16 / 81
第16話 ファーストコンタクト
しおりを挟む
俺がスキル成長を終えると、20連ガチャで大量の金色コインを体内に取り込んだガチャは、お腹を見せてスピスピ寝息をたてていた。
レバーがゆっくりと動いているので、何か食べてる夢を見てるのかもしれない。
って推察できるくらいに、ガチャに詳しくなり始めてしまったようだ。
それにしても、金色コインは食事ではないみたいだけど、必須栄養価みたいなもんなんだろうか?
まぁ、俺は可愛い相棒のガチャに、課金しまくるだけなんで問題ないんだが。
ガチャの寝姿を見ていたら、目の前にあった金色の宝箱が消え、奥の神殿のがれきから光の柱が立ち昇った。
「なんだ……アレ?」
俺の声で目を覚ましたガチャが、光の柱に気付きびっくりして足もとに寄ってきた。
「あのゴブリンが言ってた出口ってこれか?」
ガチャとともに、立ち昇っている光の柱に近づく。
周囲を見回したが、他に出口っぽい物はないし、入ってみるしかねぇよな。
「ガチャ、こっちおいで」
足もとのガチャを抱えると、俺は一緒に光の柱の中に入る。
次の瞬間、目の前は緑が生い茂る森の中だった。
「外の世界……か」
出口って、あの部屋から出るって意味じゃなくて外への出口ってわけか!?
あの光の柱は、ダンジョン脱出用の転移ゲートってわけだ。
「出られたって思っていいよな?」
俺の質問に、ガチャが相槌を打つようにレバーを回した。
それにしても、緑が多い森だな。
どこに出たのかもいっさい不明だし、ナビゲーションスキルとかってないのか?
周囲を見渡すと、木々の奥に泉のようなものが見える。
そう言えば、腹は肉を食って満たしたけど、洞窟で目覚めてからずっと水分を口にしてないし、喉が渇いたな。
ひとまず休憩の意味も込めて、あの泉の水を飲むか。
「ガチャ、あっちに泉があるぞ。水飲もう。もう、喉がカラカラだ!」
ガチャもレバーを回し、同意してくれる。
きっと俺と同じく喉の渇きを覚えているんだろう。
水を見つけ、喉の渇きを抑えられなくなった俺はガチャと一緒に木々の奥の泉に近づく。
泉の水は綺麗に透き通っているから、飲んでも大丈夫そうだな。
喉の渇きに耐えられず、泉の水に口を付けようとしたら、反対側の水辺から声をかけられた。
「いくら綺麗に見えても、この森の水を口にしない方が長生きできるぞ」
声に振り返ると、俺に話しかけてきたのは、背中に弓を背負い、動物の皮をなめした鎧を着た猟師っぽい人だった。
ファンタジー系ゲームに出てくるような服装で、絶対に現代日本人が普段着として着るものじゃない。
容姿も日本人というよりは、金髪碧眼で欧米人っぽいな。
ファンタジー系のオンラインゲームの住人とかと思うと、しっくりくるかも。
俺は第一異世界人の忠告に従い、水を飲もうとしたガチャを急いで泉から引き離す。
「そ、そうなんですか?」
「特にこの『オッサムの森』の水は、魔物によって汚染されてる可能性が高いからな。ほら、それを飲め」
猟師っぽい格好の人が、革の水筒っぽいものを投げ渡してきた。
喉の渇きの誘惑に勝てなかった俺は、栓を外すと中身を飲む。
お世辞にも美味い水とは言えないけど、カラカラの身体に染みわたるぜ。
ガチャが欲しそうに見上げているので、水筒から水を出し舐めさせる。
み、見えない舌が俺の手を舐めている……だと!?
謎の感覚に襲われつつもガチャも水分が取れたようで、満足したらしくゲップが聞こえた。
「助かりました。これお返しします」
中身が半分くらいまで減った革の水筒を差し出す。
「それはお前にやる。水筒なしで『オッサムの森』を出られると思えんからな」
遠慮するのも失礼だろうし、もらえるならもらっておくか。
「ありがとうございます。じゃあ、遠慮なくもらっておきますね」
それにしても相手の言葉が分かるのは、言語翻訳スキルのおかげっぽいな。
ちゃんと意志の疎通ができるなら、さらにこの世界を楽しめそうだ。
優しい仕様あざーっす。
現地の人とのファーストコンタクトに成功したことで、言葉に関しては問題ないと判明した。
――――――――――――
ここからはしばらく異世界ウィンダミアの説明が続きます。
レバーがゆっくりと動いているので、何か食べてる夢を見てるのかもしれない。
って推察できるくらいに、ガチャに詳しくなり始めてしまったようだ。
それにしても、金色コインは食事ではないみたいだけど、必須栄養価みたいなもんなんだろうか?
