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魔獣討伐の旗頭 ※王子主軸
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「ユース……それはまことか?」
王の視線にさえ失望の色がある。
「ただ婚約者を変えたいだけで、このような騒ぎを?聖女が何人もいるなら、それはむしろ喜ばしいことなのに、ゆくゆく結婚したくないというただそれだけでディアを葬ろうとしたのか?」
もうユースレスは顔を上げることもできない。周りの重臣がどんな目で自分を見ているか、確かめるのが恐ろしい。口の中でもごもごと弁解する。
「いえ、ですから、殺そうと思ったわけじゃ……」
「もういいッ!!貴様のような愚か者の言い訳なぞ時間の無駄だ!!」
辺境伯が吠えた。
「王よッ!ユースレス殿下を魔獣討伐の旗頭に!」
「え!?」「なんだと!?」
「疫病や災害はどうすることもできないのだから、せめて魔獣退治くらい手を貸すべきでしょう!民の目にも分かる形で、貴族にも見える形で、責任をとって頂きたい!」
辺境伯の怒りは収まらない。
「私の部下たちは!辺境のために鍛えておるのです!他国の侵略から、愛する国を守るために毎日鍛錬しておるのです!化物駆除のためではない!あんなトカゲもどきのケダモノ、設備が整ってさえいれば誰でも――ああ、そうだ!忘れておった!魔獣退治には、イルミテラ・リュゼ公爵令嬢も同行させて頂きたい!」
「な……イルミテラも!?」
「当然でしょう!女神ほどの精度や強度は期待しておらんが、聖女なら結界くらい張れよう!リュゼと話せ次第、屋敷から引きずり出してでも連れて行く!殿下も意気が上がりましょう!愛する者と一緒に遠出できる、またとない機会ですぞ!」
イルミテラが実は聖女でないなんて、もはやそんなことが言える雰囲気ではなかった。
フン!と鼻息を吹き出すと、辺境伯は腕組みをして何度か深呼吸した。少し落ち着いたのか王に頭を下げる。
「失礼。感情的になった。まあ、田舎貴族の私には分かりませんが、この場にいる者たちの中でも、聖女に消えてほしい輩はおったのでしょう。でなければ、誰にも咎められず処刑台の用意などできませんからな」
何人かが書類の影に顔を隠す。
ユースレスはまだ納得いかなかった。
魔獣退治なんて、自分にできるわけない。
考え直してもらえないかと口を開いたところで。
「失礼します!リュゼ公爵のことで一報が……!」
辺境伯は、やや表情を明るくして立ち上がった。
「おお!?気を持たせおって!やっとリュゼの奴が来たのか!?」
「いえ!それが……!」
リュゼ公爵家に逆賊が押し入り、屋敷ともども一家全員を焼き殺したという知らせだった。
王の視線にさえ失望の色がある。
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「いえ、ですから、殺そうと思ったわけじゃ……」
「もういいッ!!貴様のような愚か者の言い訳なぞ時間の無駄だ!!」
辺境伯が吠えた。
「王よッ!ユースレス殿下を魔獣討伐の旗頭に!」
「え!?」「なんだと!?」
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辺境伯の怒りは収まらない。
「私の部下たちは!辺境のために鍛えておるのです!他国の侵略から、愛する国を守るために毎日鍛錬しておるのです!化物駆除のためではない!あんなトカゲもどきのケダモノ、設備が整ってさえいれば誰でも――ああ、そうだ!忘れておった!魔獣退治には、イルミテラ・リュゼ公爵令嬢も同行させて頂きたい!」
「な……イルミテラも!?」
「当然でしょう!女神ほどの精度や強度は期待しておらんが、聖女なら結界くらい張れよう!リュゼと話せ次第、屋敷から引きずり出してでも連れて行く!殿下も意気が上がりましょう!愛する者と一緒に遠出できる、またとない機会ですぞ!」
イルミテラが実は聖女でないなんて、もはやそんなことが言える雰囲気ではなかった。
フン!と鼻息を吹き出すと、辺境伯は腕組みをして何度か深呼吸した。少し落ち着いたのか王に頭を下げる。
「失礼。感情的になった。まあ、田舎貴族の私には分かりませんが、この場にいる者たちの中でも、聖女に消えてほしい輩はおったのでしょう。でなければ、誰にも咎められず処刑台の用意などできませんからな」
何人かが書類の影に顔を隠す。
ユースレスはまだ納得いかなかった。
魔獣退治なんて、自分にできるわけない。
考え直してもらえないかと口を開いたところで。
「失礼します!リュゼ公爵のことで一報が……!」
辺境伯は、やや表情を明るくして立ち上がった。
「おお!?気を持たせおって!やっとリュゼの奴が来たのか!?」
「いえ!それが……!」
リュゼ公爵家に逆賊が押し入り、屋敷ともども一家全員を焼き殺したという知らせだった。
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