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調査

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病院に着いた私たちはエレベーターに乗り込んだ。

言わずもがな雰囲気は最悪で、恵衣くんはいつもと変わらずだけれど嘉正くんが不機嫌をここまで顕にしているのは初めてだ。

来光くんはずっと俯いたままで、慶賀くんたちはどうしたものかと困ったように眉を下げてみんなの顔色を伺っている。

ぽん、とエレベータが到着した音がして扉が開いた。無言のままぞろぞろと降りて、目の前のナースステーションを横切る。

こんな雰囲気のまま調査を続けられるんだろうか。

小さく息を吐いたその時。


「ちょっと君たち!」


突然背後から呼び止められて振り返った。

薄桃色のスクラブを身につけた若い女性の看護師がナースステーションから身を乗り出して私たちを見ている。


「君たち誰かのご家族? 今感染症が流行してるから身内以外の面会は基本駄目なんよ」


え、と皆が目を丸くした。

そんな、ここまで来たのに面会が出来ないなんて。


「あ、えっとあの俺たち……」

「あ、えっと、えー……」


慶賀くんたちがあわあわと必死に言い訳を探す。息を吐いた嘉正くんが苦笑いで一歩前に出た。


「親戚です。僕がいとこで、このふたりがはとこ。こっちは甥と姪と叔父」


叔父、と言いながら恵衣くんを指さした。


「叔父? 随分若いな」

「年が離れた兄弟で。ね、恵衣オジサン」


分かりやすく眉を釣り上げた恵衣くんに、泰紀くんがすかさず後ろから羽交い締めにして口を塞いだ。

それにしても嘉正くんでもこんな子供じみた仕返しをするんだ、とちょっと驚く。

親戚だと嘘をつくなら色々設定はあるだろうに、わざわざ恵衣くんの事を叔父さんだなんて。

案の定恵衣くんは分かりやすく怒ってるし、嘉正くんはそんな様子にふんと鼻を鳴らす。


「僕、みんなの分記入しとくから先行っといて。ついでにコンビニでなんか適当なお見舞いのお菓子買っていくよ」


そう名乗り出た来光くんに皆が気を遣う視線を向けた。

その視線から逃げるようにそそくさとナースステーションへ向かう来光くんの背中を見つめる。


「……行こうか」

「だな」


私たちは病室を目指し歩き出した。

西院高校の学生が入院しているという病室の前に辿り着いた。嘉正くんが軽く扉をノックするとならから「はーい」と返事が聞こえて、扉を開ける。

ベッドの上に寝転がってゲームをしていた男の子が「なぁ母さんアイス買ってきて」とこちらを見ずにそう言った。


「えっと、俺でよければ買ってこようか?」


嘉正くんが答えれば、彼はぱっと顔を上げて目を瞬かせる。


「え、誰?」

「はじめまして。俺、宜嘉正っていいます」


はぁ、と怪訝な顔で私達を見回す。

そう言えば、西院高校で聞き込みをした時は「シスコンのお兄ちゃん」の設定でなんとか乗り切ったけれど、流石にここまで来てしまったらその設定ではかなり厳しい。

一体なんて言い訳するつもりなんだろう。


「諸事情で西院高校の不可解事件について調べてるんだけど、話聞いていい?」

「は? いや、どういう事情?」

「そこは突っ込まないでもらえると」


嘉正くん、流石にそれは無理があるよ……。

案の定彼は余計に警戒した顔で私達を見る。


「まぁまぁ、そういうもんだと思ってくれよ! な!」

「まぁまぁ、後でアイス買ってきてやるからさ!」


まぁまぁ、まぁまぁと宥めながら壁に立てかけられていたパイプ椅子を引っ張ってきてベッドの隣に広げた慶賀くん達。


「まぁ……ちょうど暇やったしアイス買うてもらえるならええけど」


そう言ってベッドに背を預けた男の子。

本当にそれでいいの?と思わず心の中でつっこむ。絶対に私ならもっと色々聞きたくなると思うけど。

すかさず慶賀くんがグループトークで来光くん宛に「お見舞いの品、追加でアイスも~」とメッセージを送信する。自分のじゃないだろうな?とすぐに返事があって「ちげーし!」と唇を尖らせた。