まぁ、俺は可愛い相棒のガチャに、課金しまくるだけなんで問題ないんだが。
ガチャの寝姿を見ていたら、目の前にあった金色の宝箱が消え、奥の神殿のがれきから光の柱が立ち昇った。
「なんだ……アレ?」
俺の声で目を覚ましたガチャが、光の柱に気付きびっくりして足もとに寄ってきた。
「あのゴブリンが言ってた出口ってこれか?」
ガチャとともに、立ち昇っている光の柱に近づく。
周囲を見回したが、他に出口っぽい物はないし、入ってみるしかねぇよな。
「ガチャ、こっちおいで」
足もとのガチャを抱えると、俺は一緒に光の柱の中に入る。
次の瞬間、目の前は緑が生い茂る森の中だった。
「外の世界……か」
出口って、あの部屋から出るって意味じゃなくて外への出口ってわけか!?
あの光の柱は、ダンジョン脱出用の転移ゲートってわけだ。
「出られたって思っていいよな?」
俺の質問に、ガチャが相槌を打つようにレバーを回した。
それにしても、緑が多い森だな。
どこに出たのかもいっさい不明だし、ナビゲーションスキルとかってないのか?
周囲を見渡すと、木々の奥に泉のようなものが見える。
そう言えば、腹は肉を食って満たしたけど、洞窟で目覚めてからずっと水分を口にしてないし、喉が渇いたな。
ひとまず休憩の意味も込めて、あの泉の水を飲むか。
「ガチャ、あっちに泉があるぞ。水飲もう。もう、喉がカラカラだ!」
ガチャもレバーを回し、同意してくれる。
きっと俺と同じく喉の渇きを覚えているんだろう。
水を見つけ、喉の渇きを抑えられなくなった俺はガチャと一緒に木々の奥の泉に近づく。
泉の水は綺麗に透き通っているから、飲んでも大丈夫そうだな。
喉の渇きに耐えられず、泉の水に口を付けようとしたら、反対側の水辺から声をかけられた。
「いくら綺麗に見えても、この森の水を口にしない方が長生きできるぞ」
声に振り返ると、俺に話しかけてきたのは、背中に弓を背負い、動物の皮をなめした鎧を着た猟師っぽい人だった。
ファンタジー系ゲームに出てくるような服装で、絶対に現代日本人が普段着として着るものじゃない。
容姿も日本人というよりは、金髪碧眼で欧米人っぽいな。
ファンタジー系のオンラインゲームの住人とかと思うと、しっくりくるかも。
俺は第一異世界人の忠告に従い、水を飲もうとしたガチャを急いで泉から引き離す。
「そ、そうなんですか?」
「特にこの『オッサムの森』の水は、魔物によって汚染されてる可能性が高いからな。ほら、それを飲め」
猟師っぽい格好の人が、革の水筒っぽいものを投げ渡してきた。
喉の渇きの誘惑に勝てなかった俺は、栓を外すと中身を飲む。
お世辞にも美味い水とは言えないけど、カラカラの身体に染みわたるぜ。
ガチャが欲しそうに見上げているので、水筒から水を出し舐めさせる。
み、見えない舌が俺の手を舐めている……だと!?
謎の感覚に襲われつつもガチャも水分が取れたようで、満足したらしくゲップが聞こえた。
「助かりました。これお返しします」
中身が半分くらいまで減った革の水筒を差し出す。
「それはお前にやる。水筒なしで『オッサムの森』を出られると思えんからな」
遠慮するのも失礼だろうし、もらえるならもらっておくか。
「ありがとうございます。じゃあ、遠慮なくもらっておきますね」
それにしても相手の言葉が分かるのは、言語翻訳スキルのおかげっぽいな。
ちゃんと意志の疎通ができるなら、さらにこの世界を楽しめそうだ。
優しい仕様あざーっす。
現地の人とのファーストコンタクトに成功したことで、言葉に関しては問題ないと判明した。
――――――――――――
ここからはしばらく異世界ウィンダミアの説明が続きます。
99
お気に入りに追加
2,612
あなたにおすすめの小説

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる
シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。
※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。
※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。
俺の名はグレイズ。
鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。
ジョブは商人だ。
そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。
だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。
そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。
理由は『巷で流行している』かららしい。
そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。
まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。
まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。
表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。
そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。
一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。
俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。
その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。
本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる