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囚愛Ⅳ《雅side》
囚愛Ⅳ《雅side》7
しおりを挟む―翌朝―
「雅ーーーーー!!」
気持ちよく寝ているとエリックの叫び声と共に叩き起こされた。
そして寝ぼけている目の前にスマホを差し出し、動画を再生しながら怒鳴り続ける。
「なんっですかこれ!?私たちのセックスが声だけ配信されてます!今すぐ削除してください!今すぐ!今すぐ!」
え?声だけ配信されてる?
この部屋、盗聴器でもつけられてた?
「アルから大量に着信が残っていて、URLが送られてきて開いたら…なんてことだ…」
俺はその配信されてるという動画を確認した。
しばらく動画を見て、はっと思い付いた俺はベッドを降り、盗聴されていたであろう自分の部屋へと歩きだした。
その先には、テーブルの上に伏せられて充電の切れた俺のスマホが置いてあった。
「あー、あのあと配信止めてなかったんだ。そっかそっか、スマホ机に伏せただけかー。エリックとのキスで配信を止めるの忘れてた。充電満タンだったしどこまで配信されてんだろ」
「“笑えない!最っ悪だ…誰が聞きたいですか41歳の喘ぎ声など!しかもよりによって…し、潮…潮―…!”」
いやードイツ語で怒ってる怒ってる。
当たり前だよねぇ。
昨日の俺の暴露ライブ配信もたくさん拡散されているけど、それと同じようにその後のセックス音声も色んなサイトに拡散されていた。
しかもよりによって英語だからほとんどの国で何て話しているか分かってしまい、普段の俺たちのセックスを音声でお届けしてしまった。
「一気に俺のフォロワー300万人増えてるよ♪」
「OMG…」
「でも、俺たちへの応援コメントもたくさんきてる」
「それは嬉しいですが…」
顔出ししたエリックは美人で謙虚で性格も良く、そして年上なのにボトム(受け)だということが更に世の中に広まり、俺たちを応援する人たちがたくさん増えた。
世の中に祝福される中、俺たちは父さんの誕生日である1月23日に無事入籍。
そして結婚指輪は、お互いにアイオライトを埋め込んだリングにした。
「この宝石、父さんを思い出すね」
「そうですね。青紫に輝いて素敵な指輪」
結婚式はせず、ウェディングフォトだけを撮った。
「あー、結婚式したかったなぁ」
「私はもう40過ぎてるから写真だけで充分です」
そして2月22日、エリック42歳の誕生日。
俺は12本目の白い薔薇をプレゼントした。
「12本の白い薔薇の花言葉は?」
「私の奥さんになってください。…もうなってますね」
4年ぶりにあげた白い薔薇。
俺はエリックがいなくなったあの日から、白い薔薇を見ると辛くて苦しくてしばらく見れなかった。
「エリックは酷いよ。俺があげた白い薔薇を枯らして置いていくんだもんなぁ。あれから白い薔薇が見れなくなったよ。俺への気持ちを枯らしたってことでしょ?」
俺が少し悲しみながらエリックを見てそう言うと、エリックは少し驚いた顔をして言った。
「雅…知りませんでしたか?」
「?」
「枯れた白い薔薇の花言葉は『生涯を誓う』という意味ですよ」
そして俺の両手を手に取り、優しく握りしめて笑顔で俺を見つめて続ける。
「私はあなた無しではいられない。もう会えなくても生涯あなただけを愛しますという意味を込めて枯れた白薔薇を置いて去りました」
「エリック―…」
「だから私の誕生日にはこれからも毎年白い薔薇を頂けますか?」
「もちろん」
あぁ、なんて愛しい存在なんだろう。
俺も生涯、エリックだけを愛し続けるから。
「過去のトラウマ、まずは白薔薇から克服していかないと」
「ふふ…毎年お手伝いしますよ」
だから、お互い囚われる愛を続けていこう。
「今すぐベッドの上で愛し合いたい」
「配信は勘弁してくださいね」
そして囚われた過去の傷を舐めあって、その度に絆を深めていこう。
二度と離さない。
二度と離れない。
何があっても。
やっと手に入れた。
俺の…俺だけのエリック・ブラウン。
「愛してるよ」
―…永遠に囚われ合おう
【囚愛 《雅side》END】
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