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 健は、目が冴えてしまった未悠に語り掛けた。
「参ったな。先を越されちゃったよ」
「何がですか?」
「プロポーズ」
 そんな、と未悠は健にすがった。
「僕、プロポーズなんかしてません」
「赤ちゃん産んであげる、ってのは、究極のプロポーズだよ」
 それとも、といたずらっぽい響きの、健の声だ。
「赤ちゃんは産んでくれるのに、結婚はしてくれないの?」
「もう。健さん、ったら」
 それなら、と未悠は唇を尖らせる。
「僕、もうプロポーズしましたから。今度は、健さんがしてください」
「ええっ?」
 これは困った。
 200年以上生きてきたが、誰かにプロポーズしたことは一度もないのだ。
 何を、どう表現すればいいんだろう?

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