「で? 何が聞きたい訳?」


ベッドの周りにパイプ椅子を並べて座った私達に、彼は面倒くさそうにそう聞いてきた。

嘉正くんが身を乗り出す。


「学校で何があったのか、君自身に何があったのか……知ってることは全部話して欲しい。木田きだ佳祐けいすけくん」


名前を呼ばれたことで少し驚いた顔をした佳祐くん。


「サッカー部一年の木田佳祐くんであってるよね? 三ヶ月前に屋上から転落した」

「あれは自分から落ちたんじゃない! 後ろから誰かに押されたんや!」


声を荒らげた佳祐くん。思った通りの反応に皆は神妙な顔になる。

────その生徒がおかしなことを言うんです。"俺は後ろから誰かに押されたんだ"って。誰かに背中を強く押されたんだって。だからその時一緒にいた学生たち一人一人に事情を聞いたら、「あいつは自分から飛び降りたって」。

校長先生から聞いた話の通りだ。


「一通り調べさせてもらったから何があったのかはだいたい分かってるんだけど、佳祐くんの口からその日何があったのか聞かせてもらえる?」


途端にすっと顔を逸らした佳祐くんは口を閉ざした。


「……調べたんやったらそれで十分やろ。大人に話したことが全てや」

「でも佳祐くんは納得してないんだよね?」


佳祐くんは布団を強く握った。

顔を私たちに向けた。視線を泳がせたあと布団の上に力なく落とす。何か言いたげで言いにくそうに口を開けては閉じてを繰り返す。


「でもほんまに……大人に話した事が全てや。あの日屋上におったら、いきなり背中を後ろから押された。誓って俺は自分から飛び降りてへん」

「その時近くに誰かいた?」

「同じクラスのサッカー部の奴らが三人……でもアイツらは俺の事押してないって。ケーサツは風に煽られて落ちた事にしたみたいやけど……でも間違いなく背中に触れたのは人の手みたいな感覚やった! 信じてくれ! 俺は飛び降りてへん!」


