弦先輩と千尋の日常は晴れ時々くもり所によりドキドキするでしょう! ~硬派先輩×可愛い後輩 幼馴染だった二人は恋に落ちていく……のか?~

大波小波

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 弦の言葉に嘘はなく、技はゆっくりとかけられた。
 今日は横四方固をマスターする、とのことだ。
 その動作一つひとつを確かめながら、腕や足を曲げたり伸ばしたりしている。
「千尋、痛くないか?」
「大丈夫です、先輩」
「これくらいは?」
「痛い! 苦しい! やめてください!」

 やはり締めると痛いか、と弦はため息をついた。
 型はしっかり覚えることができたが、いまひとつ実戦的ではない。
 少しは千尋にも、協力してもらわねばならない。
「千尋。もう一度やるから、俺の言うとおりに動いてくれ」
「はい」
 そう言うと、弦は再び千尋の体の上に被さってきた。

 頬にかけられる熱い息に、千尋はぶるりと震えた。
(さっきから、こんなことばかりしてるけど……)
 冷静になって考えてみると、これはとんでもない体勢だ。
(やだ。何だか、意識してきちゃった)
 弦の左腕が千尋の首の下にもぐりこみ、右腕は胴を抱え込むように回される。
 まるで、抱きしめられているようなポーズだ。
 顔は、少し傾ければキスが簡単にできるくらいに近いのだ。

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