囚愛-shuai-

槊灼大地

文字の大きさ
87 / 99
囚愛Ⅳ《雅side》

囚愛Ⅳ《雅side》7

しおりを挟む


―翌朝―




「雅ーーーーー!!」



気持ちよく寝ているとエリックの叫び声と共に叩き起こされた。



そして寝ぼけている目の前にスマホを差し出し、動画を再生しながら怒鳴り続ける。



「なんっですかこれ!?私たちのセックスが声だけ配信されてます!今すぐ削除してください!今すぐ!今すぐ!」



え?声だけ配信されてる?



この部屋、盗聴器でもつけられてた?



「アルから大量に着信が残っていて、URLが送られてきて開いたら…なんてことだ…」




俺はその配信されてるという動画を確認した。




しばらく動画を見て、はっと思い付いた俺はベッドを降り、盗聴されていたであろう自分の部屋へと歩きだした。



その先には、テーブルの上に伏せられて充電の切れた俺のスマホが置いてあった。



「あー、あのあと配信止めてなかったんだ。そっかそっか、スマホ机に伏せただけかー。エリックとのキスで配信を止めるの忘れてた。充電満タンだったしどこまで配信されてんだろ」


「“笑えない!最っ悪だ…誰が聞きたいですか41歳の喘ぎ声など!しかもよりによって…し、潮…潮―…!”」




いやードイツ語で怒ってる怒ってる。
当たり前だよねぇ。



昨日の俺の暴露ライブ配信もたくさん拡散されているけど、それと同じようにその後のセックス音声も色んなサイトに拡散されていた。



しかもよりによって英語だからほとんどの国で何て話しているか分かってしまい、普段の俺たちのセックスを音声でお届けしてしまった。




「一気に俺のフォロワー300万人増えてるよ♪」


「OMG…」


「でも、俺たちへの応援コメントもたくさんきてる」


「それは嬉しいですが…」




顔出ししたエリックは美人で謙虚で性格も良く、そして年上なのにボトム(受け)だということが更に世の中に広まり、俺たちを応援する人たちがたくさん増えた。




世の中に祝福される中、俺たちは父さんの誕生日である1月23日に無事入籍。



そして結婚指輪は、お互いにアイオライトを埋め込んだリングにした。



「この宝石、父さんを思い出すね」


「そうですね。青紫に輝いて素敵な指輪」



結婚式はせず、ウェディングフォトだけを撮った。




「あー、結婚式したかったなぁ」


「私はもう40過ぎてるから写真だけで充分です」




そして2月22日、エリック42歳の誕生日。




俺は12本目の白い薔薇をプレゼントした。



「12本の白い薔薇の花言葉は?」


「私の奥さんになってください。…もうなってますね」



4年ぶりにあげた白い薔薇。



俺はエリックがいなくなったあの日から、白い薔薇を見ると辛くて苦しくてしばらく見れなかった。



「エリックは酷いよ。俺があげた白い薔薇を枯らして置いていくんだもんなぁ。あれから白い薔薇が見れなくなったよ。俺への気持ちを枯らしたってことでしょ?」



俺が少し悲しみながらエリックを見てそう言うと、エリックは少し驚いた顔をして言った。



「雅…知りませんでしたか?」


「?」


「枯れた白い薔薇の花言葉は『生涯を誓う』という意味ですよ」



そして俺の両手を手に取り、優しく握りしめて笑顔で俺を見つめて続ける。



「私はあなた無しではいられない。もう会えなくても生涯あなただけを愛しますという意味を込めて枯れた白薔薇を置いて去りました」


「エリック―…」


「だから私の誕生日にはこれからも毎年白い薔薇を頂けますか?」


「もちろん」



あぁ、なんて愛しい存在なんだろう。



俺も生涯、エリックだけを愛し続けるから。



「過去のトラウマ、まずは白薔薇から克服していかないと」


「ふふ…毎年お手伝いしますよ」




だから、お互い囚われる愛を続けていこう。




「今すぐベッドの上で愛し合いたい」


「配信は勘弁してくださいね」



そして囚われた過去の傷を舐めあって、その度に絆を深めていこう。




二度と離さない。
二度と離れない。
何があっても。



やっと手に入れた。



俺の…俺だけのエリック・ブラウン。




「愛してるよ」




―…永遠に囚われ合おう





【囚愛 《雅side》END】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」 その言葉を言われたのが社会人2年目の春。 あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。 だが、今はー 「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」 「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」 冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。 貴方の視界に、俺は映らないー。 2人の記念日もずっと1人で祝っている。 あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。 そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。 あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。 ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー ※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。 表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

あなたの隣で初めての恋を知る

彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。 その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。 そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。 一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。 初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。 表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

処理中です...