佳祐くんは必死な顔で身を乗り出すと、そばにいた泰紀くんに掴みかかった。落ち着けって、と背中を叩かれてベッドに戻される。

でも"人の手みたいな感覚"というのは新しい情報だ。もっと詳しく調べてみればその情報から絞りこめる事があるかもしれない。


「なぁなぁ。そういやサッカー部の部員って半年前にもガラスに突っ込む事故があったよな? それはお前の友達?」


慶賀くんがそう尋ねる。


「いや……それは俺らや」

「は? なにそれもお前なの!?」


目を瞬かせた私たちに気まずそうにひとつ頷く。

佳祐くんから聞いた話は、西院高校の前で女子高生から聞いた話とほとんど同じだった。

遊んでいたところ男子生徒のひとりが"誰かに背を押されて"ガラスの窓に突っ込み、身体中に破片が突き刺さる全治二ヶ月の大怪我を負った。

まるで今の佳祐くんと同じ状況だ。


「あの時……アイツが怪我したのを俺らのせいにした事にムカついて、アイツのこと無視したりしたんやけど……今俺も同じ状況になって、酷いことしてたんやって反省してる」

「何、お前いま友達からハブられてんの?」


遠慮のない慶賀くんの物言いに泰紀くんが「バカ!」と脳天をはたく。

佳祐くんは少しむっとした表情で眉間に皺を寄せると、「そうだよ!」と私達を睨む。声に元気はなかった。


「それはそうと、そのオトモダチからも話は聞いた方が良さそうじゃね? その場にいた貴重な証人だろ」

「確かに泰紀の言う通りだね。佳祐くん、その場にいた人達の名前全員教えて貰っていい?」


佳祐くんの表情が曇る。

元は友達とはいえ、今は自分の事を仲間はずれにしているんだ。名前を呼ぶ事すら嫌なんだろう。

しぶしぶと重そうに口を開いた佳祐くんは四人分の名前を挙げた。最後の一人には「こいつがガラスで怪我したやつ」と付け加える。

すかさず嘉正くんはメモ帳に名前をしたためた。


「これで全員? ちなみになんだけどさ、この時君たち何してたの?」


その質問に対して佳祐くんが激しく動揺したのが目の動きでよく分かった。忙しなくあちこちに視線を泳がせたあと、布団を強く握りしめる。何かを隠しているのだと分かった。

わかりやすい態度に嘉正くんが呆れたように息を吐いた。


「人様には言えないような悪い事をしていたのはよく分かったよ」

「お前ほんと呆れた奴だなぁ」


はぁ、と息を吐いた慶賀くんに顔を赤くして捲し立てる。


「違ッ……俺は別に見てただけで、正信まさのぶをいじめてたんはあいつらで────」


口を滑らしたと気付いたのか「あ」と目を見開いて慌てて口を閉じた。みんなが纏う空気が鋭くなった。呆れは軽蔑に変わる。


「状況はだいたい分かった」


嘉正くんが代表して話に区切りをつけた。俯いていた佳祐くんが縋るように顔を上げる。


「なぁ。俺の事突き落としたやつ、見つけ出してや」


そんな言葉にかける言葉もない。なんて身勝手なんだろう、と怒りを覚える。

加担していないとはいえ同級生がいじめられている現場に居たのに何もしなかった。挙句友達まで仲間はずれにして、自分がそうなった時には「助けて欲しい」だなんて。


「お前、まじで最低だな」


嫌なものでも見たような顔で慶賀くんがそう吐き捨てる。咎める人は誰もいなかった。声には出さなかったけれどみんな同じように思っていたんだろう。

佳祐くんは堪えるように唇をかみ締めた。目を真っ赤にして布団を見つめる。


「分かってる……サイテーな事したって」


その声色からは強い後悔の念が伝わってくる。流石に言い過ぎたと思ったのか慶賀くんが戸惑うように後頭部をかいた。


「まぁ後悔するくらいなら今後は同じ過ちを繰り返さないことだね。君のことはかなり軽蔑してるけど、仕事だから犯人はきっちり探すよ」


嘉正くんがそう言って立ち上がる。そろそろ切り上げるつもりなんだろう。

私たちも立ち上がってパイプ椅子を片付け始めた。ふと時計を見上げる。


「来光くん遅いね」


ナースステーションの前で別れてからもう三十分近くは経っている。

コンビニでお見舞いのお菓子を適当に見繕ってくると言っていたけれど、それにしても時間がかかりすぎな気がする。


「確かに遅いね。俺電話して────」


コンコン、と病室のドアがノックされた。

カラカラと引き戸が開いてコンビニの袋を提げた来光くんが顔を覗かせて、ほっと息を吐いた。


「遅かったね、もう出るところだよ」

「あれ、もう事情聴取終わったの? ごめん任せっきりで。病院のコンビニにアイス売ってなくて、近くのコンビニまで行ったから時間かかって」


袋の中身をガサガサと弄りながら来光くんが入ってくる。


「でも近くのコンビニもあんまりいいやつ売ってなくてさ。ジャンボモナカとあずきバーくらいしか買えなか────」

「お前……! 死神か!?」


その呼び方には聞き覚えがあった。

袋の中を見つめたまま動きを止めた来光くんに、佳祐くんが身を乗り出す。


「お前、そうやんな? 死神やんな!?」


身を乗り出した佳祐くんが来光くんの腕を掴んむ。持っていた袋ががさりと床に落ちた。

怖い顔をした嘉正くんが一歩前に踏み出したその時、


「ごめん!」


突然の謝罪の声が病室に響いた。来光くんの両腕を掴んだ佳祐くんが縋るようにその体を揺する。


「お前の気持ちなんて考えんと、俺お前にひどいことした……! 同じ立場になってから分かるなんて遅すぎるけど、ずっとお前に謝りたかった」


その言葉を聞いてやっと二人の関係性が見えた。佳祐くんは小学生の頃の来光くんをいじめていたクラスメイトの一人なんだ。

なんて自分勝手なんだろう、と怒りで手が震えた。同じ立場になってやっと来光くんがどれほど苦しんできたのかが分かったから謝るだなんて、虫が良すぎる。

眉根を寄せて「もう帰ろう」と手を伸ばしかけたその時。


「あのさ」


静かに来光くんが口を開いた。


「僕の名前、覚えてる?」


え? と佳祐くんが目を瞬かせた。

ゆるりと顔を上げた来光くん。ぼんやりとした目で蔑むように佳祐くんを見下ろした。


「僕の名前、言える?」

「え……いや、あの」

「言えないよね。ずっと死神って呼んでたんだもんね。覚えてるわけないよね」


ふ、と鼻で笑った来光くんは勢いよくその腕を振り払った。


「本気で謝りたいと思うならまずはその相手の名前を思い出したら!? でもさ、ここで会わなかったとしたら君は一生僕に謝罪しようなんて思わなかったよね? つまり自分がした事はその程度だって思ってんだろ!?」


目を見開いた来光くんがそう叫んだ。その頬を大粒の雫が伝う。


「お前なんか、お前なんかッ────」

「来光ッ!」


続きが言葉になる前に泰紀くんが強く肩を引いて止めた。ハッと我に返った来光くんが数度瞬きをして私達を見回した。

くしゃりと顔を歪めると、勢いよく病室を飛び出した。


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