付けられ今まさに連れ去られそうになっている所で。
瞬時に頭に血が上った。誰の許しを得てその方に触れているのか。今すぐその薄汚い手を離せ、と。
幸いパワハルは前方のディカイアス達にしか目がいっておらず、背後の瓦礫から現れたローゼンにまだ気付いていなかったから連れ去られる前に阻止できた。
でももしあの時にローゼンも動きを封じられていたら。もし転移魔法の発動がもっと早かったら。今この腕の中に朴はいなかったーーーそう思うと黒い感情が渦巻いてしまう。

「あ…ッ」

怯えたようにモゾモゾ逃げようとするその体を抱き締めて下から突き上げれば、途端にあがる甘い声。
結局あの神官長が何を求めて朴を手篭めにしようとしていたのかはわからないけれど、もしこの姿が自分達つがい以外の元で晒されたなら。

(相手を殺してしまうかも知れない)

パーピュアに対するレイアゼシカの過剰な独占欲をいつも苦笑いと共に見ていたが、今ならわかる。確かにイオというものは独占欲の塊なのだと。

「あ、あぁ…っん、あ…ッ」

そんな危険な独占欲を持たれてるとは知らない朴はローゼンにされるがまま甘く鳴く。まだ腕は動かないようで、何度もスリスリと頭を擦り付けてくるのが愛らしい。どうやら抱き締めて欲しいようで

「ろーぜん…っ、ぎゅ、ってして…!」

等と何度もねだられては敵わない。
自分の中のドロドロとした感情には蓋をしてその細い体を抱き締めてやる。

「スナオ様…」

「あん…っ、ひ、あ…ッ」

そのまま腰を動かせば中はきゅうきゅうと収縮し、ローゼンを離すまいと健気に吸い付いてきてそれがたまらなくーーー愛しい。

「スナオ様、すみません」

「んぇ…?」

ぽや、っとした瞳に見上げられその目蓋にキスを落とし、それからぐるりと体勢を入れ換えた。
くっつきたいと言う朴には申し訳ないが今はどろどろに蕩ける顔を見ながら、この体をめちゃくちゃに犯してやりたい。

「これ、やぁ…!くっつけない…っ」

「後でずっと抱き締めてあげますから、今は…っ」

今は自分の下でぐちゃぐちゃになって欲しい。

「あ!あん!ゃ、…急に、やだぁ…っ!」

細い腰を掴んでがつがつと最奥を突けば、首を振って涙を飛ばす。やはり腕は全然力が入らないようで、いつもならこういう時ぎゅ、っと枕を握り締める様が愛らしいのにその手は体の横に落ちたままシーツを力なく握り僅かな皺を刻んでいる。

「んっ、ぅん…っ!」

ぐ、と膝裏を押して体を折り曲げると少し辛そうな顔をするけれど、それでもローゼンの唇を嬉そうに迎え入れて舌を絡めてくる。
初めて朴に触れた時は催淫剤の効果に戸惑い、不安そうな顔をしていた。快楽に流されながらもローゼンに申し訳ないとボロボロ泣いて謝る彼が意地らしく、あの時からずっとそんな彼を大切に守りたいと思っていた。そしてそれと同時に、自分の下に組み敷いてドロドロに溶かして乱れさせたいとも思っていた。

「あぁッ、ろー、ぜん…っ!ひ、ぁ…!あん…っ、そこ、やぁ…っ!」

「嫌ですか?なら…やめましょうか…?」

「やだぁ…っ!やめないで…!」

わざと腰を引こうとすればくしゃりと顔を歪めて懇願する姿に自分でも知らなかった黒い愉悦が満たされる。
こんな感情知らなかったのに。ずっと清いままで生きていられたのに。

「あ!ぁ…ッんぁぁ!」

「貴方のせいですよ、スナオ様」

「ひ、や…っ、なに…?あぁぁっ!だめ…っ一緒、だめぇ!」

奥を突きながら、解放を求めて震える陰茎を擦りあげてやれば悲鳴のような声を上げて仰け反る、その白い喉に舌を這わせ時折強く吸い上げて痕を散らしていく。

「もう俺は貴方なしでは生きられないんですから…無茶はしないで」

誰かにこんなにも執着心を抱いた事など一度もない。
だから恐ろしいのだ。彼を失った後で自分がどうなるかわからないから。

でも。それでもこの人はまた同じ事をやるのだろう、と思う。自分の魔力がカラカラになるまで、誰かの為に。

「ろーぜん…、泣いてるの?」

「…あと何度…貴方を失うかも知れない恐怖に耐えたら、冷静でいられるようになるんでしょうね」

また目蓋にキスをすればくすぐったそうに身を捩りながら、その黒曜石のような澄んだ瞳がローゼンを見上げる。

「…そう簡単に死ぬつもりはないよ。ローゼン達が守ってくれるでしょ?」

「そんな事言って…俺達が知らない所でも無茶するんでしょう?」

すり、と鼻先を擦り合わせて囁きながら唇を塞ぐ。ちゅ、と軽いリップ音のあと唇を離せば朴は小さく笑ったようだった。

「例え皆が知らないところで何かあってもちゃんと帰ってくるよ。俺だって皆が思う以上に皆の事大好きなんだからな!」

そっちこそ俺の知らないところで勝手に死なないでよ、と愛らしく尖る唇をもう一度塞いだ。

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