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しおりを挟む「おいしいですか?」
「ふふっ。甘いよ」
そこで健の目が、いたずらっぽく輝いた。
「試してみるかい?」
未悠が返事をする間もなく、健は彼に口づけていた。
甘くて、鼻に抜けるような、アルコールの香り。
優しいキスの後、健は未悠を抱きしめた。
「今夜、君を抱きたい。許してくれる?」
「……どうぞ」
ああ、今この腕の中にいるのは。
「未悠は、獣人なんだね」
「そうです」
ああ、今話しかけてくれるのは。
「健さんも、獣人なんですね」
「そうだよ」
運命で出会った、同種。
同じ苦しみ、悲しさを背負い、味わってきた仲間。
健は、何度も未悠にキスをした。
未悠も、次第に自分から唇を重ねるようになった。
体より、心が先にヒートした。
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