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未悠は、シンプルにそう思っていた。
僕、どこにいるんだろう。
寒いところ。
(凍えそう)
寒いのは、苦手だ。
早く帰って、お風呂に入って。
(宿題やって、寝ちゃおう)
あれ?
こんな展開、いつかどこかで……?
するとそこに、細い路地が現れた。
何か、いる。
細い路地に、確かに何かいる。
そっと見てみると、そこにはうっすらと雪を被った男が倒れていた。
(あの、大丈夫ですか?)
どうしたのかな。
声が、出ない。
だが男は、返事を寄こしてきた。
「未悠、愛してる。愛してるよ」
その声に未悠の周囲は、ぱあっと晴れた。
「健さん!」
未悠を見つめる、優しいまなざし。
ああ、僕は。
この人の元へ還らなきゃ。
未悠は、健を力いっぱい抱きしめた。
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