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しおりを挟む弦が耳元でささやき、千尋はぞくりときた。
「左足を、俺の右足に掛けてくれ」
「こっ、こうですか?」
おそるおそる千尋が足を絡めると、二人の体はさらに密着した。
「もう少し、強く締めてくれ」
言われるがまま、足に力を入れてみた。
すると、下半身が擦り合わされる。
(あっ! ヤだ、ダメ!)
自分の体の真ん中に、弦の中心が当たっているではないか!
千尋は、ひるんで力を抜いた。
「どうした。もっと締めろ」
「でッ、でも!」
「俺は、痛くもかゆくもない。遠慮するな」
「うぅ……」
(そうじゃなくって! 別の意味で!)
体を擦り合わせるうちに、二人の中心は硬く張っていく。
それを知ってか知らずか、弦はさらに技を進めた。
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